思っているよりも見られている転職希望者の行動
転職雑記 2018/5/8
先日、関東在住で31歳の女性・Eさんの転職活動のお手伝いをしました。
Eさんは、大手パチンコホール企業で主任として働いていました。パチンコ業界で、「女性の役職経験者」というと非常に人数が少なく、「ぜひ一度会って話を聞いてみたい」と考える求人企業は多くありました。
しかし、Eさんは持ち家に住んでおり、引っ越しは考えておらず、自宅から通える範囲を希望していました。なので、紹介できる求人企業が限られていました。
そんな中、Eさんが受けた求人企業で変わった選考方法を行うパチンコホール企業があったので、ご紹介したいと思います。
1.一風変わった面接
そのパチンコホール企業は、面接が始まるとすぐに、「手をあげて、回ってみてください」と言いました。
後から聞いた話ですが、この採用担当者は行動心理学に長けており、そのような指示で転職希望者が、「すぐに反応して行動が取れるか」「右手、左手、どちらの手をあげるか」「手のあげ方はどのようなものか」「回り方はどのようなものか」……などの観点から、今目の前にいる転職希望者はどのような人物なのかを見極めようとしていたのでした。
また、このような行動をうながすことで、転職希望者の緊張もほぐれやすくなります。これがきっかけとなって、自然体で受け答えができるようになることもあるそうです。Eさんも最初はやや動揺したそうですが、すぐに反応したとのこと。その後、履歴書や職務経歴書に沿った質問をしていくような面接らしい面接ではなく、オリジナリティのある質問や、会話などを交わしながら面接は終了したそうです。
Eさんは、面接終了後、「楽しい面接で、あっという間に終わってしまいました」と話していました。このような変わった面接をするパチンコホール企業は極めて少ないです。そのため、満足に準備ができないまま臨むことになる場合もあります。そんな時に重要となるのが、「臨機応変さ」です。仕事をしていても予期せぬ出来事はたくさん起こると思いますが、そのときの気持ちを少しでも思い出し、冷静になって、その場に合った対応をしてほしいと思います。
また、Eさんのように「予期せぬ出来事」を楽しむ心の余裕があるとなお良いです。「何か面白いことが起きそうだ」とワクワクした気持ちを忘れずにいると、うまくいく場合が多いのです。
2.会社説明会でも見られている
先ほどの例は面接中の出来事でしたが、会社説明会から選考が始まっていて、転職希望者の行動を見ている求人企業もあります。
そのような求人企業では、会社説明会のときに転職希望者の以下の行動を見ています。
・会場内での座る位置
・話を聞いているときの態度(きちんと話し手の目を見て、頷きながら聞いているか)
・メモを取っているか
など。これはほんの一部でしかありませんが、この他にも採用担当者が見ているポイントはたくさんあるのです。そのどれにも共通していえるのが、「転職希望者の無意識の行動を見ている」ということです。
面接以外の行動を採用担当者に見られていると考えている転職希望者はそれほど多くはありません。また、「もしかして見ているかもしれない」と頭の片隅で考えている人でも、だからといってその場で特別な行動をするかといったら別でしょう。
なので、面接以外の場は、飾らない転職希望者の姿を見られる重要な場でもあるのです。
3.まとめ
このように採用担当者は、転職希望者の発言や受け答えだけでなく、行動も見ています。特に「ふとした瞬間」や「予期せぬ出来事を前にした時」など、素が出やすいところを重視していることもあります。無意識の行動だからこそ、そこから、その人の取りつくろうことのない本質が見えてくるのです。
転職希望者からすると、「そんなところ見ないでほしい」と思うかもしれませんね。でも、事前に「ここは見られている」と把握しておけば、「見てほしい自分」をアピールすることができるはずです。それは、面接前に、質問事項に対して答えを用意しておくのと同じことです。
面接の場だけでなく、求人企業のテリトリーに入った瞬間から評価されていると意識すること、そして、不意な出来事でも冷静に対処することを忘れずに、選考を突破してほしいと思います。