転職活動時に確認したい企業のこと
転職雑記 2022/10/20
転職活動をしている人は、気になる企業がどのような会社なのか知りたいと思うでしょう。
特にその会社が「ブラック企業」なのかどうかについては、その評判や情報を知りたいと思うのではないでしょうか。
ブラック企業については、厚生労働省で「ブラック企業」を公表しています。
このリストでは労働基準関係法令違反をした企業の名称や違反の内容を知ることができます。
また、民間の委員会が選出している「ブラック企業大賞」は有名企業の名が挙がり毎年話題になっています。
1.ブラック企業リストとは
「ブラック企業リスト」とは、正式名称を「労働基準関係法令違反に係る公表事案」言い、厚生労働省が公表している資料のことです。
平成28年末、厚生労働省により「過労死等ゼロ」緊急対策の取りまとめが行われました。
その中で、社会全体で過労死等ゼロを目指す取り組みの一つとして企業名公表制度が強化され、翌年には労働関係法令に違反した疑いで書類送検した334社について厚生労働省のホームページで公表されました。これがブラック企業の最初のリストです。
以降、随時リストは更新されています。リストを見れば労働基準関係法令違反をした企業の名称や違反の内容が一目瞭然です。
しかし、全てのブラック企業が載っているわけではありません。
【厚生労働省HP 最新版】(令和3年8月1日~令和4年7月29日公表分)
https://www.mhlw.go.jp/content/000958620.pdf
2.公開の基準
厚生労働省や労働局のHPに掲載されるブラック企業の基準は、以下のとおりとされています。
①送検事案
労働基準関係法令違反の疑いで送検、公表された事案。
②局長指導事案
「違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名の公表について」に基づき、局長が企業の経営トップに対し指導、公表した事案。
③公開期間
掲載期間は、公表日から概ね1年間。1年経過後、最初の月末にHPから削除される。
ただし、公表日から概ね1年以内であっても、「送検事案」はHPに掲載を続ける必要性がなくなったと認められる場合、「局長指導事案」は是正及び改善が確認された場合については、速やかにHPから削除される。
≪労災に関する事案が中心≫
なお、ブラック企業リストを見る時に留意しなければならないのは、リストで公開されている事案の多くが「労災関連」とう点です。
これは、一般的なブラック企業のイメージである「長時間労働」や「サービス残業」「ハラスメント」などと違い、事案の大半を占めているのは「労働安全衛生法違反」などの企業です。
具体的には「労災事故関係」「最低賃金法違反関係」「労働基準法第32条違反」など。
世間から求められている「労働環境が劣悪で、パワハラ等が横行している」ようなブラック企業名公開とは趣が違っていることに注意が必要です。
確かに「労災事故」事案もいわゆる「労災隠し」につながり、リスト公開が建築・土木業界の労働環境が改善される可能性はありますが、一般的なブラック企業の認識とは乖離している可能性があります。
むしろ「ブラック企業大賞」(ブラック企業大賞企画委員会)の内容の方が、一般的なブラック企業のイメージに合致するとも言えます。
3.ブラック企業大賞
ブラック企業大賞は、「ブラック企業大賞企画委員会」によって決められます。
この委員会は、NPO法人関係者や労働運動活動家、弁護士、ルポライター、ジャーナリスト、大学教授などによって構成されています。
大賞ノミネート基準は以下の通りです。
【ブラック企業を見極める指標】
①長時間労働
②セクハラ・パワハラ
③いじめ
④長時間過密労働
⑤低賃金
⑥コンプライアンス違反
⑦育休・産休などの制度の不備
⑧労組への敵対度
⑨派遣差別
⑩派遣依存度
⑪残業代未払い(求人票でウソ)
※ただし多くのブラック企業が上記の問題を複合的に持っているので、判断する際も総合的に判断する。
大賞受賞やノミネート企業には有名企業などが名を連ねており、ニュースなどメディアを賑わせた事案も多数登場します。
企業全体の傾向なのか部分的なものだったのかなど判断は分かれるかもしれませんが、参考になる内容も多いので「ブラック企業リスト」と併せて内容を確認すると良いでしょう。
*ブラック企業大賞HP
http://blackcorpaward.blogspot.com/
いずれにせよ、入社を考えている会社がブラック企業かどうかについては、やはり自身で見極める必要があります。