転職活動でよく見る「社保完備」の意味とは
転職雑記 2025/4/1

求人情報を見ていると、「社保完備」や「社会保険あり」といった表現をよく見かけます。
「社会保険は当然の制度」として見過ごしてしまいがちですが、その内容や範囲について正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。
今回は、求人票でよく見かける「社保完備」の意味や社会保険の種類、注意点について詳しく解説します。
1.「社保完備」とは?基本の4つの保険
社会保険とは、病気やケガ、老後、失業といったさまざまなリスクから労働者を守るための公的な保障制度です。
広い意味での社会保険には次の5種類があります
①健康保険
②厚生年金保険
③労災保険
④雇用保険
⑤介護保険
このうち「健康保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」の4つすべてに加入している状態を「社保完備(社会保険完備)」と呼びます。
なお、「介護保険」は40歳以上の被保険者が健康保険とセットで加入する制度のため、企業が任意に選べるものではありません。
2.各保険の概要
①健康保険
病気やケガによる医療費の自己負担を軽減する保険で、会社と従業員が保険料を折半して支払います。
自己負担額は原則1~3割です。また、出産手当金や傷病手当金などの給付もあります。
②厚生年金保険
会社員や公務員が加入する年金制度で、20~60歳のすべての国民が加入する国民年金に上乗せされる形です。
保険料は会社と従業員で折半し、将来は老齢厚生年金として受け取ることができます。
③労災保険(労働者災害補償保険)
業務中や通勤中に発生した事故・病気に対して、治療費や休業補償、障害補償などが支給されます。
保険料は全額事業主が負担します。
④雇用保険
いわゆる「失業保険」として知られており、失業・休業・育児・介護などにより働けなくなった場合に給付が受けられます。
3.求人票に記載がない場合もある
実は、社会保険の有無を求人票に記載することは義務ではありません。
そのため、記載がない場合でも実際には「社保完備」であることもあります。
どうしても事前に確認したい場合は、次の方法で確認できます
・応募前に企業へ直接確認する
・日本年金機構の「厚生年金保険・健康保険適用事業所検索システム」で調べる
また、「労働保険あり」と記載がある求人は、労災保険・雇用保険の2つにのみ加入していることを指します。
この場合、「健康保険」や「厚生年金保険」に加入していない可能性があるため注意が必要です。
※「健康保険」「厚生年金保険」に加入しない短時間パートの求人では、「社保完備」とは表示できません。
4.記載形式にも注意
「社保完備」という記載の他に、各保険の項目が「〇」「有」と表示される表形式の求人票もあります。求人媒体や企業によって表記方法が異なるため、見逃さないように注意しましょう。
5.まとめ
社会保険は、働く人の生活を守る大切な制度です。
「社保完備」の意味を正しく理解することで、入社後のギャップを減らし、安心して働ける環境を見極めることができます。
求人情報を見る際は、「社保完備」の表現だけでなく、その内訳や記載形式、企業の実態にも注目するようにしましょう。












