本部・本社での勤務を希望するなら知っておきたい「組織の機能」と「評価制度」
パチンコ店の仕事・スキル 2016/4/4
現在のパチンコ業界において、パチンコホールの全国展開を積極的に進めている企業はたくさんあり、50を超える店舗数の企業も珍しくないと言えます。
そんな多店舗展開をしている企業の特徴は、本部・本社とパチンコホールの業務分担を明確にしているということ。部署ごとに役割を決めている企業が多いのです。
では、本部・本社機能を設ける目的とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
本部・本社機能を設ける目的
・ 店舗単位ではなく、本部による台の一括購入でスケールメリットを出すこと
・ 店舗業務を簡素化して業務の効率化を図ること
・ 業務を細分化し、専門分野を設け、より高い成果に繋げること
パチンコホール単体ではなく、組織の力で営業していくことがポイントです。
パチンコ台を含む物品の購入を例に挙げるまでもなく、規模が大きくなるほど単価や固定費が小さくなって利益が出る、というのがスケールメリット。人材募集においても、パチンコホール単体ではなく一括でリクルートを行うことで一人当たりの採用単価を抑えることが可能になります。
また、業務を細分化するとスペシャリストが育つ土壌ができます。全員がすべての業務を完璧にこなせれば一番ですが、実際には難しいことが多いからです。
店長には店長の業務、主任には主任の業務があり、大企業・大型店舗になるほど役職や地位ごとの業務がしっかりと分担されています。ホールスタッフにおいても役割分担を明確にすることで、さらなる効率化が図れるでしょう。
ただし、間接部門を設けると人件費の増加、店舗スタッフとの給与格差の発生、店舗との評価項目の違いなど、色々な懸念事項が出てきます。
では次に、パチンコホールの全国展開をしている企業の標準的な本部・本社機能について見ていきましょう。
標準的な本部・本社組織について
標準的な本部・本社組織は営業部門と管理部門に分かれていて、その内部状況は企業によって多少の違いはあるものの、ここでは一般的な組織編成と業務内容について紹介します。
営業部門
① 遊技台を専門に扱う部門
② 設備や備品を専門に扱う部門
③ 販促物関係を扱う部門
④ 景品関係を扱う部門
⑤ 数値関係分析や調整を専門に行う部門
上記の部門それぞれに専任者が配置されています。①なら、新台・中古台の購入や売却。
②なら、シマ設備やドル箱、玉、メダルの他、おしぼりやトイレの備品など、③は新台の小冊子、のぼり、ポスター、店舗独自のデジタルサイネージなど、④は玉やメダルで交換する景品などを手配。
⑤はホールコンピューターのデータをもとに利益、スタート、稼働率などを分析し、シマの配置や台数の増減などを提案することもあるでしょう。
また、毎年新規出店を行う企業では物件の調査や地主との折衝、ホールコンセプトの考案など、パチンコホールができるまでのトータルプロデュースを行う店舗開発の部署を設けている企業もあります。
管理部門
① 経理・財務を担当する部門
② 採用や教育を担当する人事部門
③ 組織全般の業務を担当する総務部門
④ 企業のシステム関係を担当する部門
⑤ 企業の法律部門を担当する法務部門
管理部門は企業全体(全店舗)を見渡し、定められた企業理念や年間計画のもとで管理を行います。それによって各店舗の運営に一定の平準化が図られる他、ここでもスケールメリットがはたらくことになるのです。
本部・本社の評価制度
本部・本社組織の評価は、パチンコホールの利益目標達成といった業績評価とは大きく異なっています。本部・本社組織では、数字に表れない部分が評価項目になるのです。
・ 新しい制度や仕組みの構築
・ 業務の効率化
・ 専門資格の取得等
上記の他にも、新規業者を開拓し、全国で展開しているパチンコホールの経費削減を行うといったことも対象になるでしょう。
本部・本社組織の評価は、必ずしも目に見える数字が評価基準ではないので、どのようにモチベーションを高めて仕事に取り組むのかがとても重要です。
まとめ
パチンコ業界内での転職を考えている方の傾向を見ると、本部・本社よりもパチンコホールでの業務を希望するパターンが多いようです。
その理由は「お客様と接する業務や体を動かすことが好き」とか「本部・本社勤務とホール勤務の給与格差」など様々。
そんな中でもパチンコ業界で働く役職者の多くは幅広い業務を経験し、豊富な知識と技術を身に付け、自分の立ち位置を確立しています。
ですから、パチンコ業界でさらなるキャリアアップや本部・本社での勤務を目指している場合は、どのような評価基準があり、そのためにはどのような知識と技術が必要なのかを逆算して考え、日々の仕事に取り組むことが大切なのです。