業界が大好きな数字「7」に迫る
パチンコのユルイ雑学 2020/9/22
パチンコに関わる数字で一番使われる数字と言えば、誰もが「7」を挙げるでしょう。
7は、昔からパチンコではもっとも“優遇”さている数字ではないでしょうか。
パチンコの大当りは「777」、パチスロのビッグボーナスも「777」のパターンが主流です。しかもパチスロのリールは例外を除けば、数字は7しかないですよね。
数字は0~9まで10個あるのにも拘わらず、パチンコ業界はやたら「7」推しです。
これはいつからのことなんでしょうか??
戦後間もないパチンコ機を見ると、特に数字にこだわった機種は見られません。
そもそも「7」が登場したのはデジパチ(セブン機)が発売された1980年以降ですからです。
それ以来だとしても歴史的には40年ほどしか経っていません。
でも、最初に採用された大当り数字が「7」だったわけですから、開発者はもとより日本人の中に、数字の7に対するイメージが既に「幸運の数字」となっていたのではないでしょうか。
しかし、もともと日本では「8」という数字が良いとされたきました。
漢字で書くと「八」で、形が下に向かって広がっていることから「末広がり」として幸運の数字とされてきたのです。江戸期までに定着した文化の多くは古代中国からの影響が多く、数字や暦などは特に陰陽道の影響は大きいものがあり、太陰暦(太陰太陽暦)を採用していたのです。
その一方で、明治以降は暦に西洋の「太陽暦」(グレゴリウス暦。明治6年より)を採用するなど西洋の習慣にも大きな影響を受けました。数字に関する事で言えば、「7」はまさに西洋の影響が大きいようです。
例えば、私たちの身近にある「一週間」はまさにそれで、日曜日から土曜日までのいわゆる「七曜制」は、遡ればなんと古代バビロニアが発祥とされています。
七曜は「天体」の動きを捉えて出来たものですが、古代は「天動説」でしたから現在とは天体の並び順が違い、月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星の順に並んでいると考えられていました。
なぜそこから現在の七曜の順番になったかは諸説あり不明ですが・・・
ちなみに日本でも平安時代に「曜日」は伝わってきていて、現在の「六曜」(大安、仏滅など)がそれにあたります。しかし、七曜制は江戸期以前には定着しませんでした。
余談ですが、週の始まりは何曜日だと思いますか?
カレンダーでは、日本は明治期以来「月曜日or日曜日」両方の表記があり統一されていません。現在はJIS規格では月曜日とされていますが、それとは別に金土日を週末と捉える考え方が定着しており、カレンダーも月曜日始まりが主流となっています。
国際規格「ISO 8601」(日付と時刻の表記に関するISOの国際規格)でも月曜日とされていますが、カレンダー表記は実は国によって様々で、アメリカは日曜日から、フランスは月曜日からなど統一されていないようです。
さて、「7」は天体以外にも広くみられるもので、「7つの海」「7つの大陸」「7つの大罪」など多様にあります。起源は天体からかもしれませんが、西洋の思想が明治期以降に日本においても一般に広まった影響があるようです。
「7」は日本人の生活にかなり影響を及ぼしたわけですが、パチンコの「7」は、野球の「ラッキーセブン」から来たという説が有力です。
9イニング制で行われる野球では、7回に試合が動く場合が多いという伝説があります。これは先発投手の力が弱まる5、6回以降に印象的な逆転劇などの場面が多くなるためです。
「ラッキーセブン」は言葉として使いやすいため、それに合わせてマスコミが広めたのではないでしょうか。日本人にも馴染みやすい「7」を軸にストーリーを書けば理解しやすいし印象に残ります。
野球解説でもそうした話がよく出ますが、実際の統計データでは特に「7回」に数値的な偏りはないそうです。
なお語源については、1885年9月30日のシカゴ・ホワイトストッキングス(現シカゴ・カブス)の優勝がかかった試合での7回の決勝ホームランが、「ラッキーセブンス」(幸運な第7回)と呼ばれ、以降「ラッキーセブン」の語源とされています。
流行に敏感なパチンコ業界のメーカーが、「セブン機」の登場時に全盛時代を迎えていたプロ野球の流行語である「ラッキーセブン」を採用したとしても、元々幸運の数字として人気№1の「7」ですから、それは自然なことだったのかもしれませんね。