パチンコ店の店長の仕事は一子相伝?
パチンコ店の仕事・スキル 2018/10/9
パチンコ業界における店長という存在は、とても象徴的なものです。現在でも優れた店長の仕事はパチンコホール企業の業績支える根幹であり、パチンコ業界の“花形”の地位であることに変わりはありません。
今でこそ「社是」や「企業理念」などでパチンコホール企業の仕事への取組み方や考え方、環境や組織作り、さらには社員教育なども進められていますが、かつてはその店長のキャラクターでお店の全てが決まったりしたものでした。
そして、その業務遂行のノウハウは店長一人の経験値に追うところが大きく、「北斗の拳」ではありませんが、その極意はまさに“一子相伝”(学問や技術などの極意や奥義を子孫の一人、または、弟子の一人だけに伝授し、他の者には伝えないこと)の場合もあったのです。人気店長や名物店長の奪い合い(ヘッドハンティング)や移籍が話題になり、店長とスタッフ丸ごとの“異動”も珍しいことでは無かった時代もありました。
1.店長の数だけ極意がある?
パチンコ店の店長業務は多岐に渡ります。パチンコ店の新しい機種を選定する業務、店舗予算達成のためのパチンコ・スロットの予実管理業務、店舗に利益を残すための店舗管理業務、そしてスタッフを管理監督・育成する業務と、一人でいくつもの仕事をこなさなくてはなりません。
しかし、全国にパチンコ店を経営する企業は4,000社あり、それぞれの企業で、それぞれの店長業務スタイルが存在しますが、果たしてどの企業のものが正解と言える仕事なのでしょうか。
2.店長業務を身に付ける方法
現在のパチンコ業界において、店長業務を取得する形としては、
①「明確な役割分担が行われ、業務手順がマニュアル化されている」
②「マニュアルは存在せず、上長からの指導で店長業務を取得する」
③「突発的に店長を任命され、我流で進めていく」
という3パターンに分けることができます。
自然発生的にもこの3タイプに収まることは理解しやすいでしょう。そして、かつてはパターン②が主流であり、まさに“一子相伝”のスタイルが存在したのです。
しかし、現在の大手パチンコホール企業ではむしろ②のスタイルは少なくなり、①の方法が主流になっているのはパチンコ業界にいるなら誰もが知る所です。それは大手パチンコホール企業を中心に現場改革が進み、一般企業に追随して社内整備を進めた結果、パチンコホールの運営方法もマニュアル化の一途をたどっているのです。企業も組織であり、一店長に頼るような運営方法は非効率であることは明らかと言えるでしょう。
転職サイトを利用した人の話を総合すると、しっかりと店長業務が明確化された上で、基本パターンを基礎から教わる形が良い結果に繋がっている事例が目立っていました。
3.ノウハウの共有とマニュアル化
とは言え、経験値の高い店長の技術や論理もまた貴重で得難いものがあります。むしろこの蓄積を成長過程の人に伝え共有するシステムや環境を作ることが大切ではないでしょうか。
最近は様々な情報ツールや、各種セミナーなどで店長業務について学ぶ機会が多くあるため、知識を得たことで自分は店長業務ができると判断する人が多く見られます。それも正しい部分はありますが、やはり店長業務が未熟なために誤った結果に繋がる場合多く見られます。
やはり、豊富な経験で得られた知識や技術は、出来るだけマニュアル化して社内教育に活かすことが企業や社員の成長には欠かせないでしょう。先ずはしっかりしたマニュアルを作り、それに従って基礎を覚え、そしてある一定の成果を出すことができた時に、初めて自分のやり方にチャレンジする。これこそが、最良の成果を出すために必要な行動ではないでしょうか。
一子相伝ではなく「情報の共有」こそが、個人も企業も成長するためのキーワードとなりえるのです。
4.パチンコ店営業は「許可営業」
パチンコ業界は「許可営業」であることは誰もが知っていることと思いますが、この業態が特別なものであることを深く認識すべきです。一人の店長の誤った行動が、店舗そして会社への大きな損害となり、営業停止や許可取り消しに繋がるケースは過去に何度も起きています。ですから、パチンコ企業が過去から学んだ経験則を踏襲し、しっかりと次の代へ伝えていくことも店長として重要な役割になります。
今一度、自分自身の業務を振り返り、隙が無いか点検確認してみてはいかがでしょうか。