パチンコに関わる「業界団体」どれくらいあるのか?(前編)
パチンコのユルイ雑学 2021/1/28
皆さんは、パチンコ関連の記事やニュースに登場する様々な「業界団体」や「関連団体」についてどれくらい知っていますか?
有力団体から関連団体まで含めるとそれこそ3桁を超えそうですが、全ては知らなくても業界に携わるなら知っておいた方がよい団体がいくつかあります。
そこで、今回はパチンコに関わる「業界団体」についてご紹介しましょう。
業界人なら覚えておきたい主要6団体
パチンコ業界には主な団体だけでも20を超えますが、その中心的な団体は「主要6団体」と呼ばれる組織です。
①全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)
②日本遊技機工業組合(日工組)
③日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)
④日本遊技関連事業協会(日遊協)
⑤全国遊技機商業協同組合連合会(全商協)
⑥回胴式遊技機商業協同組合(回胴遊商)
この6団体は、業界の「ホール」「メーカー」「販社(商社)」それぞれの代表的団体ですが、④の日遊協だけは、それらを含めた業界関連企業が混在する横断的な組織となっています。
また、どの団体も業界に大きな影響力があるので、業界ニュースから個人のブログ等までその名前は頻繁に登場します。覚えておくとニュースの理解も早まるでしょう。
①全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)
1992年(平成4年)に設立された、全国のパチンコホール組合です。
通称・略称は「全日遊連」(ぜんにちゆうれん)。
業界人が「全日」と言ったらこの団体です。プロレス団体と間違えないようにしましょう!
以前存在したパチンコホールの全国組織「全遊連(協)」(平成2年解散)の後継組織で、全国パチンコホールの約95%が加盟しており、パチンコ業界を代表する団体です。
また「日工組」「日電協」「日遊協」と並ぶ、業界の監督官庁である警察庁の最大窓口でもあります。
②日本遊技機工業組合(日工組)
昭和35年(1960)設立のパチンコ遊技機等製造メーカー35社で構成する組合です。
通称・略称は「日工組」(にっこうそ)。
パチンコメーカーのほぼ全てが加盟しており、パチンコ台に貼付する組合証紙及び製造番号票の発給や機械内規(機種のゲーム性や構造などの法規則)の警察との調整も行います。
③日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)
1980年(昭和55年)に設立された、パチスロメーカーの組合です。
組合員は21社(令和元年10月現在)、賛助会員は12社(令和2年12月現在)。
通称・略称は「日電協」(にちでんきょう)。
パチスロメーカーの有力企業が加盟しています。また、新台の証紙発行もしています。
しかし、2015年にユニバーサルエンターテインメントが脱退するなど(※1)、非加盟のメーカーも多く存在していますが、ユニバ以外の非加盟メーカーの多くは新機種発売を数機種で活動停止、ないし不定期に発売するところが多い状況です。
(※1)2020年にミズホ、ユニバ以外の系列メーカーが賛助会員として加盟。メーシーは脱退していないため組合員として加盟中。また、ミズホ、メーシーは日工組にも加盟している
④日本遊技関連事業協会(日遊協)
1989年(平成元年)に設立された、業界の横断的組織です。
組合員は381社(正会員301社、賛助会員80社)と5団体(令和1年1月31日現在)。
通称・略称は「日遊協」(にちゆうきょう)。
ホール、メーカー、商社など業界関連企業と業界5団体(「日工組」「日電協」「全商協」「回胴遊商」「同友会」)が加盟しており、様々な活動を行っています。
同会が実施している「店長・管理職能力開発講習・試験」や「遊技機取扱主任者講習・試験」は業界ではよく知られています。
⑤全国遊技機商業協同組合連合会(全商協)
1989年(平成元年)に設立された遊技機販売商社の組合です。
前身は1960年(昭和35年)に設立された「全国遊技機商業組合連合会」(全商連)。
所管官庁は経済産業省です。
会員である商業協同組合は、北海道、東北、東日本、中部、関西、中国、四国、九州と全国に8組合あり、所属組合員数は約950社もあります。
遊技機販売業者の業界を代表する団体で、確認証紙(中古用)の発給も行っています。
⑥回胴式遊技機商業協同組合(回胴遊商)
1998年(平成10年)に「回胴式遊技機商業協同組合」として発足。前身は1994年(平成6年)に設立された「回胴式遊技機販売商業会」です。
所管官庁は令和2年10月1日より東京都(産業労働局)になりました。
主にパチスロ機を販売する業者で組織された事業協同組合です。
パチスロの「確認シール」(確認証、確認証紙)や「回胴遊商確認証紙」(認定申請用、中古用)などの発行事業をおこなっています。
この他にも以下のような団体があり、様々な活動をおこなっています。
⑦全国遊技機組合連合会(全機連)
⑧全関東遊技業組合連合会(全関連、全関東連)
⑨保安通信協会(保通協)
⑩遊技場自動補給装置工業組合(補給組合)
⑪遊技場自動サービス機工業会(自工会)
⑫遊技場メダル自動補給装置工業会(メダル工業会)
⑬MIRAIぱちんこ産業連盟(※2)
⑭日本遊技産業経営者同友会(同友会)(※2)
⑮パチンコチェーンストア協会(PCSA)(※2)
⑯パチンコ・パチスロ産業21世紀会
⑰余暇環境整備推進協議会(余暇進)
⑱電子遊技機工業協同組合(電遊協)
⑲プリペイドシステム協会(PSA)
⑳遊技機運送事業協同組合(遊運協)
㉑東京都遊技業協同組合(都遊協)
㉒愛知県遊技機材料協同組合(愛材協)
㉓電子認証システム協議会(認証協)
(※2)2020年10月に「日本遊技産業経営者同友会(同友会)」と「パチンコチェーンストア協会(PCSA)」が合併して「MIRAIぱちんこ産業連盟」が設立された。
関連や下部組織を含めればもっとありますが、ここまで知っていれば立派な業界人ですね。
■あまり知られていない業界の有力な団体
主要6団体の他にも、一般には知られていないものの業界に影響力のある団体があるのでご紹介します。
⑦全国遊技機組合連合会(全機連)
1965年(昭和40年)に設立された遊技機メーカーと商社等の全国組織。前身は1960年(昭和35年)に設立された「全国遊技機商工協議会」(全商工)。
通称・略称は「全機連」(ぜんきれん)
遊技機(パチンコ、パチスロ)、部備品組合、玉・メダル補給組合で構成された5組合と遊技機販売業者で組織された組合などを統括しています。
他の団体と違い、一般、社団といった法人格を持っていません。
しかし、全機連には「日工組」をはじめ「日電協」や「愛材協」「全商協」傘下組合の他、「回胴遊商」「補給組合」「自工会」「メダル工業会」「認証協」「PSA」が加盟しています。
⑧全関東遊技業組合連合会(全関連、全関東連)
関東管区警察局(※3)所管の1都10県のパチンコ組合で組織する任意団体です。
近年は独自に「全関東ファン感謝デー」なども開催しています。
参加県は、東京都、神奈川県、静岡県、千葉県、茨城県、埼玉県、群馬県、栃木県、山梨県、長野県、新潟県で、組合員ホールの数が断然多く、全国組織である「全日遊連」の中でも存在感があります。なお東京都遊技業協同組合(都遊協)は2015年に参加しました。
2019年には第31回の総会が開催されています。
(※3)東京都を除く関東地方(茨城県警察、栃木県警察、群馬県警察、埼玉県警察、千葉県警察、神奈川県警察)及び、新潟県警察、山梨県警察、長野県警察、静岡県警察の10県警が管轄。
後編に続く