ストックオプションとは何か
転職雑記 2025/7/22

「ストックオプション」という言葉を耳にしたことがあっても、その仕組みや活用法を正しく理解している人は多くないかもしれません。
本記事では、ストックオプションの基本的な仕組みや種類、導入するメリット・デメリットについて解説します。
制度を正しく理解することで、活用時の判断材料として役立てていただければ幸いです。
1.ストックオプションとは
ストックオプションとは、あらかじめ定められた価格で、一定期間内に自社株を購入できる権利のことです。
従業員などがこの権利を行使し、株価上昇後に売却することで利益(キャピタルゲイン)を得られるため、従業員のモチベーション向上や優秀な人材の確保・維持に繋がります。
2.ストックオプション制度の仕組み
たとえば、1株100円の価格で1000株分のストックオプションを付与されたとします。
後に株価が1株1000円に上昇した場合、行使価格100円で購入し、時価で売却すれば90万円の利益が得られます。
このように、あらかじめ設定された価格との差額がキャピタルゲインとなります。
3.新株予約権との違いストック
オプションと新株予約権は類似していますが、ストックオプションは従業員など社内の特定の人に付与されるのに対し、新株予約権は社外の投資家や取引先にも付与される点が異なります。
4.従業員持株会との違い
従業員持株会は、従業員が自社株を定期的に購入し、福利厚生の一環として株主になる制度です。
誰でも利用できる仕組みであるのに対し、ストックオプションは選ばれた従業員のみが対象で、報酬の一部として付与される点が異なります。
5.ストックオプションの種類
以下は、代表的なストックオプションの種類です。
【通常型ストックオプション】
一般的に導入されているタイプで、業績向上のインセンティブを目的とします。
【株式報酬型(1円ストックオプション)】
権利行使価格を極めて低く設定(例:1円)することで、実質的に株価と同等の報酬が得られる形式。
退職金の代替として活用されることもあります。
【有償ストックオプション】
ストックオプション付与時に公正価値での支払いが必要。
初期費用がかかるため、資金に余裕のある対象者向けです。
【無償税制適格ストックオプション】
金銭の支払いなく取得でき、一定の条件を満たせば税制上の優遇を受けられる制度。
【無償税制非適格ストックオプション】
無償で付与されますが、税制上の優遇措置は受けられません。
【信託型ストックオプション】
ストックオプションを信託に預け、一定の期間が経過するまで保有させる形式。
長期的なインセンティブに適しています。
6.ストックオプションのメリット
・将来的な株価上昇によって、大きなキャピタルゲインを得られる可能性がある
・行使条件を満たす必要があるため、優秀な人材の定着・長期雇用の促進につながる
7.ストックオプションのデメリット
・ 株価が下落すれば利益が得られず、従業員の士気が下がる恐れがある
・付与数が多すぎると株式の希薄化を招き、株価の下落や既存株主への影響が生じる可能性がある
8.まとめ
ストックオプションは、企業が優秀な人材を確保・維持するうえで有効なインセンティブ制度です。
一方で、導入や運用にはデメリットもあるため、導入する側も受け取る側もその特徴を十分に理解することが重要です。
制度のメリット・デメリットを比較検討し、もしストックオプションの機会がある場合には、内容をしっかり確認したうえで判断しましょう。












