えるぼし認定とは
転職雑記 2026/9/29

転職活動で企業研究をしていると、「えるぼし認定」「くるみん認定」といったマークを目にすることがあります。
どちらも国の制度に基づく認定ですが、「何を評価しているのか」「どのような企業が認定されるのか」まで詳しく知らない人もいるのではないでしょうか。
「えるぼし認定」は、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況などが優良な企業を認定する制度です。
また、2026年4月からは、女性の健康支援に取り組む企業を評価する「えるぼしプラス」も新設されています。
こうした認定制度について理解しておくと、転職活動で企業の取り組みを確認する際の判断材料の一つとして活用できます。
本記事では、えるぼし認定の概要や認定基準、2026年から始まった「えるぼしプラス」、混同されやすい「くるみん認定」との違いについて解説します。
1.えるぼし認定とは?
「えるぼし認定」とは、女性活躍推進法に基づく認定制度です。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良であるなど、一定の基準を満たした企業が申請することで厚生労働大臣の認定を受けることができます。
認定を受けた企業は、「えるぼし」の認定マークを商品や広告、求人情報、企業サイトなどに表示することができます。
そのため転職活動では、企業が女性活躍についてどのような取り組みを行っているのかを知る手掛かりの一つになります。
ただし、えるぼし認定は「働きやすい会社」を総合的に認定する制度ではありません。
あくまで、女性活躍推進法に基づく一定の評価項目について、所定の基準を満たしている企業に対する認定であることを理解しておきましょう。
2.えるぼし認定の5つの評価項目
えるぼし認定では、女性の活躍に関する実績について、大きく5つの評価項目が設けられています。
①採用
男女別の採用状況などを基に、女性の採用に関する実績を評価します。
具体的な認定基準では、男女別の競争倍率や、一定の職種・雇用管理区分における女性労働者の割合などが用いられます。
単純に「男女を同じ人数採用しているか」を評価する制度ではありません。
②継続就業
女性が継続して働いている状況について評価する項目です。
女性労働者の平均継続勤務年数と男性労働者の平均継続勤務年数との比較など、所定の基準によって判断されます。
そのため、「育児支援制度があるかどうか」だけで認定されるものではなく、実際の継続就業に関する実績が評価されます。
③労働時間等の働き方
長時間労働を抑えるなど、働き方に関する実績を評価する項目です。
雇用管理区分ごとに、法定時間外労働や法定休日労働の状況などが所定の基準を満たしているか確認されます。
④管理職比率
管理職に占める女性の割合などを評価します。
具体的には、女性管理職割合を産業ごとの平均値と比較する方法など、所定の認定基準が設けられています。
⑤多様なキャリアコース
女性がさまざまなキャリアを選択・形成できるような実績について評価します。
例えば、女性の非正社員から正社員への転換、女性労働者のキャリアアップにつながる雇用管理区分間の転換、過去に在籍した女性の正社員としての再雇用、おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用などが評価対象となります。
2.えるぼし認定は3段階
えるぼし認定には、5つの評価項目の達成状況などに応じて3段階があります。
1段階目:5項目のうち1つまたは2つの基準を満たす
2段階目:5項目のうち3つまたは4つの基準を満たす
3段階目:5項目すべての基準を満たす
なお、1段階目・2段階目については、単純に所定数の項目を満たせばよいだけではありません。
満たしていない項目についても、2026年4月1日以降の基準では、直近で2年連続して実績が改善していることなどが求められます。
そのため、認定マークを見る際は、星の数によってどの段階の認定なのかを確認することができます。
3.「プラチナえるぼし」とは?
「プラチナえるぼし」は、えるぼし認定を受けている企業のうち、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が特に優良であるなど、より高い基準を満たした企業を認定する制度です。
えるぼし認定の1~3段階目のいずれかを受けていることに加え、一般事業主行動計画に定めた目標を達成していることなど、所定の要件を満たす必要があります。
したがって、「えるぼし3段階目の次が自動的にプラチナえるぼしになる」という仕組みではありません。
別途、プラチナえるぼしの認定基準を満たし、申請して認定を受ける必要があります。
4.2026年から「えるぼしプラス」がスタート
2026年4月1日から、新たに「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」の認定制度が始まりました。
これは、従来のえるぼし・プラチナえるぼしの認定基準に加えて、職場における女性の健康支援に関する基準を満たした企業を認定する制度です。
女性の健康支援に関する基準には、例えば、
・女性の健康上の特性に配慮した休暇制度
・時差出勤、フレックスタイム、短時間勤務、在宅勤務など利用可能な制度
・女性の健康上の特性への配慮に関する方針や制度の周知
・従業員の理解を促進する研修などの実施
・相談に対応する担当者の選任・周知
などがあります。
これら女性の健康支援に関するすべての基準を満たすと、従来のえるぼし認定に「プラス」が付加されます。
転職活動で企業の認定マークを見る際は、「えるぼし」だけでなく「えるぼしプラス」についても確認してみるとよいでしょう。
5.転職者にとってどんな意味がある?
