熱意の有無、表現の仕方が転職の成否を分ける
転職雑記 2017/1/19
熱意が必要なのはパチンコ業界だけに限ったことではなく、他の業界でも転職活動をする際は大事になってくる部分ですが、今回はパチンコ業界での面接の実例を絡めながら、その言葉の裏にある“重み”を読み解いていきましょう。
1.熱意は言葉や行動に表れる
パチンコ業界での転職には熱意が大事、ということを強く意識するようになったのは、とある求人企業の採用担当者の一言がきっかけでした。
私が担当した転職希望者のBさんが面接を受けた後、試験の様子や感じた印象などを聞こうと思い、採用担当者に連絡をとってみたところ、先方から「あの人は本当にうちで働きたいと思っているのでしょうか?」と言われたのです。
その言葉に、最初はすごく驚きました。もちろん、転職希望者は「この会社に入りたい」という気持ちを持っているからこそ、入社試験を受けているのは言うまでもありません。Bさんも、同じように考えて面接に臨んでいたことでしょう。 しかし、面接の様子を詳しく聞いてみると、Bさんは求人企業についての知識が少なく、「何か質問はありますか?」と促されても特に質問することはなかったと言うではありませんか。そんな姿を見た採用担当者は「入社したいという意志が感じられない」と判断し、面接を早めに終わらせたのでした。
2.面接前にしておくべきこと
転職希望者はキャリアコンサルタントから求人企業を紹介され、自ら企業情報を収集するなどした上で面接を受けるかどうかを決めます。企業規模や営業方針、企業風土などの情報を集め、「自分に合っているかどうか」や「ここで働きたいと思えるかどうか」をしっかり考えていくのです。
こうした準備を怠る人は、ほとんどいません。しかし、いざ面接に合格し、入社した後のことまで面接前にしっかり考える人は少ないのです。もし、その企業に入り、「こんなことにたずさわりたい」「将来はこうなりたい」と考えていれば、面接時に聞きたいことはたくさん出てくるはず。入社後に任される業務内容、求人企業が描いているビジョンなど、現場で働く採用担当者の生の声を聞きたいと思うのが当然ではないでしょうか。
キャリアコンサルタントに聞いたり、企業ホームページを見たりしても分からないことがあれば、実際にパチンコホールに行って雰囲気を感じ取ろうとする人もいます。Bさんにはそうしたところが欠けていたのです。
3.転職成功は単なる「スタート」
転職時の面接で、採用担当者が「うちに転職した際の将来のビジョンをどのように考えていますか?」と直接的に聞いてくるケースは少ないかもしれません。それよりも、転職希望者の経歴や知識・技量などについて多くの時間を割いて質問する可能性が高いでしょう。
しかし、求人企業の採用担当者は転職希望者の受け答えから、心の中にある「熱意」をしっかり見抜きます。高い情熱があれば、質問の内容を問わず、どんな答えにも「熱意」がきちんと表れるはず。だからBさんの、求人企業について全く質問しなかった姿勢や転職後のビジョンをしっかり考えているとは思えない受け答えに、採用担当者が気持ちがないのでは?と思ったのです。
転職を成功させるためには、必ずしも企業のことを隅から隅まで調べ尽くす必要があるとは言いません。また、採用企業側への質問が少ないからといって、熱意が足りないと言うのは極論に他なりません。
ただし、その企業で「やりたいこと」「なりたい自分」がはっきり見えているのなら、知りたいことが自然と出てくるはず。それが面接における「質問」や「確認」という形で現れ、熱意の伝達につながっていくのではないでしょうか。
これは全ての転職希望者に覚えておいて欲しいのですが、転職を果たすことが「ゴール」ではありません。転職活動の成功は人生の通過点でしかなく、むしろ「スタート」なのです。そのことが分かっていれば、面接に臨む姿勢は自ずと変わり、採用担当者に与える印象も一変することでしょう。
4.まとめ
熱意というと、「目力」「語気の強さ」「身振り手振りの活用」といったものだと勘違いする人もいるはず。そうしたものが相手に感じさせる熱量は少なくありませんが、たとえ落ち着いた振る舞いでも「確かな熱意」を感じさせることはできるのです。
複数の転職希望者がいて、同じような経験・知識・技術を持っているのなら、熱意の高い人が採用されるでしょう。また、豊富な知識や技術を持った人でも、熱意が全然感じられない場合は採用に躊躇する企業が多いはずです。
あなたは自身の熱意を求人企業にしっかり伝えることができますか――。そのことを自分の心に問いかけ、面接に臨む前に一度、自分の姿勢を確認してみるといいでしょう。