実務経験がないけど本社で勤務したい!
転職雑記 2017/12/26
以前、Sさんという方の転職サポートをしたときの話です。
Sさんは38歳で、パチンコ業界の職歴は1社、ある大手パチンコホール企業で副店長をしていました。そのパチンコホール企業は、M&Aをして店舗数を増やして、売り上げを伸ばしていったという経歴があります。Sさんはもともと、買収されたパチンコホール側の社員だったため、副店長職以上の職位が望めないと考えて、転職を考えるようになりました。
自分の年齢やキャリアプランを考えて、実務経験はないものの、パチンコホールの現場ではなく、本社で勤務したいと希望していました。
ちょうどSさんが転職活動を始めた頃、都内で2店舗を展開している老舗のパチンコホール企業A社から、本社の経理財務候補の募集を行っているという連絡がありました。Sさんには実務経験がありませんでしたが、実際に採用するか否かを決めるのは、その求人企業です。Sさんの強い希望もあり、SさんをA社に紹介しました。
1.A社の面接結果
A社は、やはり、Sさんに実務経験がないことを懸念していましたが、事前に提出していた「入社志望動機書」を読んで、Sさんの勤勉さや熱意を汲み、結果的に内定が出ました。
「Sさんには、これから仕事をどんどん覚えていって、うちの会社を引っ張っていくような存在になってほしい」と思ったようです。
そして、SさんはA社に転職することに決めました。「まずはは現場を知ることを始めてほしい」というA社の意向から、パチンコホールで主任職としての勤務からスタートとなりました。
2.入社後のSさん
入社1年後、それまで問題なくSさんは仕事をこなしていったようでした。久しぶりにSさんと顔を合わせる機会があり、転職後の話をいろいろと聞きました。Sさんは、まだ現場の勤務をしていましたが、主任職から店長職に昇格していました。
A社は、パチンコホール運営は2店舗ですが、パチンコホール以外に、アミューズメント施設を経営しています。年1回は他の事業の従業員もあわせて忘年会を行っており、施設は、従業員ならば自由に利用することが可能とのことで、全事業の従業員の間柄も良好でした。
Sさんは、入社してA社の現状を知る前までは、「A社はいろいろと挑戦しようとしているけれども、あまり変化できていないのではないか」と思っていた部分もあったそうです。しかし、実際に転職してみると、思っていた以上に社長は積極的に会社の変革を進めようとしていて、現場の社員の意見も通りやすい環境であったとのこと。入社前に感じていた印象と実際の環境には、いい意味で大きなギャップがあり、入社後すぐに、自分が活き活きと働いていくビジョンを思い描くことができたそうです。
3.大手企業と中小企業の違い
Sさんが以前働いていたような、大手パチンコホール企業では、何かアイデアや意見を提案しても、なかなか本部の許可が取れません。Sさんは、長い間、したいことがなかなかできないような環境に身を置いていました。だからこそ、A社の環境がとても新鮮で、それでいて自分が成長できる環境だと考えているようです。
また、上司や部下、他事業の従業員との距離も近く、活き活きと意見の交換が行われているところに大きな魅力を感じているそうです。今はまだ、当初の希望である、本部勤務ではないですが、今の仕事の先に本部勤務があることを、Sさんは実感しており、「これからも頑張っていきたい」と意気込んでいました。
A社もSさんの熱意ややる気に期待しているようでした。
4.まとめ
実務経験がなくても、熱意やその求人企業に対する想いがあれば、本社で勤務することも可能です。最初は、パチンコホールでの現場の仕事からスタートすることになるかもしれませんが、きちんと経験を積んで、スキルを身に付けていけば、希望通りにキャリアアップしていくことができるはずです。
また、大手パチンコホール企業で働いている人は中小規模の、中小規模のパチンコホール企業で働いている人は大手パチンコホール企業の状況がなかなか見えにくいでしょう。転職し、入社してみると「イメージより◯◯だった」ということもたくさんあるかもしれません。わからないこと、知らないことをできるだけ入社前になくしておくことが、新しい現場で働くためには大切な心がけになっていきます。