履歴書の押印は必要なのか
転職雑記 2025/1/28
履歴書を作成する際、氏名欄に押印欄が入っている場合があります。
転職活動をしていて、履歴書に印鑑を押すべきか悩んだ経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
1.履歴書の押印は廃止
基本的には、履歴書に押印する必要はありません。以前は市販されている履歴書の多くに押印欄がありましたが、1997年に閣議決定された「押印見直しガイドライン」により廃止されました。
最近の履歴書には押印欄が設けられなくなっています。
【押印見直しガイドライン】
記名(自署が義務づけられていない)に押印を求めている場合と、署名(自署が義務づけられている)に押印を求めている場合とに分けて見直しが進められました。
1:記名に押印を求めている場合
①押印を求める必要性や実質的意義が乏しく、押印を廃止しても支障のないものは廃止し、記名のみでよいこととする。
②閲覧・縦覧の申請書、施設の利用申込書等で、対象が不特定の者であり、押印を求めてまで本人を確認する必要のないもの
③履歴書、住所変更届、廃業届等で、単に事実・状況を把握することのみを目的としているもの
④各種の国の学校における学生・生徒の場合のように、国と継続的な関係にある者からの届出・報告等で、当該本人からのものかどうかについて紛れのないもの
⑤受験願書、更新申請等で、当該本人であることの確認が、一連の手続の過程で運転免許証、パスポートを始めとする公的証明書の提示等他の手段により可能なもの。
⑥記名のみでよいこととされる文書以外の文書についても、できるだけ記名押印又は署名のいずれかでよい選択制とし、押印の義務付けを廃止することとする
2:署名に押印を求めている場合
原則として押印を廃止し、署名のみでよいこととする。
(押印見直しガイドライン 抜粋)
2.履歴書に押印が必要なケース
一般的に履歴書には押印が必要なくなっていますが、押印が必要な場合もあります。
①企業から押印を求められた場合
応募先企業が書類選考の案内で押印するよう記載していた場合は、押印欄の有無を問わず押印する必要があります。
押印欄のない履歴書の場合、氏名欄の隅に押印するとよいでしょう。
②履歴書に押印欄がある場合
市販の履歴書の中には、一部にまだ押印欄があるものもあります。
そうしたフォーマットの履歴書を選んだ場合には、押印して提出するのが無難でしょう。
押印欄があるにもかかわらずハンコを押していないと、不備のある書類とみなされるおそれがあるので要注意です。
3.履歴書に使う印鑑の選び方
印鑑(印章、判子、ハンコ)の種類は主に4つに分けられます。
①認印(みとめいん)
「印鑑登録」をしていないものが認印です。
1人で複数所持しているケースもあることから、実印と比べると効力が劣ります。
不動産登記や小切手の振り出しなど重要な書類には使用できません。
②実印
「印鑑登録」したものが実印です。登録できる実印の数は1人1個のみで、実印であることを示す印鑑証明書の交付が受けられます。
4種類の中でも最も効力の高い印鑑となります。
③銀行印
金融機関に届け出をしている印鑑のことです。銀行口座を作成する際に登録します。
銀行印には認印が使われることも実印が使われることもあります。
④シャチハタ
シヤチハタ株式会社のインクが内蔵されたスタンプタイプの印鑑です。
宅配便や郵便物の受け取り、社内書類の確認などライトなシーンで使用します。
履歴書には原則、認印を使います。
個人情報流出や印影を悪用されるリスクを避けるため、実印や銀行印は使用しません。
4.履歴書は押印欄のある・なしではどちらを使うべき?
応募企業から特に指示がない限りは、押印欄のない履歴書を選んで構いません。
指示があった場合は押印欄のあるもの、ない履歴書であっても押印して提出しましょう。
①押印欄がない場合
応募企業から印鑑を押すように指示があったものの、履歴書用紙や指定のエントリーシートに押印欄が設けられていない場合は「氏名の右側」に押すとよいでしょう。
印鑑は氏名に重ねず、氏名から離しすぎないバランスよく見える位置に押してください。
②PCで作成した履歴書への押印
現在では、履歴書はPCで作成するのが一般的です。
もし押印欄がある履歴書テンプレートを使った場合、押印するのは履歴書を印刷した後です。
あえて電子印鑑を使う必要はありません。
メールで提出する場合はスキャンしてPDF化したデータを応募先企業に送るとよいでしょう。