OJTの目的とは
転職雑記 2024/11/19
転職後、新しい会社で『OJT』を受けることがあります。
社員教育の一つであるOJTは多くの企業で採用されており、求人情報でも目にすることがある言葉ですが、OJT制度についてよく知らないという人は少なくないようです。
今回は「OJT」について、その意味や目的、メリット、デメリットなどをお伝えします。
内容をしっかり把握して、新しい職場で早く活躍できるよう役立てていただければと思います。
1.OJTの概要
OJTは『On The Job Training』の略称で、日本語では「職場内訓練」「実地研修」などと訳されますが、単に「OJT研修」と呼ばれる場合もあります。
OJTは新入社員や新しく配属されたスタッフに対し、上司や先輩が指導役になり、実務を通して知識やスキルを身に付けてもらう人材育成の手法です。
業務に必要な知識やスキルを身に付けてもらい、すぐに現場で力を発揮できる状態を目指します。
また、OJTは仕事内容だけではなく、人間関係や会社の風土などに不安を感じている新入社員の不安解消にも役立ち、会社に定着させる効果が期待されます。
なお、OJTは適切に実施されないと効果が低くなり、育成の成果は十分に得られないというマイナス面もあるので、その運用には十分な準備と配慮が必要です。
2.4段階職業指導法
OJTの起源は第一次世界大戦時のアメリカで開発された、膨大な人員を育成するために生まれた「4段階職業指導法」が基本な手順とされています。
「4段階職業指導法」とは下記の通りです。
①やって見せる(show)
②説明する(Tell)
③やらせてみる(Do)
④確認、追加指導(Check)
主に教育担当の先輩社員が、日常業務のなかでマンツーマン指導するのが一般的です。
日本では高度経済成長期に採用されたと言われています。
現在でも多くの企業において、実践的かつ効果的な研修手法として採用されています。
3.OJTのメリット
OJTには様々な効果やメリットがあるといわれています。OJTを受ける側から見た代表的なメリットを紹介します。
・新人に合わせた研修内容を組める
OJTは、新入社員や新しく配属されたスタッフの成長速度や個性に合わせた研修内容を組むことができます。
一人ひとりに合わせて指導をするため、効率的に教えることができます。
・すぐにフィードバックがある
OJTはその場ですぐにフィードバックできるため、成長度合いをリアルタイムで確認することができます。
・OJT終了後は即戦力に
OJTは、実務をしながら仕事を身に付けていくスタイルの人材育成方法です。
そのため実践的な知識やスキルを早期に習得し、即戦力として活躍することが期待されます。
・コミュニケーションの向上
OJTを通じて上司や先輩社員と新入スタッフのコミュニケーションが多く生まれるため、良好な人間関係を築く効果があるといわれています。
4.OJTの注意点
OJTには多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点も指摘されています。
・指導する側の負担が大きい
教育担当者は、OJTだけでなく日々の通常業務もあります。
そのため指導する側の負担が大きくなると言えます。会社全体で教育担当者をフォローする体制を整えることが必要です。
・効果にばらつきが出る
OJTは教育を現場に一任する人材育成方法です。
そのため教育担当者の知識や能力によって、育成効果にばらつきが出やすい傾向があります。
・全体研修には向いていない
OJTは現場の実務を中心に指導をおこなうため、企業全体の理解を深める研修には不向きとされています。
5.転職でOJT制度は確認すべきか?
OJTについては、求人情報にに「OJT制度あり」や「OJTで丁寧にお教えします」などと書かれている事が少なくありません。
しかし、OJT制度はあくまで社内制度であり、全ての企業で統一された教育プログラムではありません。
つまり、OJTは企業ごとに内容が違うということです。
そのため、未経験な職種の場合は、OJT制度の有無を確認することをオススメします。
教育制度の有無や内容について、面接等で確認しておくとよいでしょう。