103万の壁とは
転職雑記 2025/5/27
最近、よく耳にするようになった“103万円の壁”。
政府は現在、「103万円の壁」の引き上げや「106万円の壁」の撤廃について議論を進めています。
メディアでも多く取り上げられており、盛んに議論されていますが、その詳細を正確に理解している方は少ないかもしれません。
103万円以外にも106万円、130万円など複数の「壁」がありますが、それぞれの違いとは何なのでしょうか?
今回は「103万円の壁」について、詳しく解説します。
1.年収の壁とは?
「年収の壁」とは、それを超えると税金や社会保険料の負担が発生する年収の境界線のことです。
別名「社会保険の壁」とも呼ばれており、主に103万円、106万円、130万円などがあります。
パートやアルバイトで働く方々は、このラインを越えると手取り収入が減少する可能性があるため、働く時間や収入を調整する必要が出てくることもあります。
2.103万円の壁
給与所得者は、年収が103万円以下であれば、基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)により課税所得がゼロとなり、所得税が課されません。
一方で、103万円を超えると所得税の課税対象となり、扶養に入っている学生やフリーターなどは親など扶養者の「所得税」や「住民税」にも影響が出る可能性があります。
なお、103万円の判定には通勤手当(交通費)は含まれません。
ただし、1ヵ月あたりの交通費が公共交通機関利用で15万円を超える場合や、自家用車・バイク利用時に規定額を超える場合は、課税対象になる場合があります。
また、時給や日給に交通費が含まれている場合、それが非課税分として分けられていないと、全額が収入と見なされるため注意が必要です。
3.103万円を超えた場合の負担は?
年収が103万円をわずかに超えると、所得税が発生します。たとえば年収104万円の場合、課税所得は1万円となり、所得税(5%)は約500円です。
また、住民税には「均等割」と「所得割」があり、均等割は自治体ごとに異なりますが、年収が93~97万円を超えると課税され、年間3,000~5,000円程度の負担が生じます。
住民税の所得割は、基礎控除(43万円)や給与所得控除の適用により、100万円を超えたあたりから課税対象となります。
4.106万円の壁
年収が106万円を超えると、特定条件を満たす場合に健康保険や厚生年金などの社会保険への加入義務が生じます。
対象となるのは、学生でないパート・アルバイトの方で、月収8万8,000円以上、週の所定労働時間が20時間以上などの要件を満たし、かつ従業員51人以上の企業に勤めている場合です。
この企業規模の条件は、かつて101人以上でしたが、2024年10月から51人以上に変更されました。
今後もさらに適用範囲が拡大される予定があり、制度変更には注意が必要です。
5.130万円の壁
この「壁」からは、学生も対象に含まれます。
年収が130万円を超えると、配偶者や親の扶養から外れ、自らが勤務先の社会保険(条件を満たす場合)または国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。
1社での収入だけでなく、複数のアルバイトを掛け持ちしている場合にはその合計年収で判断されるため、注意が必要です。
従業員が50人以下の企業に勤務している場合でも、130万円を超えると扶養を外れることになります。
6.150万円・201万円の壁
これらは「配偶者特別控除」に関係する「壁」です。
配偶者の年収や本人の収入条件により、控除額が変動します。
パート主婦(主夫)の年収が150万円以下であれば配偶者特別控除は満額受けられますが、それを超えると段階的に減額され、201万円を超えると控除が受けられなくなります。
7.まとめ
パートやフリーターなどで働く場合、年収が100万円や103万円を超えると所得税や住民税が発生し、さらに106万円、130万円を超えると社会保険の加入義務が発生する可能性があります。
これにより、手取りが大幅に減るケースもあります。
扶養する側(配偶者や親)とされる側(本人)の状況によっても異なるため、それぞれの条件を確認し、必要な手続きや制度変更に備えることが重要です。
最新の情報をもとに、自分の働き方に適した年収のラインを意識しておくと良いでしょう。