パチンコ店と「パーラー」
パチンコのユルイ雑学 2021/11/9
パチンコ店の名称は様々ありますが、個性的な名称や屋号を除くと、基本的なところでは「パチンコ〇〇」や「〇〇パチンコ」、「〇〇ホール」「〇〇センター」などが知られています。
この他に「パーラー」という名称も使用されていますが、まるで関係性の無さそうなこのパーラーの名称がどこから来ているか知っていますか?
1.本来の意味は「談話室」
「パーラー」の元の意味は英語で「談話室」と言い、「憩いの場」を表します。基本的には「お客様をもてなすことを目的とした施設」を意味し、豪邸などに設けられている応接間なども含みます。
「サロン」や「ラウンジ」などと同様の扱いです。
憩いの場という意味では、パチンコ店の店名にはうってつけの言葉と言えますね。
英語の綴りでは「Parlour」、アメリカ英語でも「parlor」です。
昔のパチンコ店のネオン看板では、遠くから見ると「Pachinko?」かと思ったら「Parlor」だったなんてこともありました。
2.現在のパーラーは多義語
本来はお客様をもてなす応接室、娯楽室やギャンブルをしたりするレジャールームが元でしたが、現在ではそうした意味合いは廃れており、日本では果物をメインにしたスイーツやケーキ、飲み物を提供する喫茶店の「フルーツパーラー」などが知られていますね。
ちなみに日本におけるフルーツパーラーの発祥地は、あの有名店「銀座千疋屋」です。
また、沖縄では常設の露店を指す言葉となっていて、天ぷらやハンバーガー、タコス、沖縄そばなどの軽食を販売している店のことを言います。
さらにパーラーの名称は他でも様々に広がっています。
特に最近話題になったのが、アメリカの新興SNS「パーラー」(Parler)でしょう。
アメリカなどではフェイスブックやツイッター、アマゾン・コムなど旧来からあるSNSでは過激な言論を規制する動きが広まり、プラットフォーム上のコンテンツ取り締まりを強化しています。
そんな動きに対し言論保守派(自由至上主義者)や著名人がこのパーラーを使って反撃。
さらにアメリカ大統領選ではトランプ支持派が利用して一気に知名度を上げました。
「パーラー」は様々な分野で広がっていて、多義的な言葉になっているのです。
3.パチンコ業界ではイメージアップのために利用
ではパチンコ業界における「パーラー」はどこから来ているのでしょうか。
実は一部の業界誌がパチンコ店のイメージ向上を目的としてパチンコ店を「パチンコパーラー」と呼称するようキャンペーンを展開していた時期があり、そのため「パーラー」と付く店舗名が広まった事実があります。
特に昭和時代の業界は社会的地位が低いという認識が強く、「パチンコ店」のイメージアップに苦労してきました。
「お客様をお迎えする」という意味をもつ「パーラー」本来の意味を利用するため、パチンコ店を「パーラー」と呼ぶ動きが生まれたのです。
その努力もあって「パーラー」という名称は増えました。
しかし、現在ではパチンコ店の大幅減少もあり、パーラーと名乗る店舗は日本全国に500店舗弱しかありません。
パチンコ店全体の数%を占めているので、それなりに広がっていたのは間違いないのですが、パーラーの代わりに「アミューズメント」という表現を使うお店が多くなっています。