パチンコ店内の明るさ
パチンコのユルイ雑学 2022/8/25
同じパチンコ店でも、パチンココーナーとパチスロコーナーでは明るさに違う時があります。
パチンココーナーはとても明るいのにパチスロコーナーはなぜか照明が暗くなっている…。
これは店の営業戦略の一つになるわけですが、なぜこうした戦略になるのでしょうか?
風営法では許可の種別により客室内の明るさに決まりがあり、常に一定以上の明るさ(照度)を保つ必要があります。
規定以下の照度の場合は風営法違反で処罰の対象となりますから、ルールを遵守しなければなりません。
今回は、風営法におけるパチンコ店内の明るさについて調べてみました。
1.パチンコ店内の明るさは10ルクス以上
風営法の許可種別で4号営業にあたるパチンコ店は、店内の照明について風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)で「10ルクス以上」と決められています。
「10ルクス」の明るさは、ロウソク1本ほどの明るさで、本は読むのは難しくかろうじて相手の顔が見える程度です。
店舗で言えばバーカウンターや上映前の映画館の明るさくらいになります。ちなみに二灯用の蛍光灯の下であれば300~450ルクス位、オフィス空間の照度水準が750ルクス以上、さらにコンビニやスーパーマーケット等の平均照度は1000〜2000ルクスです。
商業施設における「明るさ」はJIS(日本工業規格)による基準になりますが、風俗営業の店内照明がいかに暗いか分かりますね。
2.風営法の照度基準
風営法では、各営業許可の店舗種別によって店舗内の明るさが決められています。その明るさ以下では営業が許可されません。
・各種別の照度(店舗面積要件は割愛)
1号営業【料理店・社交飲食店(客に接待する飲食店)】:5ルクス以下とならないこと
2号営業【低照度飲食店:10ルクス以下の飲食店で接待を伴わない店】:5ルクス以下とならないこと
3号営業【区画席飲食店:広さ5㎡以下でしかも見通しの悪い客席で客に飲食をさせる店】:10ルクス以下とならないこと
4号営業【雀荘、パチンコ店】:10ルクス以下とならないこと
5号営業【ゲームセンター】:10ルクス以下とならないこと
深夜営業許可【バー、居酒屋など】:20ルクス以下とならないこと
特定遊興飲食店営業【ナイトクラブ、スポーツバーなど】:10ルクス以下とならないこと
同じ飲食店でも風俗営業許可で営業する場合と、深夜営業許可で営業する場合に分かれますが、どちらの許可を取るのかによって客室内の明るさに4倍もの違いがあります。
また、パチンコ店では現在の一般的な照度は1000ルクスが標準的で、とても明るい遊技空間となっていると言えるでしょう。
3.調光設備も不可
明るさを調整できる設備に「スライダックス」がありますが、パチンコホールでは「調光設備」があると許可がおりません。
スライダックスは明るさを自由に調整できるため営業にはとても便利なのですが、規定以下の照度にも調整できてしまうため設置自体がNGとなります。
居抜きの物件などでは最初から設置されている場合もありますが、実地調査の際に指摘されますので事前に外してオンオフ式のスイッチに変更する必要があります。
4.パチスロコーナーはなぜ暗い?
同じパチンコ店内でも、パチンココーナーとパチスロコーナーでは明らかに明るさに差がある店舗がありますね。
これは店の営業戦略にもよるのですが、基本的にはパチスロはお洒落な大人の娯楽でパチンコは明るい大衆の娯楽というイメージに起因すると言えるかもしれません。
また、周囲が暗い方がパチスロのリールが良く見えるので、目を疲れさせないという理由もあります。
長時間リールを目で追うわけですから、周囲が明るいとリールが見づらくなるという理由もありそうです。
しかし、近年はパチンコと同様パチスロコーナーも同じ照明になっている店も多くなっています。
法律で規制されている10ルクス以上の明るさであれば自由な裁量で照明は決められるので、各コーナーの明るさをどうするかは店それぞれの判断に委ねられています。
ちなみに照度は「照度計」で測定しますが、2,000円前後で購入が可能です。
店内の照度がどの程度か知っておくためにも購入しておくのも良いかもしれませんね。