パチンコ店のブランドロイヤリティ向上
パチンコ店の仕事・スキル 2021/5/27
人気店舗の要素を考える時、真っ先に浮かぶマーケティングのキーワードが「ブランドロイヤリティ」です。
ブランドロイヤリティとは、「他の選択肢があるにも関わらず、ある特定の商品・サービスを購入したい」という顧客の気持ちを表すものです。
ブランドロイヤリティが高ければ、顧客は特定の商品・サービスを繰り返し利用します。
これをパチンコ店に置き換えると「この店にまた来たい」「あの店で遊びたい」という顧客の気持ちが、即ちホールのブランドロイヤリティであり、パチンコ店の知名度や信頼度、安心感や期待感という「無形の価値」といえます。
1.ブランドロイヤリティが生み出すもの
このブランドロイヤリティを上げることができれば、営業活動に好循環が生まれ、そのパチンコ店の業績や知名度、さらには企業価値すら向上させることができます。
では一体、どんな要素がブランドロイヤリティをアップさせるのでしょうか。
・リピーターの増加
もっとも分かり易いのが、リピーターの増加です。
何度も通って来てくれる顧客は、そのパチンコ店の有益性を強く感じる状態になっており、他店舗を試してみる必要性を感じなくなっています。
リピーターが増えれば、新しい顧客に対して機種やサービスを宣伝する手間をかけず、安定的に顧客を確保できるようになります。
・客単価の増加
顧客のブランドロイヤリティが高まると、顧客単価も増加する傾向があります。
そのパチンコ店に対する強い愛着から、提供されるサービスを好意的に反応するためです。
さらに、それぞれの顧客のニーズに合う機種やサービスを紹介すれば、興味をもってもらえる可能性は高いでので、常に顧客のニーズを把握する施策の展開が重要になってきます。
・宣伝効果
営業活動に好循環が生まれていると宣伝効果も得られやすくなります。
顧客がそのパチンコ店の良さを周囲に広めてくれるケースも生まれ、良い口コミが広まれば、広告を打つよりも高い宣伝効果が期待できます。
2.ブランドロイヤリティが高めるポイント
ブランドロイヤリティを活用するには、そのパチンコ店におけるブランドロイヤリティが高まる仕組みについて理解しておくことが大切です。
・店舗の親近感を高める
ブランドロイヤリティを高めるには、店舗や企業に対する親近感や愛着心を高めることが重要です。
そのためには、顧客とスタッフとの接点を増やし、接客の中で顧客の店舗イメージを高める必要があります。
人間は接触回数が多いものに対して親近感を抱くと言われています。サービスのシリーズ化は、心理学における「単純接触効果」を利用した手法でもあります。
もちろん一般的にイメージされる出玉感も大切ですが、むしろそれ以上に地域への貢献度、特に「安心感」の醸成は必須です。
パチンコ店におけるブランドロイヤリティの向上は、土台となるこの安心感を作り上げることが最重要と言えるでしょう。
・店舗のファンコミュニティ
ブランドロイヤリティは、サービスを利用している顧客によって形成されることも少なくありません。特に店舗のファンコミュニティが形成されると、ブランドロイヤリティの強化に役立ちます。
かつては「名物店長」がその主役を担っていましたが、現在では「看板娘」や「アイドル店員」などもファンを牽引しており、SNSの発達でファンコミュニティが形成され易い環境も整っています。
そのためコミュニティ参加者同士で仲間意識が生まれたり、情報の共有が進んだりと、自然と店舗に対する愛着も高まりやすくなるのです。
・サービスのシリーズ化
サービスの「シリーズ化」とは、「持続的」あるいは「定番」のサービスを用意することです。
例えば新機種は一部の人気機種を除いて入れ替わりが激しく、ほとんどの機種が数か月で入れ替わりますが、顧客のニーズは一人ひとり違うので、「お気に入りの機種が打ちたい」という個別の要望に応える体制も需要が存在します。
実際、常連顧客の要望で不人気機種でも1~2機種だけ残してバラエティーコーナーを用意するホールもあり、リピーター増加に貢献しています。
このほかにも「来店ポイント」や「優先入場」、「二人で打ちたい」などなど、“あったらいいな”的なサービスを恒常的に用意することがブランドロイヤリティのアップに繋がります。
3.ブランドロイヤリティを高める具体的方法
①顧客の情報を正確に把握する
ブランドロイヤリティを高めるには、顧客の意識を正確に把握することが重要です。
アンケートなど顧客の生の声を聞く機会を設けて、率直な意見や感想を集めましょう。
評判がよい機種やサービスについては、新機種購入やサービスの開発にも活かすことができます。
また、クレームの中にも商品やサービスを改善するためのヒントが隠されている可能性があるので、定期的なチェックや検討を行うと良いでしょう。
②ニーズに合った機種やサービスの提供
これは①に連動することですが、ブランドロイヤリティの高い顧客を多く獲得するには、ニーズに合った機種やサービスを提供することが重要です。
顧客のニーズに合っていなければ愛着を高めることはできません。
顧客が何を思い、何を期待して商品やサービスを利用するのかを考慮しましょう。
そのためには、ターゲットとなる客層を分析したり、すでに高いブランドロイヤリティをもつ顧客に着目したりすることが大切です。
③情報発信
積極的な情報発信は、ブランドロイヤリティを高めるための施策として効果的です。
特に、導入前の機種やサービスについて早い段階で告知をおこなえば、顧客の期待を高めやすくなります。
SNS を活用すれば、情報を発信しながらリアルタイムで顧客の反応をチェックすることもできます。
消費者と気軽にコミュニケーションをとり、ダイレクトな反応を把握するのにも役立ちます。
④インセンティブの提供
インセンティブを提供する取り組みをおこなうと、結果的にブランドロイヤリティの向上につながることがあります。
業界定番の手法として「ポイントプログラム」があります。
来店時や誕生日などにポイントを付与して顧客の利便性を高める方法ですが、新たに店舗オリジナルのサービスを提供するのも良いでしょう。
ブランドロイヤルティを高めるには、「徹底」して「継続的」に顧客と向き合い、関係性を構築していくことが重要です。
より深く顧客を知ることができなければ、顧客の予想を超え感動を与える対応はできません。
短期的な成果を求めるのではなく、長期的な視野でコミュニケーションを行うことが、ブランドロイヤルティを高める王道と言えるのです。