えるぼし認定は、転職先を検討する際の企業研究に活用できます。
■女性活躍の実績を確認する材料になる
えるぼし認定は、企業が単に「女性活躍を推進しています」と宣言するだけで取得できるものではありません。
採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースという評価項目について、実績に基づく認定基準が設けられています。
そのため、企業の女性活躍に関する取り組みを見る際の客観的な材料の一つになります。
■キャリア形成を考える際の参考になる
管理職に占める女性の割合や、多様なキャリアコースなども評価項目に含まれています。
将来的な管理職への登用やキャリア形成を重視している人にとって、企業を比較する際の参考情報になるでしょう。
ただし、えるぼし認定を取得しているからといって、すべての部署・職種で同じようなキャリア形成ができるとは限りません。
実際の配属予定部署の状況や評価制度などについては、企業の採用情報や面接などでも確認することが大切です。
6.「えるぼし」と「くるみん」の違い
えるぼし認定と混同されやすい制度が「くるみん認定」です。
どちらも国の法律に基づく認定制度ですが、根拠となる法律や評価するテーマが異なります。
■えるぼし認定
根拠:女性活躍推進法
主なテーマ:女性の職業生活における活躍推進
主な評価:採用、継続就業、働き方、管理職比率、多様なキャリアコースなど
■くるみん認定
根拠:次世代育成支援対策推進法
主なテーマ:仕事と子育ての両立支援
主な評価:育児休業の取得状況や仕事と子育てを両立できる雇用環境整備など
簡単に整理すると、えるぼしは「女性活躍」、くるみんは「仕事と子育ての両立支援」に重点を置いた認定です。
なお、くるみんについても認定基準が改正されており、2025年4月1日から新しい基準が適用されています。
両方の認定を取得している企業であれば、女性活躍と子育て支援のそれぞれについて国の認定基準を満たしていることになります。
ただし、両方を取得していることだけをもって、「すべての人にとって働きやすい会社」と断定することはできません。
7.転職活動でえるぼし認定をどう活用する?
企業研究を行う際は、求人票や企業サイトなどで「えるぼし」の認定マークを確認する方法があります。
さらに、厚生労働省が公表している認定企業一覧や「女性の活躍推進企業データベース」などを確認すると、企業の取り組みや実績を詳しく調べることができます。
ただし、
「えるぼし認定=自分にとって働きやすい会社」
と考えるのは早計です。
転職先を選ぶ際には、えるぼし認定だけでなく、
・実際の労働時間・残業時間
・有給休暇の取得状況
・育児休業などの利用状況
・男女の賃金差異
・女性管理職比率
・評価制度
・配属予定部署の働き方
・キャリアパス
なども確認するとよいでしょう。
また、離職率や口コミなどを見る場合も、一つの数字や個人の感想だけで判断せず、企業が公表している情報など複数の資料を組み合わせて判断することが大切です。
8.えるぼし認定を企業選びの判断材料の一つにしよう
えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良な企業を認定する制度です。
採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースという5つの項目について、企業の実績が評価されます。
また、2026年4月からは、女性の健康支援に関する基準を追加した「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」もスタートしました。
一方、えるぼし認定は、企業の給与、福利厚生、人間関係などを含めた「総合的な働きやすさ」を保証するものではありません。
転職活動では、えるぼし認定を企業研究の判断材料の一つとして活用しながら、自分が重視する労働条件やキャリア、実際の働き方なども確認して、自分に合った企業を選びましょう。
※えるぼし・くるみんなどの認定基準は法改正等によって変更される場合があります。最新の認定制度や認定企業については、厚生労働省や都道府県労働局の情報をご確認ください。












