人は続きが気になる!?|マーケティングに役立つ行動心理学
パチンコ店の仕事・スキル 2020/2/27

皆さんは“昨日の夜、何を食べたか思い出せない”なんてことはありませんか?
「そういえば、なんだったっけ…?」
これは歳を取ったから思い出せない、というよりも“終わったことは記憶に残りにくい”という心理現象で、興味関心、「執着」の度合いともいえるかもしれません。
この料理絶対食べたいなと思って、食べられなかった場合、その料理をすぐに思い出すことができるはずです。
これが典型的な「ツァイガルニク効果」です。
【人は未達成や中途半端な事柄のほうが、達成できた事柄よりもよく覚えている】というもの。もっと簡単に言えば、「続きが気になる」現象、あるいは「最後までやり遂げたい気持ち」とも言えます。
興味を持った物事について、人は達成するまで記憶に留めますが、達成すると途端に記憶が薄れてしまいがちです。前日食べたものは「達成」しているので覚えている必要はありませんが、まだ食べていないスイーツは「未達成」ですから、逆になかなか忘れることが出来ないのです。
この心理現象は、ドイツの心理学者クルト・レヴィンが唱えた「人は目標に向かっている時は緊張感が生まれるが、目標が達成されると緊張感は解消する」という仮説から生まれました。
この仮説を、旧ソビエト(現ロシア)の女性心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが実験で証明したので、彼女の名前を取って「ツァイガルニク効果」と名づけられました。「Zeigarnik(ツァイガルニク)」別名ザイガニック効果とも呼ばれています。
ツァイガルニク効果は、マーケティングでの応用しやすいのも特徴なので、応用例は豊富です。
■予告(焦らす)
テレビなどの「連続ドラマ」では、この効果をよく利用しています。
まず各話はどれも、最後の展開を「この後どうなる?」という、続きが気になる形で終わるように作られています。最後の次回予告も同じですが、ドラマによっては一切次回予告が無いものもあり、これも「情報を出さない」という形で、同様の効果を狙っているのです。
パチンコホールでも、新機種情報やサービス情報を「小出し」にして読んだ人を焦らすと、強い印象を残すことが出来ます。
■無料サービス
「電子書籍」販売などでは、いわゆる「無料購読」部分を作って集客しています。小説なら最初の数十ページ、マンガなら最初の1巻を無料で読んでもらうことで、「続きを読みたい」という気持ちを引き出して購入を促すのです。
店舗では実機や物品による無料サービスは難しいですが、店舗独自のサービス(USB充電、Wifi、無料傘etc)の充実は来店動機に繋がります。
■中途半端
人は中途半端な状態にされると強い記憶や印象を持つので、仕事をわざと「キリの悪いところで終わる」ようにすると、継続時も集中力が持続しやすいのです。
テレビでも、あえて良いところでCMが入るのはこの効果を狙ったもの。
パチンコホールでも、告知物の内容を敢えてキャッチコピーのみなど詳細を掲載しないようにすると、逆にお客の興味と強く引くことができそうです。
■未完成
ブログなど記事を読んでもらうサイトでは、PV数を上げるために、記事では1つのテーマだけで完結させずに最後の方で、読み手にとってさらに興味を引くプラスアルファな事柄を紹介しています。敢えて文章を未完の状態にすることで「気になる」ようにしているのです。
パチンコホールでも、新機種導入を紹介しながら、最後にはプラスアルファの機種やゲスト情報などを匂わせると興味が高まるのではないでしょうか。
■疑問
伏字によって読み手の頭に疑問を喚起させ、「もっと続きを見たい、内容を知りたい」というツァイガルニク効果を生み出します。
現状、この方法はホール営業では難しいかもしれませんが、強く煽らなければ、内容によっては可能ではないでしょうか。
このように、ツァイガルニク効果の例は数多くあります。特性を活かして、効率の高いマーケティングを実現させましょう。
ちなみに、モテる人、ナンパがうまい人はこの心理効果を巧みに利用しているんでしょうね。まぁ、私は「不器用ですから」な人側なので無理ですが・・・