使い方に注意!「お疲れ様」と「ご苦労様」 ~知ってるつもりのビジネスマナー
転職雑記 2020/1/21
●使い方に注意!「お疲れ様」と「ご苦労様」
仕事中に交わす挨拶、「お疲れ様」と「ご苦労様」の違いを知っていますか?意味的には「お疲れ様」「ご苦労様」どちらも相手をねぎらう言葉ですが、【使い方】を間違えると相手の気分を害してしまう場合があるので注意が必要です。
本来「お疲れ様」「ご苦労様」は両方とも目上の人(上司)が目下の人(部下)に使う言葉で、大昔は「大儀であった」という言い方もありました(花の慶次ファンなら知っている!? )。
いずれにせよ人を【労う(ねぎらう)】のは目上の人であり、「お疲れ様」と「ご苦労様」は両方とも、本来は目下の人が使う言葉では無いのです。
しかし、この「お疲れ様」と「ご苦労様」の使われ方にについて調べてみると、時代の変遷ともに変化していて、いわゆる「諸説あり」の状況になっています。
時とともにその微妙なニュアンスを変えてきた「ご苦労様」と「お疲れ様」。2020年現在ではどのように使えば良いのでしょうか。
●まず「ご苦労様」から。
この言葉は現代では【目上の人が目下の人に対して使う労いの言葉】として定着しています。
なので、間違って目下の人が目上の人に使うと・・・「なんて無礼なやつなんだ」とか「礼儀も知らないのか」など印象が悪くなるかも。
例えば、新人社員が仕事途中や仕事終わりに、先輩や上司へ「ご苦労様です」というのは「よくやったな」とか「よく頑張ったな」といっているのと同義で、自分では謙虚に振舞ったつもりがむしろ横柄な態度、失礼な態度に映ってしまい、うまくコミュニケーションが取れなくなったり、気が付かずに使い続けた場合、人間関係が悪化する恐れもあります。
また、これは業者折衝や接客対応でも同様で、初対面であろうがそうでなかろうが気を付けなければなりません。
社内では目上の立場の人でもコミュニケーションの対象が社外(顧客や来賓など)の場合は基本として目下の者になるわけですから、例えば、来店されたお客様とコミュニケーションを取る際は「ご苦労様です」とならないように、日頃から意識することが大切です。
一方、「お疲れ様」は、現代では上下関係が無いと理解されています。ですので、目上の人(上司)、目下の人(部下)、あるいは同僚同士、性別に関わりなく気軽に使用できる言葉となっています。ただし、コミュニケーションの対象が社外(顧客や来賓など)の場合は「時と場」を考慮する必要があります。
例えば、初対面で関係性がまだ成り立っていないのに「お疲れ様」といわれても違和感でしかありません。このような場合は、万能な労いの言葉「ありがとうございました」を使うことをオススメします。
ちなみに私は、学校の授業で教わったこともなく、社会に出てからも特に教わる機会もなく、なんとなくの感覚で自分的には謙虚な気持ちで「ご苦労様でした」とバイト先で使ったことがあります。
その時、社員の先輩から「それは目上の人に使う言葉じゃないんだよ」と指摘され、はじめて気が付かされました。「そうだったんだ」という率直な感想と日本語の難しさを改めて実感した懐かしい記憶です・・・
自分で気が付くことって本当に難しいですよね。
この記事をきっかけに「ご苦労様」と「お疲れ様」の使い方を意識して、円滑なコミュニケーション、良好な関係性に繋げてもらえればうれしいです。