転職を成功するには我慢せず本音を伝える
転職雑記 2016/10/4
今回は、30代後半で店長をしている転職希望のAさんと面談をしたときのお話です。
Aさんは当時、パチンコ業界以外も含めて既に5回目の転職でした。そのため、年齢的な考慮もあり、「もう失敗できない。次を最後の転職にしたい」と面談前の電話で何度も言っていました。パチンコ業界で店長職の経験があっても、年齢や5回という転職回数に対して不安のある様子でした。正直なところ私も、Aさんが思うように転職は少し厳しいかも知れないと考えていたのです。
しかし、最初に顔を合わせたとき、そんな心配はすぐに拭い去られました。私に対しての挨拶もとても丁寧で、パチンコホールで店長として責任を持って働いてきた方だと直感的に感じ、転職は必ず成功すると確信しました。
1.経歴と現状
Aさんは、関東でパチンコホールを3店舗経営する企業の店長として勤めていました。仕事内容をお伺いすると、細やかな部分に渡り、店長としてさまざまな工夫をしていたことが分かりました。
Aさん自身、昔から興味があったパチンコ業界での業務ということもあり、やりがいは非常にあったとようですが、どうしても日々の営業の数字に対するプレッシャーが大きくなっていきました。それまでは前を向いて話をしていたAさんでしたが、この話のときだけは少し下を向き、言葉を濁しながら話していました。相当大変だったということが言葉の節々から感じ取ることができました。
そして「今回のご転職理由は何ですか?」と伺ったところ、「人手が足りず、店長としての業務内容が増えて寝る時間がない。今のパチンコホールの業務量だと体力的に辛い」と労務環境の悪化が原因で転職を考えていることを話してくださいました。
最後に「今回はどのような企業への転職を希望していますか?」と伺うと、「一番に、人間関係の良いアットホームな企業」という答えが返ってきました。待遇ではなく、企業の雰囲気を重視し、転職をしたいということがとてもよく分かりました。
2.本音をさらけ出すということ
私はこのとき、きっと今のパチンコホールでは人間関係の悩みを抱えていて、それが本当の転職の動機なのではないかと感じていました。そこで、「今、色々と大変な理由も人間関係ですか?」と少し切り込んだ質問をしてみると、「はい。そうなんです。上司から言われた通りに業務や管理を行っているのにも関わらず、数字が落ちるとすぐ、店長である私に全ての責任があると言われてしまって」という答えが返ってきました。
その後、なぜ上司と上手くできていないのか、Aさんの長所と短所、店長としてのこれまでの経験も含めて自己分析など……、Aさんには自分自身のことや、自分が考えていることをたくさん話してもらうようにしました。
そこで、たくさんのことが分かりました。
・人あたりが良すぎて、怒れない性格。
・真面目な性格のため、任されたことを何でも引き受けてしまう。
・思っていることを口に出せないため、自分で問題を抱え込んでしまう。
そして、今回の一番の転職動機が、人間関係だということでした。
たくさんの話を通して、Aさんは真面目で誠実でとても優しい性格を持つ反面、断れない性格で引っ込み思案ということが分かりました。そして現在、上司と上手くいっておらず、店長としての勤務に限界を感じ、違うパチンコ企業への転職を考えて相談に来た人だということも分かったのです。
本音が聞けたことにより、色々なことが見えてきました。会う前よりも何倍もAさんのことを知ることができ、Aさんが求める企業像も分かりました。そして、Aさんとの距離が大きく近づいたのです。
3.まとめ
人は自分のことを話すとき、嬉しいことや自慢できることは誰にでもどんどん話していきたくなるものです。一方で、悲しいことや恥ずかしいことは、なかなか他人には言いずらく、誰にも話せないで抱えこんでしまいます。
しかし私は、その話しずらい部分をさらけ出して、一緒になって考え、解決への糸口を探していくことが転職活動においてとても大切だと思っています。我慢するばかりではなく、今の自分の気持ちを大切にする。
これができれば、きっと良い転職活動ができ、素晴らしい企業と出会えると思うのです。