「控除」の給与明細での見方｜パチンコキャリア転職ニュース

給与明細などでよく目にする「控除」という言葉。実際にはどのような制度かをきちんと理解している人は少ないかもしれません。

控除は税金や社会保険料などの差し引きに関わる重要な概念であり、理解することで節税にもつながります。

この記事では、「控除」の基本的な意味や種類、給与明細での見方などを解説します。

１．控除の意味

控除とは、「一定金額を差し引く」ことを意味します。

たとえば「税額控除」は、算出された税額から一定金額を差し引くことで、実際に支払う税額を軽減する制度です。

また、税金を計算する際には「所得」を基準にします。控除によって課税対象となる所得が小さくなれば、納める税金も少なくなります。

このように、課税所得を減らす仕組みが「所得控除」です。

控除額が多いほど、結果として手取り収入が増えることになります。

２．控除と還付の違い

控除と似た言葉に「還付」があります。

控除は「税額や所得から一定額を差し引く」ことで課税額を減らす仕組みですが、還付は「すでに納めた税金の一部が戻ってくる」ことを指します。

控除の結果として還付が生じることもありますが、両者は異なる概念であることを理解しておきましょう。

３．控除の種類

控除には大きく分けて以下の2つがあります。

【所得控除】

課税所得を減らす目的で、所得から一定額を差し引く制度。

納税者の個人的事情（扶養、医療費など）に応じて適用されます。

主な所得控除（15種類）

〈人的控除〉

・基礎控除

・配偶者控除

・配偶者特別控除

・扶養控除

・障害者控除

・寡婦控除

・ひとり親控除

・勤労学生控除

〈物的控除〉

・社会保険料控除

・生命保険料控除

・地震保険料控除

・医療費控除

・小規模企業共済等掛金控除

・寄附金控除

・雑損控除

【税額控除】

課税所得に応じて計算された税額から、さらに差し引ける制度。

控除額がそのまま税額から引かれるため、節税効果が高いのが特徴です。

主な税額控除（個人向け）

・配当控除

・外国税額控除

・住宅借入金等特別控除（住宅ローン控除）

・住宅耐震改修特別控除

・住宅特定改修特別税額控除

４．給与明細における控除

給与明細に記載される主な控除項目は以下の7つです。

・ 健康保険料

・介護保険料

・厚生年金保険料

・雇用保険料

・所得税

・住民税

・その他の控除

これらの控除は、以下のように分類されます。

【法定控除】

法律により義務付けられている控除（例：健康保険、厚生年金、所得税、住民税など）

【法定外控除（協定控除）】

労使協定に基づき適用される控除（例：寮費、労働組合費、財形貯蓄、社内預金、持株会費など）

法定外控除を行うには、労働基準法第24条に基づく労使協定が必要であり、会社が一方的に控除を決定することはできません。

５．まとめ

控除とは、課税対象や支払額から一定の金額を差し引く制度です。

正しい知識を持つことで、不要な税負担を避け、手取り収入を最大化することができます。

給与明細や確定申告を見直す際には、自分に適用されている控除が何かを把握し、必要があれば制度を活用する意識を持ちましょう。