パチンコ業界からの転職は不利か
パチンコ市場規模・動向 2020/10/29
パチンコホール正社員から他業種への転職の動きは、2013年頃から活発になっており、直近1年の希望転職先の構成比(当サービス利用者)では「他業種第一候補」が約6割となっていました。
なお、他業種を第一候補とした人の約8割が「転職がうまくいっていない」といったような相談内容です。そして残りの約2割は「自身の経験スキルはどのように生かせるか、どのような選択肢があるか」といったような相談内容で、そのような人はキャリアビジョンがあり、転職後もうまくいっているケースがほとんどです。
現状で経験スキル不足であれば業界内に留まり、資格取得を目指す、外部セミナーに参加するなど、自己啓発に努めている方もいます。
「パチンコ業界出身だから不利」ということではない
25年以上にわたり、パチンコホール正社員の転職支援、キャリア支援を行ってきましたが、「パチンコ業界から他業種への転職は不利なのか」という問いに対しては「パチンコ業界の出身だから不利ということではない」ということと「転職市場の状況により難易度は変わる」という2つの回答になります。
冒頭の「8割がうまくっていない」ということと、矛盾していると感じるかもしれませんが順を追って説明していきます。
新型コロナが全国に蔓延する以前の特に直近3年くらいは人手不足から増員を目的とした未経験歓迎の求人はかなり目立ち、「転職すること自体」の難易度は「パチンコ業界出身だから」と悲観するようなものではありませんでした。「他業種へ転職する」という点においてはむしろ追い風の市況感であったと感じています。
ですから、他業種への転職自体の難易度はそこまで高くなかったということです。
「選考が通らない」といった相談の増加
しかしながら、転職後うまくいくかどうかは別問題で「再度転職したい」という相談は本当に多いのです。
一方で、新型コロナウイルス以降は「選考が通らない」といった相談が増えています。
様々な業種が影響を受け、求人数が減少していることと、求職者ひとりあたりの求人数が低下し、競合性が高まっていることが要因として挙げられます。このような状況下でも採用を止めずに継続している企業は「人に投資できる余力がある状態」ともいえるわけで、応募も集まりやすいから尚更です。
また、増員を目的としているというより「即戦力が期待できる人材との出会い」を求めている場合は選考難易度が高い傾向です。
転職で求められる「即戦力」
多くの候補者の中から選択する際の判断は、これまでの職務経験や実績などに対し、採用企業が「採用目的・背景」や「ミッションへ貢献できそうか」などの期待が得られるかどうかです。簡単にいえば「即戦力として活躍できそうか」が問われます。
基本給が低く、何色にも染めやすい20代半ばくらいまではポテンシャル採用されるケースはありますが、20代後半から30代、40代と年齢が増すほど相応の経験スキルが必要となり、転職の難易度も段々と高まるというわけです。
ただし、この条件は「パチンコ業界からの転職」に限ったことではなく、転職自体に求められることで、「パチンコ業界からの他業種転職が特別に難しい」というわけではないのです。