近年の新規出店の傾向と各企業の取り組み
パチンコ市場規模・動向 2017/1/12
現在、パチンコホールの店舗数は全国で11,000店舗前後あり、その数は年々減り続けています。パチンコ業界として、全体的に店舗の縮小傾向にある中、どのような企業が新店をオープンし、どのような新店をオープンさせているのでしょうか。今回は、近年の新規開店状況と各企業の取り組みについてまとめていきます。
1.関西企業の積極的な関東での出店
近年の新規出店状況の特徴としては、関西企業の積極的な関東進出が挙げられます。ある関西を中心に店舗を展開している企業では、都外の関東へ出店していき、ついに東京の激戦区である地域で1,000台超えの店舗を出店しています。もともとその地区は大手法人など大きな店舗がひしめくエリアで、そこに関西の企業が進出してきたということで、当時は業界ではとても注目されました。例えたくさんのパチンコホールがある地域であっても、戦略上チャンスがあると判断されれば、新規出店することもあります。いかにビジネスチャンスを察知し、活かしていくかということが重要なのです。
その他にも多くの企業が関東での店舗展開をスタートしています。今後も関西企業の関東への出店動向は注目すべき点だと言えるでしょう。
2.他店舗と差別化するための専門特化
また、近年の傾向としては、スロット専門店や低玉貸し専門店といった専門特化したパチンコホールのオープンが目立っています。特に既存店の居抜き物件を利用した新規出店の場合に多く見られます。グランドオープン時の設備内容やお店のコンセプトはその時代の流れを反映していることが多くあるのも注目すべき点です。
全国展開をしている企業や近隣店舗の動向を気にしている人たちは多いと思います。しかし、業界の流行や新しい取り組みは広い視野でみていくからこそ気付く部分もあります。
営業施策やイベントでの差別化で集客が図りにくくなっている昨今では、既存店のイメージを払拭する動きが見られます。専門特化した店舗づくりを行い、コアユーザーをグランドオープンの時から獲得するためには効果的な施策と言えるでしょう。近年では、スロット専門店が各地で成功している事例が見られます。今後もこの流れは続くと予測されます。
新規出店を考える際は、他の企業との兼ね合いを考え、どのような新規出店が効果的かを議論されているかと思います。企業が複数のパチンコホールを束ねていくとなると、リスクを恐れて保守的になってしまうこともあるでしょう。しかし、それでは年々市場は縮小していく一方です。閉店していくパチンコホールが多くある現状、新しい施策を持って積極的に市場に乗り出していく姿勢が今後のパチンコ業界では重要になってきます。
3.新規出店とキャリアアップ
新規出店は、当然本社で働く人にとって大きな出来事ですが、パチンコホールの現場で働いている人やスタッフにとっても大きな出来事です。店舗数が増えればそれだけ役職の座は増え、キャリアアップにも繋がります。
転職を考える際は、今後新規出店を積極的に行っていく企業を視野に入れることも必要です。もちろん、それだけでは「自分に合っている企業かどうか」は判断することはできませんが、ひとつの目安にすることはできます。キャリアアップを念頭に転職活動したい方は、気になる企業の新規出店の動向を調べ、今後の動きを予測することも重要になってくるでしょう。
4.まとめ
現在、広告規制など射幸心にまつわる規制が強化されており、グランドオープンの魅力が薄れ、新規出店が減少していっている傾向があります。その中でもお客様により選ばれる店舗になるために各企業も工夫を凝らしながら、差別化を図っています。
新規出店状況を見るだけでも、他の企業がどのような営業方針をとっているのかが見えてきます。常に様々なホールの状況を見ていくのは難しいので、少なくとも新規出店状況だけでも情報を得るようにすると良いでしょう。
情報を幅広く入手し、「自身の店舗であればどのように活かせるか?」「パチンコ業界でより自分が活躍するためにはどうするべきか?」を考えていくことも大切なのです。