求人企業の受け入れ態勢が転職希望者の未来を左右する!?
転職雑記 2017/12/21
多くのパチンコ業界での転職希望者のお手伝いをしてきましたが、転職希望者が、求人企業に対して気になっていることはだいたい同じです。それは、「給与額」と「入社後の職位」です。求人企業が提示している情報の中でも、この2つを気にしている転職希望者はとても多いのです。転職希望者のほとんどが気にしていると言っても過言ではないでしょう。
しかし、転職希望者がこの2つが気にするのは、至極当然のこと。でも実は、他にも目を向けてほしい情報が1つだけあるんです。それは、「求人企業の受け入れ態勢」です。
1.初めての中途採用〜A社の場合〜
「求人企業の受け入れ態勢」とは何なのでしょうか。それを説明する前に、あるパチンコホール企業が求人を出したときの話をしたいと思います。
そのパチンコホール企業・A社は、2店舗のパチンコホールを運営していました。A社は、それまでに中途採用を行ったことがありませんでした。現在働いている社員は、全員、アルバイトから正社員になった人ばかり。そのためかどうかはわかりませんが、社員同士の仲がとても良く、2店舗のパチンコホールを運営していくだけの充分な人手もあったので、大きな問題はありませんでした。
しかし、あるとき、A社の社長は、「パチンコホール企業として、もっと大きく成長していくためには、組織の活性化を進めていく必要がある」と感じました。そこで、A社にとって初めての中途採用が始まりました。
そして、ついに1名採用する運びになりました。
採用した転職希望者は、A社よりも店舗数の多い大企業にいた店長でした。そのような素晴らしい人財を採用できたのにも関わらず、A社には転職希望者の受け入れ態勢がしっかりと整っていませんでした。「転職希望者が、実際に入社するまでに何をすればいいのか」「入社の当日に何をすればいいのか」など……いろいろどうしていいのかわからない!」とてんてこ舞い。
そこでA社が行ったのが、入社の前日に「入社式」と銘打って飲み会をすることでした。また、少しでも雰囲気が出せればと考えて、自分たちで「Kさんの入社式」というくす玉を作って用意したそうです。しかし、実際にいざ割ろうとすると、手作りのためか「開かない!」というアクシデントが起こってしまい……。そんな微笑ましい入社式の翌日、KさんにA社の印象をうかがうと、「入社式はインパクトがありましたね(笑)。でも、私を迎え入れるために、そのような場を設けてくれたことを本当に嬉しく思っています」とにっこり。
そして、「まだ会ったこともない人に対して、“どうしたら喜んでもらえるか”を一生懸命考えて行動できる人たちだということがわかって良かったです。そのような人たちと一緒に仕事できることが、今からとっても楽しみです」「この人たちとなら、今後、パチンコホールでの仕事で大変なことがあっても、乗り越えていけそうな気がします」と話していました。
実際に、Kさんは今でもA社で働いています。
以前、電話で久しぶりに話をしたとき、Kさんは、「仕事が大変だと感じて、本当にしんどい時期もありましたね。でも、ここの会社に入社したことを後悔したことは一度もないんです。やっぱりアットホームな雰囲気が心地良くて、辛いことがあっても、頑張ろうって思えます。あの「入社式」のときに感じた気持ちは間違いじゃなかったようで、良かったです」と、笑っていました。
このように「ようこそ!」と歓迎してくれる会社ならば、転職して入社後、とても働きやすいでしょう。すぐに現場に馴染むことができるはずです。
2.「受け入れ態勢」をチェックする
「受け入れ態勢」は、求人企業のスタンスと、経営状況によって変わってくることが多く、「いちいち歓迎ムードにならない」という会社もあれば、「せっかく入ってくれたんだから精一杯歓迎したい」という会社もあります。ここで、社内の雰囲気、実際に働く現場の雰囲気が垣間見えることがあるかもしれません。
求人企業の受け入れ態勢が気になる場合は、事前に尋ねてみるのもいいでしょう。特にA社のように、中途採用を行ったことがない会社であれば、しっかりとした中途採用の育成がシステム化されておらず、転職希望者にとって不安のもとになることもあります。気になることがあれば、事前に解消することが大切です。
3.まとめ
見逃してしまいがちな求人企業の「受け入れ態勢」。しっかりとチェックしたり、何社か比較してみたりすることで、入社後の働きやすさが大きく変わってくるかもしれません。
入社してみてわかることもありますが、事前にわかることがあればチェックしてみると良いでしょう。