細分化する本部組織、そのメリットとは?
パチンコ店の仕事・スキル 2016/8/2
ご存知の通り、パチンコ業界は様々な法律により規制がされている業界です。「許可営業」と言って、許可を得てからではないと、営業できないことになっています。
法律違反をすると何らかの処罰を受け、場合によっては営業停止や営業許可の取り消しということにもなりかねません。ですから、各企業は遵法営業を心掛けて運営に取り組んでいます。しかし、店舗数が増えると中々足並みが揃わず思わぬ綻びが生じることもあります。
そのため、パチンコホールを全国展開している企業のほとんどが、本部機能を細かく分け、各部署の役割と責任を明確にして遵法営業に励んでいます。 今回は全国的にパチンコホールを展開している企業がどのように本部・本社組織を分けているかをまとめていきます。
1.標準的な本部組織
本部・本社の営業部門は、様々な部門があります。会社により名称や部門数は異なりますが、パチンコホールを全国展開している企業で、多く見られる組織・部門についてご紹介いたします。
・ 「遊技台部門」 ⇒全店の遊技台を担当し、購入や売買までを行います。 遊技台や市場の情報は常にチェックし、効果的な新台入れ替えや売却を実施しなくてはいけません。冷静な市場分析のみならず、いち早く情報を掴む能力や決断力が必要とされます。
・ 「設備部門」 ⇒店舗の設備や備品の管理・購入を担当し、快適な遊技環境をお客様に提供します。 お客様の声を聞き、どのように改善していったら良いかということを考えて、より良い現場環境づくりに努めます。
・ 「販促部門」 ⇒折り込みチラシや店内POPなどの販促物を担当し、企業のブランディングを行います。また、効果対費用を考えて、販促関係の経費削減についても考えていくこともあります。
・ 「景品部門」 ⇒景品類を担当し、欠品無く商品を提供します。 お客様のニーズに合わせて新しい商品を選定・発注したり、ストックを管理したりし、お客様に満足いただけるホールづくりに努めます。
・ 「数値管理部門」 ⇒全店の数値管理を担当し、異常値の早期発見・問題解決を行います。 日々の分析に加え、少しの異常でも見逃さないような注意力が必要になります。
・ 「不正対策部門」 ⇒不正対策を担当し、未然にゴト行為を防ぎます。 常に最新のゴト情報を仕入れ、適切な対処方法について考えていきます。
・ 「支援部門」 ⇒パチンコ・スロットの調整業務を担当し、予算達成をサポートします。市場の動向をしっかりと分析をし、今後の見通しをはっきりとさせていき、現場の仕事が円滑に回るように支援します。
・ 「店舗開発部門」 ⇒新規出店を担当し、物件調査から土地を購入するための交渉までを行います。売り上げが見込める場所をいち早く確保し、新規店に向けたスケジュール管理、スタッフ集めに努めます。
上記でご紹介した営業部門以外にも管理部門があります。管理部門には総務部・人事部・経理部・財務部に分けて営業に取り組む企業が多く見られます。
2.細分化のメリット
大手チェーンが組織を細分化するメリットには、業務の効率化が挙げられます。企業として営業数値の管理をしながら店舗数を増やしていくには、店舗作業を極力減らし標準化することが必要となります。
細かい作業を本部が一括し、簡単な作業のみを店舗で行なうことでロスを減らしていくのです。 また、一括購入よるスケールメリットを出すことも忘れてはいけません。備品や設備の一括購入など、店舗単位で動くよりも本部で一括して行うことで、費用の削減に繋がります。一括購入よるスケールメリットは全店舗の行動を把握しているからこそできることと言えるでしょう。
3.スペシャリストの育成
本部・本社組織をわけ、業務を細分化することは、専門分野のスペシャリスト育成にも繋がります。スペシャリストが育成されることで経験や知識が深まり、リスク管理の向上にも繋がります。
パチンコが法を守る遵法営業である以上、パチンコホールの営業はホール任せにせず、企業として点検・確認する必要があります。各々のスペシャリストが常に目を光らせていれば、問題の早期発見が可能になり、円滑な店舗運営に繋がっていきます。
4.まとめ
パチンコ企業が本部機能を細分化するメリットとして、業務の効率化、一括購入などによるスケールメリット、スペシャリストの育成が挙げられます。
パチンコホールにすべて運営を任せているだけでは、売り上げを伸ばしていくことは難しい時代です。分野ごとに詳細な分析を行い、対策を練ったりプランを立てたりしながら、本部・店舗一体となって運営していく必要があるのです。