日本の女性役員の比率は?
転職雑記 2023/9/12
政府は「すべての女性が輝く社会づくり本部」などの合同会議で、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023」(女性版骨太の方針)を決定しました。
東京証券取引所の「プライム市場」に上場する企業で2030年までに女性役員の比率を30%以上とする目標を明記したのです。
1.女性役員を30%以上に
男女共同参画の推進に向けた、政府のことしの重点方針案が示されました。
最上位の上場企業の役員について、2030年までに女性の比率を30%以上にすることを目指すとして、男女共同参画の推進に向けた重点方針「女性版骨太の方針2023」の案が示されました。
「女性版骨太の方針2023」の概要(原案)によると、施策として2つの方針を掲げています。
①プライム市場上場企業を対象とした女性役員比率に係る数値目標の設定等
令和5年中に、取引所の規則に以下の内容の規定を設けるための取組を進めるようです。
・2025年を目途に、女性役員を1名以上選任するよう努める
・2030年までに、女性役員の比率を30%以上とすることを目指す
・左記の目標を達成するための行動計画の策定を推奨する
あわせて、企業経営を担う女性リーダー研修の更なる充実、リスキリングによる能力向上支援、好事例の横展開など、女性の育成・登用を着実に進め、管理職、更には役員へという女性登用のパイプラインの構築に向けた取組支援など。
②女性起業家の育成・支援
・ ロールモデルとなる女性起業家の創出・育成支援のため、政府機関と民間が集中支援を行うプログラム(J-Startup)において、女性起業家の割合を20%とすることを目指す。
・ あわせて、女性起業家のためのネットワークの充実、女性起業家による資金調達への支援等を行う。
2.欧米に比べて低い女性役員比率
OECD=経済協力開発機構は去年、各国の主な企業を対象に女性役員が占める割合を調査しました。
この調査はEU=ヨーロッパ連合の各国やトルコなど一部の国について、それぞれ代表的な50の企業、これ以外の国は、世界的に知られる株価指数を構成する企業を対象に行われ、このうち日本は、大企業など283社が対象とのこと。
なお、OECDの調査では「女性役員」の定義を「取締役」と「監査役」「執行役」とし、「執行役員」は含んでいません。
3.主要国の女性役員の比率
調査の結果、日本は欧米と比べて女性役員の比率が低いことが明らかになりました。
欧米では、一定の割合で女性役員の登用を義務づける「クオータ制」を取り入れる国や州があり、女性役員の比率は、フランスの45.2%をはじめ、イタリアやイギリスなどで40%を超えています。アメリカでは、31.3%となっていて、OECD各国の平均は29.6%です。
これに対して日本の女性役員の比率は15.5%となっています。
参照元:内閣府男女共同参画局資料 より
↓以下をテキストリンク
https://www.gender.go.jp/policy/mieruka/company/yakuin.html#:~:text=2012%E5%B9%B4%E3%81%8B%E3%82%892022%E5%B9%B4,%E6%B0%B4%E6%BA%96%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A9%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
4.まずはプライム市場企業からだが…
東京証券取引所の最上位「プライム市場」に上場する企業の役員について、2025年をめどに女性を1人以上選ぶよう努め、2030年までに女性の比率を30%以上にすることを目指すとしています。
そして、実効性を担保するため、東京証券取引所に対してこうした規定を年内に設けるよう促すようです。
ただし、プライム市場企業の「女性役員」については「取締役」や「監査役」「執行役」のほか、「執行役員またはそれに準じる役職者」も含まれており、前述のOECDの定義とは異なっています。
東証のプライム市場に上場している企業について、女性役員の比率を調べたデータはありますが、「女性役員」を「取締役」と「監査役」それに「執行役」と定義した場合その比率は2022年で11.4%となっており、OECDの数値よりさらに低くなっています。
また、コンサルティング会社の調査では、2022年7月1日時点でプライム市場に上場している企業1829社のうち、女性取締役が1人もいない企業は383社と20.9%に上っています。
こうした現状を踏まえ、まずはプライム上場企業においてOECD基準に沿ったうえでの数値を実現しなければならないと言えるでしょう。