営業戦略面の変化によって重要性を増した「スタッフ育成能力」
パチンコ店の仕事・スキル 2016/5/9
1.パチンコ業界の潮流の変化
これまでのパチンコ業界は、「営業戦略面」において競合店との差別化を図りながらパチンコホールの運営を続けてきました。遊技台の機種構成、パチンコ・スロットの交換率、イベントや広告宣伝の実施等が、これまで主に取り組んできた営業戦略です。
現在は等価営業の禁止地域が増えたとはいえ、機種構成や交換率による差別化が難しくなっていると同時に、広告宣伝の規制やイベント禁止も重なっています。
そのため現在のパチンコ業界では、これまで重視されてきた「営業戦略面」においての差別化が大変難しい状況にあると言っていいでしょう。
2.競合店舗との差別化を図るポイント
「営業戦略面」においての差別化が大変難しい状況になったことで、最近はパチンコホール運営に携わるスタッフの「ヒューマンスキル」「人間力」を特に重視する企業が増えてきています。競合店舗間において機種構成などのハード面で色の違いが出せない分、それ以外の部分で付加価値を提供しようとソフト面の充実を目指している企業が増えているのです。
転職・中途採用市場においても同様の流れがあります。今回は転職・中途採用市場において、どんな人材が求められているのかを見て、その上で主任以上の役職者が「スタッフの育成」をする中でどのような考え方が必要になるのかを見ていきましょう。
3.企業におけるスタッフ育成の取り組み
最近のパチンコ業界では、若者のパチンコ離れが顕著になっています。パチンコ・パチスロ未経験者がパチンコ関連企業に入社することも決して珍しくありません。
パチンコ業界の各社も一般企業と同様に、自社の社風や理念を理解したスタッフを育成していくことが大切です。特に転職・中途採用市場における主任以上の役職者には、スタッフ育成能力が求められています。
では、実際にスタッフの育成をしていくために各社はどのような取り組みをしているのでしょうか。ある企業では、入社後しばらくの間は新人と受け入れ担当者の勤務シフトを全て合わせ、常に側で教え込む育成制度を導入しています。また、店舗スタッフを二分して早番・遅番シフトに完全固定し、各チームの結束力と効率のアップを図っている企業もあります。
パチンコ業界で働くとなれば、専門用語や機械の仕組み、各機種の特徴からパチンコホール内サービスまで、覚えなければいけないことが山積みです。
また、それ以前に社員育成の原点となる企業としての方向性を各スタッフに浸透させることが必要になるのですから、主任以上の役職者に求められるマネジメントスキルは想像以上に高いものだと言っていいでしょう。
4.スタッフを引っ張っていくために必要なもの
中途採用・転職市場で役職者に求められているものは、アルバイトを含めた現場スタッフに店舗の方針を理解させるスキル。パチンコホールのスタッフ全員が同じ方向に向かうチームを作り上げるための強力な推進力・育成力が特に重視されているのです。
スタッフを望ましい方向へ導くためには、スタッフ一人一人のことをしっかり理解しなければなりません。また、自分自身のことも相手に知ってもらわなくてはいけません。
相手に心を開いてもらうためには、日々の業務の中で役職者として模範となる振る舞いをすることが大切です。例えば、率先して最前線での業務を行うこと、周りの人に対する的確な助言を贈ることなどがポイントとなるでしょう。
パチンコホールの現場は社員やアルバイトに任せておけば良い、という考えを持っている役職者には強い推進力・育成力はなかなか身につきません。主任以上の役職者だからこそ、ホールでの実際の業務をどの一般社員やアルバイトよりも深く理解し、知識や技術の両面でスタッフを引っ張っていくことが求められているのです。
5.まとめ
パチンコ業界で一定以上の経験を積み、役職に就いている人であれば、新人スタッフや一般社員を育てることの難しさはすでに実感していることでしょう。その中で向上心を持って、さらに上の役職を目指すのならば、現場のスタッフから信頼され、慕われるような資質を身につけることが不可欠です。
役職が上がっていく中では次第に現場から離れ、一般社員とは違った目線が必要になります。しかしそれは、現場や一般社員への理解が薄くなってもいいという意味ではありません。パチンコホール全体を見渡す広い視野を持ちつつ、企業全体のことを考える姿勢の両立を心がければ、自分に足りないものや自分のするべきことが自然と見えてくるのではないでしょうか。