経験者採用という表記について
パチンコ転職ポイント 2024/12/17
最近、求人情報などで「経験者採用」という表記が増えつつあります。
これまで多く目にしてきた「中途採用」などに替わる言葉のようですが、今まで使用されてきた中途採用と何が違うのか。
確認したいと思います。
1.経験者採用の登場
「経験者採用」とは、これまでの「中途採用」に替わる言葉であり、「既に社会人経験のある人材」のことです。
実は、経験者採用という言葉が認識され始めたのは、2022年11月に日本経済団体連合会(経団連)の会長による記者会見がきっかけ、ともいわれています。
新卒以外の採用活動では、これまで中途採用という言葉が広く用いられてきました。
しかし、『中途』という言葉に、ネガティブなイメージを持つこともあって、経験者採用という言葉を用いることになったと説明されています。
また、これまで日本社会で続いてきた新卒採用、終身雇用といった流れが変化し、労働者がより自分に適した働き方や職場を求めて転職をすることが増える中、通年採用を実施する企業が多くなっているため、中途採用という言葉が使いづらくなったという側面もあります。
2.経験者採用と中途採用の違い
経団連の方針として発表された経験者採用ですが、経団連の発表からあまり時間が経っていないこともあり、採用側の企業や転職希望者にはやや混乱が見られます。
例えば、「経験者」というワードが含まれているため、「未経験者可の求人」に対して経験者採用と表記するのはそぐわないと判断する企業があるようです。
また、転職者からすると「業務未経験だと応募できない」と勘違いしてしまったり、募集業務の経験・知識のある人材を採用するときに限り経験者採用と表記したりするケースが見受けられます。
これまで使用されてきた中途採用は汎用性が高い言葉といえ、そのために、以下のような採用シーンでは「中途採用」の表記が分かりやすそうです。
・第二新卒の採用
・未経験者可の採用
・他業界からの採用
求職者が誤解するのを防ぐため、「新卒採用以外の未経験者可の採用」を行なうときには「経験者採用」という表記を使用しないようにしている企業もあります。
3.『キャリア採用』との違い
似た言葉に、『キャリア採用』があります。
キャリアという言葉は経験や職歴などを指すため、キャリア採用も経験者採用と同じともいえますが、この場合には経験者よりさらに“即戦力”の意味合いが強くなります。
キャリア採用の人材は、入社後すぐに行動や結果が求められるより実戦的な人ですので、求人情報にあたっては注意が必要といえるでしょう。
4.経験者採用の使用は限定的!?
中途採用という言葉は、新卒採用以外のすべての部分をカバーすることができるため一般化してきました。
しかし、経験者採用という表記にした場合、「未経験者は応募できない」「経験が少ないと厳しい」など、転職希望者が応募を諦めてしまう可能性がありそうです。
そのため求人情報などでは経験者採用の言葉が増えつつあるものの、まだまだ少ない状況のようです。
『経験者採用』という言葉は、これまで主流となってきた『中途採用』と同義なのですが、まだ、定着しているとはいえないでしょう。