フリーランスと個人事業主の違い
転職雑記 2024/12/24
個人が独立して働く場合、「フリーランス」や「個人事業主」などと言われます。
この二つは同じように思えますが、いくつかの違いがあります。
こうした人達と仕事をする機会は意外に多いですから、その違いを理解しながら協力していきたいものです。
今回は、フリーランスと個人事業主との違いやそれぞれのメリット、デメリットなどについて確認したいと思います。
1.フリーランスと個人事業主の違い
フリーランスと個人事業主はどちらも企業や団体などと雇用関係がなく、独立して仕事をしている人を言います。
・フリーランス
フリーランスとは、特定の会社や団体に属さずに業務を行う「働き方」を意味する言葉です。
一般的なサラリーマンは会社と雇用契約を結んで働きますが、フリーランスは組織や団体に属さず仕事を請け負います。
個人事業主と違い、フリーランスはあくまで働き方を表す呼称で、法律(税法)による区分ではありません。
・個人事業主
個人事業主はフリーランスに含まれますが、税法上の区分を意味しています。
つまり、フリーランスではあるものの、管轄の税務署に『開業届』を提出している人を税法上「個人事業主」と言うのです。
ちなみに、開業届をしている事業主が一人ではなく、家族や従業員などと複数で事業を行っていても、それが『法人』(法律上の人格を認められた組織のこと。
一般的には株式会社や合同会社など法人登記されている組織・団体)でなければ個人事業主となります。
・自営業
自営業者とは、広義では「自ら事業を営む人」を指す言葉です。
イメージでは店舗を持って営業している人が浮かびますが、業種や形態を問わず、自身で事業を営んでいる人はすべて自営業者に該当します。
つまり、フリーランスと個人事業主も自営業という大きなくくりに含まれるのです。
2.メリットとデメリット
自由な働き方である個人事業主やフリーランスですが、しっかりとした計画性をもたないと事業の継続が難しくなるリスクがあるなど、自由な分のメリット、デメリットが存在します。
【フリーランス】
フリーランスは、その言葉の通り納期までに作業を終えることができれば、仕事の時間や場所が選べる点が大きなメリットと言えるでしょうか。
メリット
・仕事の時間や場所が自由
・人脈が広がる
・作業単価が高い
フリーランスは基本的に勤務時間が自由です。
また作業に必要な環境があれば、自宅やカフェ、車中など場所にも制限が無いと言えます。
また、専門職でなければ業界や会社などの制約も無いため、多くの会社とつながることで広い人脈を形成することが出来ます。
さらに営業にかかる経費なども少ないことから、作業単価が高くなるメリットが生まれます。
デメリット
・信用力が低い
・自己管理が必要
・事業規模が小さい
・収入が安定しない場合も
デメリットは、組織に属さないことによる信用力の低下が特に挙げられます。
フリーランスは個人名で仕事をする場合が多く、大きな会社との取引では信用力が低く見られがちです。
また、働き方が自由であるため「自己管理」が甘くなってしまう場合があります。
そして事業規模も小さく、単発な仕事が多い場合は収入が安定しないことがあるでしょう。
【個人事業主】
個人事業主の場合もフリーランスと同様、仕事の時間は自由に決めることができますが、大きな違いは青色申告により節税効果のメリットがあります。
個人事業主のメリット、デメリットを見ていきましょう。
メリット
・青色申告特別控除が利用できる
・赤字を最大3年間繰り越しできる
・仕事の時間や場所が自由
個人事業主は税務署に開業届を提出しているので、青色申告承認申請書を提出すると確定申告において青色申告が利用できます。
青色申告が適用になると「青色申告特別控除」と「青色事業専従者給与控除」が利用でき、大きな節税効果が期待できます。
また赤字の繰り越しが最大3年間できるので、売上が安定しない開業後数年は大きなメリットになります。
デメリット
・会計業務などが増える
・労働法が適用されない
・自己管理が櫃尾用
・収入が安定しない場合も
青色申告特別控除を利用するには、確定申告時に「貸借対照表」と「損益計算書」を作成する必要があるため業務の負担が増えるでしょう。
また、個人事業主は労働法で定められた「最低賃金」「法定労働時間」「解雇規制」「労働保険」などは適用されず、雇用保険にも加入できないため失業しても失業給付がありません。
なお、働き方が自由であるため「自己管理」が甘くなりがちなことや、事業規模が小さく収入が不安定な場合があることは、フリーランスと同様といえるでしょうか。
3.まとめ
個人事業主やフリーランスは、会社員と違って自由度が高い反面、収入が保証されない厳しさや、お金の管理や確定申告などを自ら行わないといけない大変さがあります。
会社員として働く中で、こうした人々と仕事することは少なくなくありません。
ビジネスシーンでは彼らの背景も理解しておくと、仕事を進めやすくなるかもしれませんね。