離職票と離職証明書の違い
転職雑記 2022/11/29
転職活動で現職の退職手続きをする時、間違えやすいのが「離職票」と「離職証明書」の扱いです。
離職票と離職証明書は名称が似ていますが、それぞれ異なる書類です。
スムーズな退職手続きが行えるよう、離職票と離職証明書の違いを知っておきたいところです。
1.離職票の離職証明書の用途
離職票も離職証明書も雇用保険に関する書類ですが、それぞれ用途が異なります。
【離職票】
「離職票」は正式名称を「雇用保険被保険者離職票」と言い、会社を退職した従業員がハローワークで失業保険の給付を受けるための書類です。
退職者は離職票がないと失業保険の手続きができないため、会社は速やかに手続きをして退職者に渡す必要があります。
【離職証明書】
「離職証明書」は正式名称を「雇用保険被保険者離職証明書」と言い、離職票の交付を受けるために、企業がハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類を指します。
会社は従業員の退職後すみやかに離職証明書を作成し、ハローワークに提出しなければなりません。
また、本人の希望の有無にかかわらず、従業員が退職した時点で59歳以上の場合も会社はハローワークに離職証明書を提出し、離職票の交付を受ける必要があります。
離職票と離職証明書はどちらも「離職を証明するための書類」という点は同じですが、離職票は退職者が失業保険の手続きの際に必要な書類であり、離職証明書は離職票を発行するために会社が準備する書類という違いがあります。
2.離職票の交付
離職票の交付を受けるのは会社です。会社は手続きを行い退職者に送付する必要があります。
その手続きは以下の通りです。
①退職する従業員に離職票の交付が必要か確認する(※59歳以上の場合は本人が希望しなくても交付が必要)
②離職票の交付が必要な場合は離職証明書を作成し、所轄のハローワークに提出する
③ハローワークから離職票の交付を受ける
④退職する従業員に離職票を送付する
雇用保険法施行規則7条では、会社は「退職日の翌々日から10日以内」に離職証明書を作成し、所轄のハローワークに提出する必要があります。
3.離職票交付の注意点
離職票は退職者がハローワークで失業保険の給付を受けるための大切な書類です。
離職票の交付手続きのポイントをチェックされることをオススメします。
・離職票の交付が遅い
離職票がなかなか交付されない時は、会社に問い合わせしてハローワークに催促してもらいましょう。
・会社と離職理由の相違がある
退職者と会社でトラブルが起きやすいのが、離職理由が「自己都合」か「会社都合」かという問題です。
会社と協議を行い自己都合退職か会社都合退職かを確認しましょう。
・退職者が離職票を紛失したら
退職者が離職票を紛失した場合は、離職票の再発行手続きが必要です。
離職票の再発行には、ハローワークに「雇用保険各種届に係る再交付申請書」を提出します。
なお、退職日から4年以上経過すると離職証明書の保管期間が終了するので注意が必要です。
離職票と離職証明書はよく似ていますが、用途は全く異なる書類です。
離職票は退職者がハローワークで失業給付を受けるための書類であり、離職証明書は離職票の交付のために会社がハローワークに提出する書類となります。
離職票の交付をめぐって、企業と退職者の間でトラブルが起きるケースも少なくありません。
そのため離職票が交付されるまでの流れや、離職票の交付で陥りやすいトラブルを事前に把握し、確実に離職票が交付されるよう手続きを進めましょう。