「ニューノーマル」とは
転職雑記 2025/6/3

近年、「ニューノーマル」という言葉を耳にする機会が増えました。
特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、さまざまなメディアで頻繁に使われています。
しかし、その意味を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
今回は、「知っているようで実はよく分からない」このキーワードについて、わかりやすく解説します。
1.ニューノーマルの概念
「ニューノーマル(New Normal)」とは、直訳で「新しい常態」、一般的には「新常識」と訳されます。
社会に大きな変化が起きた後に、それまでとは異なる生活様式やビジネスの在り方が定着することを指します。
この言葉はもともと生活様式の変化を示すものではなく、経済やビジネスの構造的な変革を表現するために使われていました。
2003年のITバブル崩壊後、米国経済の変化を表現するために、投資家ロジャー・マクナミーが『ニューノーマル リスク社会の勝者の法則』を出版(米国では2004年、日本では2008年)。
さらに2008年のリーマンショックを契機に、米エコノミストのモハメド・エラリアン氏が「景気は回復しても、以前の状態には戻らない」として再び注目されるようになりました。
日本では、東日本大震災や2020年の新型コロナウイルスの感染拡大が、社会や経済に大きな変革をもたらし、「ニューノーマル」という言葉が広く認知されるようになりました。
2.ニューノーマル時代の働き方の変化
「ニューノーマル」時代には、働き方にもさまざまな変化が現れています。
主な変化を以下にまとめます。
① テレワークの普及
従来はオフィスへの出勤が常識でしたが、感染リスク回避のためにテレワークが急速に普及しました。
総務省「通信利用動向調査」によれば、
2019年:テレワーク導入企業は約20.2%
2020年:47.5%に急増
2022年:51.9%と過半数を超える水準に
②リモート営業・オンライン会議の拡大
オンラインによる商談や会議が増加しました。
録音・録画が容易で議事録作成が効率化され、移動時間やコストの削減にもつながっています。
③DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
人との接触を減らす必要性から、企業の業務のデジタル化・無人化が加速。属人化していた業務も標準化され、さまざまな業種でDXが進展しています。
④オフィスの見直し
本社の移転やスペース縮小、オンライン打ち合わせに特化した設備導入など、従来のオフィスの在り方が見直されています。
3.ニューノーマル時代に求められるスキル
変化の激しい「ニューノーマル時代」には、以下のようなスキルが重要視されています。
①オンラインコミュニケーション能力
リモート環境では、表情や声のトーン、相手の反応が伝わりにくくなるため、相手の意図を汲み取る力や、わかりやすく伝える力が必要です。
②セルフマネジメント力
自由な働き方の中では、自己管理が重要です。
テレワーク中はオン・オフの切り替えが難しく、長時間労働に陥るリスクもあります。
時間や感情を自己調整する力が求められます。
③問題解決能力
急な変化に対応し、問題の本質を見抜いて解決策を導く力も不可欠です。
業務上の課題をロジカルに捉え、周囲を巻き込んで対処していく能力が求められています。
4.変化の時代にどう向き合うか
「ニューノーマル」という言葉に特別な響きを感じるかもしれませんが、社会が変化すること自体は、人類の歴史において常に繰り返されてきたことです。
過去にも戦争や災害、経済危機など多くの転換期がありました。
それらを乗り越えてきたように、今後も私たちは時代の変化に順応し、自分らしい働き方や生き方を模索していく必要があります。
重要なのは、変化を恐れずに自ら学び行動する力です。
時代の流れを正しく捉え、主体的に生きる姿勢こそが、これからの時代を切り開く鍵となるでしょう。












