内定と内々定の違い
転職雑記 2025/11/18

転職活動中、企業から「内定」や「内々定」をもらうことがあります。
これは非常に嬉しい瞬間ですが、この2つの言葉の違いを正しく理解しているでしょうか?
似ているようで、実は法的にも実務的にも明確な違いがあります。
今回は「内定」と「内々定」の違いについて、わかりやすく解説します。
1. 実は全く異なる「内定」と「内々定」
まず大きな違いとして、「内定」には法的拘束力があり、原則として企業側が一方的に取り消すことはできません。
一方で「内々定」には法的拘束力がなく、企業側から取り消される可能性があります。
つまり、内々定はあくまで「内定の手前段階」であり、「正式な採用決定前の内々の合意」といった位置づけになります。
【内定とは】
内定とは、一般的に企業から「内定通知書」や「採用条件通知書」「労働条件通知書」などが送付され、これに対して求職者が「入社承諾書」などを提出した段階で労働契約が成立した状態を指します。この時点で法的拘束力が発生し、企業側・求職者側ともに簡単には契約を解除できなくなります。
【内々定とは】
内々定は、企業が「あなたを採用予定です」と口頭や非公式な方法で意思を示している状態であり、労働契約の成立には至っていません。
あくまで「正式な内定を出す前の段階」と考えるべきで、企業によっては採用活動スケジュール上、便宜的にこのような形を取っている場合があります。
2. 内定や内々定が取り消される事由
内定は法的拘束力のある労働契約であるため、企業側が一方的に取り消すには合理的な理由が必要とされ、無効とされる場合もあります。
一方、内々定は法的拘束力がないため、企業側が比較的柔軟に取り消すことが可能です。
【内定が取り消される可能性のある事由(例)】
・経歴詐称が発覚した
・刑事事件を起こした
・健康上の理由により勤務が困難となった
・企業の経営状態が著しく悪化した
・自然災害等により事業継続が困難となった
・内定通知書に対して承諾の意思表示がされなかった
・面接時に「取得予定」としていた資格が期日までに取得できなかった
・内定者研修等への著しい不参加
※特にコロナ禍では、経営悪化に伴う内定取消しが社会問題となりました。
3. 内々定が不当に取り消された場合
内々定には法的拘束力がないため、取り消し自体は原則自由とされていますが、社会通念上不適切な対応と感じられる場合は以下の行動が有効です。
【取り消し理由を文書で求める】
口頭ではなく、証拠として残るように書面で理由の開示を依頼しましょう。
【総合労働相談コーナーへの相談】
都道府県の労働局が設置する「総合労働相談コーナー」では、学生や求職者の相談も無料で受け付けています。
予約不要で利用できるので、不安な点がある場合は相談してみましょう。
4.オワハラとは
「オワハラ(就活終われハラスメント)」とは、企業が内定や内々定を出す際に、他社への就職活動を終えるよう強要する行為です。
たとえば、内々定の段階で「内定承諾書を出すように」と迫るケースや、「他社の選考をすぐ辞退してください」と圧力をかけてくるようなケースが該当します。
このような対応は不適切であり、毅然とした態度で対応し、必要があれば労働局などの第三者機関に相談することをおすすめします。
5. 内々定でも油断は禁物!
内々定をもらうと安心しがちですが、正式な内定ではないため早まった行動は避けるべきです。
特に、内々定の段階で現在の職場に退職を申し出てしまうと、後に内々定が取り消された際にトラブルになりかねません。
必ず正式な内定通知(書面)を受け取り、労働条件を確認した上で退職の手続きを進めるようにしましょう。
また、内定を得た場合でも、公私ともに誠実な振る舞いを心がけることが大切です。
企業は様々な場面であなたを見ている可能性があります。












