転職したから気づけた自分の傲慢さ
PROFILE
捧 将典さん
総務部
課長
捧将典さんが東横グループに転職したのは2011年8月。総務部課長として活躍している。前職は首都圏で多店舗展開する大手ホール法人で11年間勤務していた。その間に多くの異動と引越しを繰り返すが、独身時はステップアップに必要なことだと積極的に受け入れていた。しかし家庭ができると事情は変わり転職を考えるようになった。
「戸塚でパチンコと言えば東横フェスタ」。1958年の創業以来、ドミナント戦略に徹する東横グループは、横浜市戸塚区を中核に9店舗のパチンコホールを展開している。このうち4店舗がJR戸塚駅に近接した駅前店。地域住民や駅利用者の認知度は高い。企業理念は「全てはお客様のために」。ここで言う「お客様」とは、戸塚に生活基盤を置くすべての住民を指す。グループの成長は、常に地域社会に支えられ愛される先にあるものだと考えている。
人は家庭ができると環境は大きく変化するが、捧さんもそうだった。「私がやりがいに感じていた転勤は、家族に負担をかけるようになったんです。入園したばかりの娘を夏には別の幼稚園に移らせたこともありました。妻は何も言いませんでしたが、相当のストレスを感じていたはずです」地に足をつけた仕事がしたいという動機が強まったのだと当時を振り返る。そのような背景からドミナント展開の東横商事へ入社を決意。前職よりも収入も職位もダウンしたが、企業理念に感銘を受けたことと仕事のやりがいを重視した。
ところが入社直後の感想は「こんなはずではない」だった。積極的な店舗拡大を続ける法人と、地元密着で根を張ってきた法人との違いによるものだ。「転職直後は辞めようとも考えました。今までの常識やセオリーがまったく通じないんです。同業であっても、ビジネスモデルが違えばまるで他業種に転職したかのよう。自信を喪失しました」
今までと環境が違うのならば、自分が考え方を変えるしかない。前職で積み上げた実績やプライドは役に立たないものだと考えるようにした。するとこれまで常識と信じてきたことの方がおかしく思えてきた。「自分は単に傲慢だっただけなのかもしれない」。そう気づかされた。当時の東横グループは創業55年目を迎え、100年企業に向けて本腰を入れるタイミング。企業の成長を見据えたコア人材を育成するため、P能検やサービスマイスターなどの制度を導入していた。その人材育成の選任者に抜擢されたのが捧さんだ。前職で人材育成のノウハウやストアマネジメントの専門教育を受けたことや店舗責任者になった実績が評価された。捧さんは営業部から総務部に活躍のフィールドを移した。
現在の業務は人材開発を中心に新卒・中途の人事業務、WEツールを活用した採用活動や企業の啓蒙活動、広報関連と幅広い。自身が転職を決意した企業理念の実現のために、本社内部から帰属意識をもつ志の高い人材を育成する働きかけを行っている。モットーは、「自分の成長をとめない」こと。新入社員研修でも説いている言葉だ。
成長がとまるのは傲慢になった瞬間。自戒の念も込めながら、「決して驕るな」と諭している。いま置かれている環境は恵まれているからに過ぎないという教えだ。「現在、任されている領域は人の成長を支える重要な役職です。嬉しい瞬間は新入社員が『あの先輩のようになりたい』と、私の指導を受けた人材を目標に挙げてくれること。こうした感覚や働きがいは、東横グループに転職しなければきっと味わえなかった。戸塚の街とともに後世まで残る企業に進化させるため、新たな挑戦を続ける毎日はとても充実しています」