パチンコの歴史は繰り返す!一発台という幻の復活
転職雑記 2019/2/19
既に知られている通り、ギャンブル依存症対策を推進する国の施策の影響から遊技機規則が見直され、昨年(2018年)2月以降のパチンコ新機種は、大当たりの出玉数が上限1500個となるなど、2400個時代より大幅に低射幸性にシフトした。
度重なる遊技機の規則改正により、プレイヤーが求める出玉性能はどんどん低下している。
ただでさえ冷え込んでいるプレイヤーのマインドに冷水を浴びせたこの見直しは、一気に客足をホールから遠ざけることになったのだが、パチンコ業界団体の動きも素早かった。
その2月を待たず陳情に動き、それが功を奏したのか、規則見直し後に最大65%だった確変継続率の上限が撤廃されたのである。一部では「規制緩和」などと歓迎されたが、実のところ出玉の総量規制は変わらないため、射幸性が上がったわけではなく、「ゲーム性の幅が広がる」という捉え方がしっくりくる。
そして、その新機種がこの2019年2月以降ホール登場する。
そんな中、一躍注目されている機種がある。「一発台(機)」だ。
確変継続率の上限が撤廃されたとは言え、出玉の総量に変更はないため、継続率は高くとも4時間最大5万発以下などの規約は変わらず、射幸性自体は低下したまま。それを補うために、短期大量出玉が魅力の一発台がにわかに注目されているというわけだ。
ちなみに、パチンコ業界の歴史上、「一発台(一発機)」なるものは法令上存在したことがないという事実がある。
1980~90年代に一世を風靡した一発台だが、どの機種も2004年に撤廃された機械種別のうち、「普通機」や「一般電役」あるいは「権利物」を“改造”した機種であり、未だかつて一発台が機械の法令や内規で定義されたことは一度もない。
当時、ほとんどの一般電役や普通機、権利物などは、大当たりとパンクを繰り返しながら、のんびりとプレイするゲーム性を持つ機種だったが、これらに極端な釘調整(釘曲げ)を施すことで大当たりが半永久的に継続するよう“無理やり”一発台に仕立てていたのである。
そして大当たりを獲得するためのプロセスが単純に「特定の入賞口に一発入賞させるだけ」の即決タイプが多かったため、「一発台」の名称が生まれ定着した経緯がある。
一発台が登場した当時の背景と、現在の状況が似ているのも興味深い。
当時はデジパチ(主にフィーバーなどのセブン機)の登場で一気に火が付いたパチンコ人気だったが、たちまち射幸性を制限され出玉も抑えられ客足が遠のいた。
今回の一発台の復活もまた、長時間プレイしなければ大量出玉の獲得が難しいスペックへの変更により、短時間のプレイヤーや会社帰りのサラリーマン層などがパチンコから遠ざかってしまった背景がある。
現在、一撃「7000発」をも可能にしたマルホン工業の「CR天龍∞」や、手打ち式パチンコを復活させたA-gonの「CR RAIZINMAN」などが人気だ。
大一の「CR天下一閃」辺りからじわじわ人気が上がってきたが、天龍もRAIZINMANも三段クルーンを搭載しており、かつての一発台の伝説的名機「スーパーコンビ」(SANKYO)の三つ穴クルーンとシンクロしているのも何やら意味深だ。
注目を集める新しい一発台(と呼ばれる機種)だが、スペックを見ると「一種二種混合タイプ」となっている。一発台はやはり“幻”の存在のままだが、多くのパチンコファンを楽しませてくれたそのゲーム性に大いに期待したい。