メンター制度とは

転職雑記 2025/4/15

新人育成の一環として多くの企業で導入されている『メンター制度』。

近年は中途入社の社員にもメンターを配属する企業も多くなっています。

このメンター制度とはどのような制度なのでしょうか。

今回は、導入が進むメンター制度の概要やメリット・デメリットなどを解説します。

新しい職場に早く慣れるために、メンター制度を事前に把握しておきましょう。

1.メンター制度の基本

『メンター制度』は、新入社員を先輩社員がサポートする制度です。

社内で経験豊富な先輩社員(メンター)が、後輩社員や新入社員(メンティー)に対して、業務上の指導やキャリア形成のサポートを行ないます。

メンターにはメンティーと年齢や社歴が近い先輩社員が選ばれることが多いようです。

この制度が従来の教育制度と異なるのは、メンティーの“仕事の技術や知識”だけでなく“メンタル面”もサポートする点にあります。

メンターは仕事の相談だけでなく、人間関係の不安や日々の悩み、個人的な問題まで幅広く相談に乗ってメンティーを支援します。

2.メンター制度の目的

この制度は人材の育成だけでなく、定着率の向上や女性の活躍推進なども目的に含まれています。

①社員の育成

メンター制度の大きな目的は、まず新入社員はもちろん先輩社員を含めた人材育成が挙げられます。

新入社員は、メンタリングを通じて仕事を覚えながら、自分では気づけない課題を発見することができます。

一方、先輩社員もメンティーのサポートを行うことで新たな気付きが得られたり、新しい仕事の進め方を見つけたりと、自身の成長にも繋がります。

②人材の定着率向上

新入社員の精神的なサポートを行うことで、早期離職率を下げることもメンター制度の目的です。

よく指摘されているように、新入社員の数割が入社3年以内に離職しています。

制度を通じて新入社員に会社に馴染んでもらうことが、定着率向上にとって重要です。

③女性の活躍推進

メンター制度では、個人の悩みに合わせたサポートが可能なため、女性一人ひとりのキャリアやライフプランに関する悩みを相談できる場にもなり得ます。

例えば、新入の女性社員とロールモデルとなる先輩女性社員をマッチングすることで、女性ならではの悩みも相談しやすくなります。

ただし、メンター制度の有無だけで女性の活躍が保証されるわけではありませんので、制度内容・運用実態の確認が重要です。

3.制度のデメリット

メンター制度にはメリットが多い一方で、運用次第ではデメリットも存在します。

制度を理解しておくことで、入社前・入社後に効果的に関わることができます。

① ペアの相性が悪い場合がある

メンター制度は、ペアの相性が良くないとうまく機能しません。

メンターとメンティーのマッチングが非常に重要です。

相性が良くない場合、信頼関係を築くことが難しく、面談が形式的になったり一方的な指導になったりすることがあります。

② メンターの業務に支障をきたす場合がある

メンター側にとっては、日々の業務に加えてメンティーへの対応や人事への報告といったタスクが増えるため、メインの業務を行う時間が減少する可能性があります。

制度を実施する企業では、メンターの業務量や面談時間などを踏まえて調整を行うことが推奨されています。

③ メンターの指導力に差がある

メンターの経験値や指導力によって、各メンティーが受けるサポートの質にばらつきが出る可能性があります。

メンティーに“不平等”を感じさせないよう、一定のスキルや経験値を積んだメンターを選び、制度開始前に研修を行うなどの運用が望ましいです。

④ ハラスメント・相談体制のリスク

メンター制度はメンティーにとって相談しやすい環境をつくる一方で、制度が不十分な場合、メンター自身がハラスメントの加害者になったり、プライバシー侵害が起きたりするリスクもあります。

例えば、メンターとメンティーとの立場の差や相談内容の扱いによっては、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)上問題となる発言・態度が生じ得る点にも注意が必要です。

4.転職希望者として押さえておきたいポイント

転職を考えているあなたが“メンター制度あり”の会社を検討する際には、以下の確認がおすすめです

・求人情報や面接の場で「メンター制度」の対象(新卒のみ/中途も)・メンターの選定基準・面談頻度・実際の運用例を確認する。

・メンター制度が就業時間内に行われるか、またメンター/メンティ双方の負担について企業側がどのように配慮しているかを質問する(労働時間・残業などの観点からも安心です)。

・制度が形式化・形骸化していないか、メンター研修の実施・相談窓口の設置・運用ルール(守秘義務・ハラスメント防止など)が整備されているかを確認する。

・実際にその企業で制度を活用している社員の声を認められれば、転職後のギャップを減らすことができます。

5.まとめ

メンター制度は、新入社員が先輩社員とペアを組み、後輩が仕事だけでなく、精神的な悩みなども先輩に相談できる制度です。

制度には「コミュニケーション能力を鍛えられる」といったメリットもありますが、ペアの相性が合わないとうまくいかないというデメリットもあります。

転職希望者としては、入社前に「制度の実態」を把握し、自らも相談しやすい姿勢、学ぼうという意欲をもって制度を活用すると、先輩・後輩ともに成長の機会になる可能性が高まります。

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