試用期間中の転職はあり?
転職雑記 2024/8/27
転職後、企業によっては試用期間を設けているケースがあります。
その間の給料社会保険、有給などの扱いについて気にする人も結構いらっしゃいます。
また、試用期間は解雇になりやすいのか、退職・転職ができるのかも気になるところです。
今回は試用期間について確認したいと思います。
1.試用期間とは?
試用期間とは、入社した社員が「社員としての適性があるか」「実際の業務を遂行可能かどうか」などについて企業が判断する期間です。
選考だけでは正確に見極められなかった点をチェックしていきます。
採用された側にとっても「業務内容や社風が自身とマッチしているか」などを判断する期間と言えるでしょう。
試用期間が終了し、双方が問題ないとすれば本採用となります。
2.試用期間の長さはどれくらい?
試用期間の長さについて法律上制限はありませんので企業が独自に設定します。
一般的に試用期間は1~3ヶ月が多いですが、業務特性などによっては1年の長期ケースも。
なお、試用期間は採用時に知らされますが、就業規則や労働契約書にも明記されます。
また、延長されるケースもありますが、会社都合による一方的な試用期間の延長は原則認められておらず、双方合意の元で延長可能となっています。
3.試用期間中の労働契約は?
基本的には、試用期間中と本採用の待遇は同じです。
仮に試用期間中の労働条件が本採用後の労働条件と異なる場合は、企業は試用期間中と本採用後それぞれの労働条件を明示することと定められています。
また、試用期間中の労働契約について、一般的な労働契約とは異なる「解約権留保付労働契約」に該当する場合も。
これは企業側が労働契約解除権を留保している状態であり、かつ労働契約締結と同時に雇用効力が確定している契約となります。
4.研修期間との違いは?
研修期間は「知識やスキルを習得する期間」で使用期間は「職場や業務に対する適性や人物性などを判断する期間」といえるでしょう。
研修は業務を遂行するために必要な知識・技術を習得するためのものですが、試用期間中の研修は職場や仕事に早く馴染んでもらうための社内研修が一般的です。
5.試用期間中に気になること
試用期間中の待遇や扱いについて、本採用と同等であるとは言っても「解約権留保付労働契約」の場合もあり、給与や有給など気になる点がいくつかあります。
そうした点について確認していきましょう。
【試用期間中の給与】
基本的には企業の就業規則・給与規定に則って給与を定める必要があるため、試用期間だからといって大幅に違いがあることはありません。
ただ、企業が採用者の経験や能力に応じて本採用時に職位(ポスト)や給与がアップするケースがあります。
例えば、採用ポストは店長だが試用期間中は一般スタッフとしての受け入れ(一般スタッフの給与)など。
このような場合、雇用契約書に記載されているのが一般的です。
いずれにしても後のトラブルが無いように書面でもらうことをオススメ致します。
また、企業によって試用期間中は残業させずに帰宅させる場合もありますが、残業が発生しても残業代はきちんと支払われなければなりません。
【試用期間中の社会保険加入について】
試用期間中でも社会保険の加入対象です。社会保険は雇用形態に関係なく、下記条件を満たす場合に加入が必須となります。
・週の所定労働時間が正社員の4分の3以上
・週の所定労働時間が20時間以上、かつ下記条件を満たしている
・1年以上の雇用が見込まれる
・月の賃金が8.8万円以上
・雇用元企業の従業員が501人以上
【試用期間中に有給について】
有給は雇入日から6ヶ月以上勤務し、かつ8割以上出勤している場合に付与されるものです。
雇入日は試用期間開始日を指すため、試用期間中であっても6ヶ月以上かつ8割以上勤務していれば取得できます。
【試用期間中の解雇について】
労働基準法では、試用期間中の解雇に厳しい制限を設けているため、簡単に解雇は認められません。
なお「解約権留保付労働契約」の場合、企業は労働者の適性に応じて本採用の可否を決めることができ、解約権を留保していることから通常の解雇よりも広範囲での解雇が認められています。
簡単に解雇とはなりませんが、通常の労働契約に比べると不安定な雇用状態といえるでしょう。
6.試用期間中の転職はあり?
試用期間中であっても退職は可能です。法律上は2週間前とされていますが、まずは就業規則を確認しましょう。
退職の申し出は直属の上司に伝えるのがベターです。
なお、試用期間という短い期間であっても雇用契約が結ばれたわけですから基本的には「職務経歴」に含まれてきます。
なので、次の職場へ転職活動する際に、その経歴を記さず発覚した場合は【経歴詐称】に該当してしまうので履歴書や職務経歴書を作る際は記載するのが一般的です。
試用期間中の転職はありなのか?という点について、回答すると「あり」となります。
しかし、早期で退職・転職しようと思った背景、自身の年齢、経験スキル、状況や環境、求める条件や求人市場感などによっては「おススメ出来ない」ケースも。
瞬間的な感情で判断せず、冷静な状態の時に客観的に考えられることをオススメ致します。