面接時の印象だけで転職先を決めるのは危険!?
転職雑記 2017/11/23
数店舗のパチンコホールを運営している企業で勤めているNさんが、当社のパチンコキャリアに登録されました。Nさんは28歳で主任をしています。話を聞いてみると、今のパチンコホール企業には3ヶ月前に入社したばかりということでした。
Nさんは、今のパチンコホール企業に入社する前、大手の企業で副店長として働いていました。しかし、店長から上の役職に空きがなく、今後のキャリアアップの道筋が見えないことから、現在のパチンコホール企業に転職したそうです。
入社してみると、入社前に聞いていた職位とは異なる、主任職からのスタートになりました。「3ヶ月は試用期間」と事前に聞いていたので、様子を見ていたそうですが、3ヶ月経っても状況は変わらず。前のパチンコホール企業よりも職位や待遇、給与など、すべてにおいて状況が悪くなり、不満が募っていったそうです。そして、転職したことをとても後悔し、再度転職活動をスタートしたとのことでした。
1.前回の転職活動
前回の転職活動でNさんは、パチンコホール企業で働きながら、求人企業の面接を3社受けたそうです。1社目は、実際に転職をした現職のパチンコホール企業、2社目、3社目は、大手のパチンコホール企業です。大手2社のうち、1社は不採用となりましたが、1社からは内定が出たそうです。しかし、「自分のことを一番求めてくれている」と感じられた今のパチンコホール企業への転職を決めたとのことでした。
私はその話を聞いて、「なぜ大手ではなく、現職のパチンコホール企業を選んだのか?」「“自分をより求めてくれている”と感じた点はなんだったのか?」と質問しました。
Nさんは、「今のパチンコホール企業は、面接のときに、今までやってきた業務内容や経験を興味深そうに聞いてくれた。“Nさんなら、今の私たちが求めている人物像にぴったりだ! きっと活躍してくれるだろう!”とかなり良い評価をしてくれた」と言いました。
一方、大手企業の方は、相当なダメ出しがあり、“うちの会社では、Nさんがやってきたようなことは誰でもできる。その程度でできる気持ちになっていたら困る”などと、厳しい話をされたそうです。Nさんは、「これが圧迫面接か」と思い、面接終了後は、「きっとダメだな」と感じたそうです。なので、内定が出たときにはとても驚き、喜びよりも「なぜ?」という気持ちの方が大きかったといいます。
2.前回の失敗を踏まえて
そこで、Nさんに対して、「前回の転職活動で失敗したと感じることはありますか?」と聞いてみたところ、2つの答えが返ってきました。それは、「転職後の明確な業務内容を聞かずに入社を決めてしまったこと」「褒められたことに浮かれて、入社を決めてしまったこと」の2点です。
Nさんも前回の転職活動について、いろいろと振り返っているようでした。早期転職を繰り返す人に共通することで最も多いのが、失敗の原因を解明できていない点にあります。その点からいえば、Nさんは、次回の転職で同じ失敗をする可能性は限りなく低いと思えました。
転職後、「入社前に聞いていた条件と違う」ということにならないために、面接時に入社後の詳細を聞いておくことはとても大切です。また、今回Nさんにとって大きなポイントとなるのが、入社の決定を、面接時の印象や気持ちで決めてしまわないということです。一度フィルターがかかってしまうと、雇用条件などに目を向けなくなってしまいます。良い評価をしてくれた求人企業に対してプラスの印象を持ち、気持ちが傾くのはよくわかりますが、面接の場で厳しい話をされたからといって、転職先として「ないな」と思ってしまうのはもったいないのです。
3.厳しい面接の意味
確かに、過去、私が同席した面接の中でも「これは少し圧迫面接ではないか」と感じた求人企業は、何社かありました。しかし、どの求人企業も面接が終了したときの第一声が、「辛い面接をしたが、あの転職希望者はガッツがある」「自分のダメな点をしっかりと理解できている」「育てがいがありそうだ」などという、基本的に面接希望者をしっかりと評価しているコメントであることが多いです。あえて厳しい面接を行うことで、転職希望者の本気度を見ているのです。
Nさんに厳しい面接をした大手企業も同様で、その面接の中でNさんをきちんと評価し、内定を出すことにしたのです。Nさんは前回、それに気付くことができませんでしたが、次の転職活動では同じ間違いはしないはずです。
4.まとめ
面接のスタイルは、求人企業によってさまざまです。良い雰囲気で終わるときもあれば、嫌な雰囲気で終わることもあるでしょう。しかし、内定を出す企業は、必ず「自社にとって、あなたの存在が必要だ」と感じたから内定を出しています。
そのため、内定が出たときは、面接の印象で決めるのではなく、一度冷静になって、求人企業の情報を改めて見直してほしいです。転職活動は、「何となくいいと思ったから(嫌だと思ったから)」「直感で」と行動すると失敗に繋がることもあるので、しっかり判断して行動してほしいと思います。