消えた「大当り確定」の文字
パチンコのユルイ雑学 2020/12/15
機種説明書や小冊子などでパチンコやパチスロの演出をチェックした時、アツい演出にはよく「要注目」とか「大当り濃厚」といった表現を見かけるかと思います。
演出の中には出現した時点で大当りになるパターンも含まれているはずですが、現在では「大当り100%」や「大当り確定」といった文字が無いことに気付いた人はどれくらいいるでしょうか。それどころか、以前は見かけた「激アツ」の文字すら最近は見かけけることが無くなっているのです。
かつては「大当り100%」や「大当り確定」といった表現は、機種説明書や小冊子などに普通に記載されていました。
しかし、2000年代に入った頃から徐々にその記載が見られなくなり、代わって「大チャンス」や「大当り濃厚」などといった表現に代わって現在に至っています。
こうした状況に至った理由はいくつかあるのですが、その始まりは実は「クレーマー対策」からでした。
目立ち始めたのは、パチンコ業界では90年代のCR機が出た頃あたりからです。ちょうど1995年に「製造物責任法(PL法)」の施行があり、消費者への責任の所在の一端が明確になった時期でもありました。こうした人達はパチンコファンの中にも以前から一定数存在していたんですね。
「大当り100%の演出がハズれた」「スーパーリーチが〇回連続はずれるのはおかしい」といったクレームが多かったようです。
メーカーとしても対応していたようですが、クレームの電話は次第に業務に支障が出るほど増えしてしまい、とうとう取材するメディアに対して「大当り確定」という表現は避けるようにという通達が出るようになったのです。
以来、機種説明書や小冊子などから「大当り100%」「大当り確定」といった表記が徐々に消えていくわけですが、メーカーやメディアにおいて温度差があり、こうした表記は完全には無くなりませんでした。
そうした状況の中、さらに「イベント規制」が追い打ちをかけたのです。
メーカーやメディアによっては「激アツ」「大当り確定」など、ファンを煽るような文言はまだまだ残っていたのですが、4号機以降のパチスロやパチンコの射幸性規制、また店舗の集客イベントや広告なども年を追うごとに規制が厳しくなり、2011年の「イベント広告規制」によって完全になくなった印象があります。
大当りの確定的な表現、大当り期待値や大量出玉を連想させるような表現はもちろん、画像にも指摘が入り次々と使用禁止になっていきました。
現在では、確定表記、期待値表記をしないことはメーカーとメディアで暗黙の了解となっています。
始めはクレーム対策だった表現の自主規制が、いつしか射幸性抑制の広告規制と結びついた結果が現在の状況といえるかもしれませんね。