2020年のパチンコ人口 最盛期の4分の1
パチンコ市場規模・動向 2021/10/28
「公益財団法人日本生産性本部」の「余暇創研」はこのほど、2020年中の余暇活動をまとめた『レジャー白書2021』の概要を公表しました。発刊は10月4日。
同書は1977年創刊。わが国における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的に分析・記録している唯一のもので、パチンコ業界の数値統計も詳細が掲載されています。
2020年は「すごもり」需要の増大
概要では、コロナ禍が続いた2020年は「すごもり」需要の増大から「動画鑑賞」が余暇の参加人口で初の首位になったほか、「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」など在宅レジャーが上位となりました。
その一方、前年首位の「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は4位、2位だった「外食(日常的なものは除く)」は6位になるなど、これまで余暇活動の中心となっていた観光や外食などが大きく順位を下げました。
この他、「ウオーキング」が7位、「SNS」が9位、「園芸」が11位など、在宅や近所でできる活動の順位が上昇しており、場所を問わない、あるいは近場で行えるレジャーについては増加しています。
また、一人当たりの平均参加種目数は、前年比2.4種目減の9.9種目で、観光・行楽をはじめ全部門で減少しました。年代別にみても全年代で減少しており、特に70代は男女ともに大きく減少しています。
全体的には余暇関連市場も低迷し、前年比23.7%減の55兆2,040億円と大幅に下落しました。
経済状況の悪化とともに、緊急事態宣言よる移動規制やコロナウィルス蔓延などによるマインドの低下が、余暇市場に強烈なマイナス要因をもたらしています。
2020年の余暇活動トピックス
【スポーツ部門】(前年比15.9%減)
用品、施設、スポーツ観戦がマイナス、自転車とゴルフ練習場はプラス。
【趣味・創作部門】(前年比9.5%減)
動画配信、音楽配信、電子出版は大幅な伸び、外出を伴う鑑賞レジャーは激減。
【娯楽部門】(前年比21.8%減)
公営競技、ゲームは好調。カラオケ、飲食、ゲームセンター、パチンコは不調。
【観光・行楽部門】(前年比43.7%減)
海外旅行9割減。旅行業、航空、バス、遊園地・レジャーランドも打撃が大きい。
(数値は日本生産性本部より参照)
パチンコ人口は180万人減
パチンコ業界の数値では、参加人口は前年より180万人と大幅に減少し、710万人と推計されました。
これは2019年に過去最低の890万人と推計されましたが、さらに2年連続で過去最低を更新する結果となりました。
やはり新型コロナウィルス感染症の拡大と緊急事態宣言などによる経済の衰退が最大要因ですが、業界では人気遊技機の撤去問題や改正健増法によるタバコ規制なども影響していると言って良いでしょう。
そして市場規模(貸玉料金)についても、14.6兆円(前年比5.4兆円減)と大きな下落となっています。
【パチンコ参加人口と売上推移 抜粋】
1995年 | 2900万 | 30兆9050億 |
2000年 | 2020万 | 28兆8680億 |
2005年 | 1710万 | 34兆8620億 |
2010年 | 1670万 | 25兆9830億 |
2011年 | 1260万 | 25兆4890億 |
2012年 | 1110万 | 25兆6720億 |
2013年 | 970万 | 25兆0050億 |
2014年 | 1150万 | 24兆5040億 |
2015年 | 1070万 | 23兆2920億 |
2016年 | 940万 | 22兆7000億 |
2017年 | 900万 | 21兆4000億 |
2018年 | 950万 | 20兆7000億 |
2019年 | 890万 | 20兆0000億 |
2020年 | 710万 | 14兆6000億 |
2020年の数値は、最盛期となった1995年の参加人口2900万人、売上高約30兆円から、売上で約半分、参加人口でも約4分の1に縮小しているという、過去最悪の未曾有の状況であることが示されました。
パチンコホール数も2021年6月末日で7,876店舗(全日遊連加盟店)とついに8000軒を下回り、市場の縮小はさらに加速していることが伺えます。