パチンコ業界の大手企業
パチンコ市場規模・動向 2020/12/24
転職先や就職先を探していくうえで「どのような企業を選択するか」は極めて重要なことですが、近年特に多いのが「大手希望、大手志向」です。
背景として、景況感に対する不安から「安定性」を強く求める傾向で、「大手ならこの先も安心」というイメージが強いのです。
今日も明日も1年後も数十年後も安定的に収入を得て安定した暮らしを実現させたい、と思うのはある意味当然のことでしょう。
では、パチンコ業界における大手とはどのような企業を指すでしょうか。
パチンコ業界における大手企業とは?
そもそも「大手企業」とは一般的には「各業界の中で規模や知名度において上位に入る企業のこと」を指します。これをパチンコホールにあてはめると
・店舗数がトップクラス
・売上高がトップクラス
・全国的に知名度が高い
このようなことから考えていくと、㈱マルハン(店舗名:マルハン)、㈱ダイナム(店舗名:ダイナムなど)は間違いなく大手に位置付けられでしょう。
そして近年成長著しいアンダーツリーグループ(店舗名:キコーナなど)も今では大手に該当しそうです。
ちなみにこの3社は店舗数、売上高ともに業界TOP3となっており、全国的に店舗を展開していることも含め「大手」と呼ぶに相応しいのではないでしょうか。
大手の定義は法的に定められているわけではなく、人によって大手と位置付ける企業は変わってくるとは思いますが、個人的にはこのようなイメージです。
確実にいえることは「大手企業というのはそう多くはない」ということでしょうか。
ちなみに、「大手」以外のホール企業のカテゴリイメージは以下のような感じです。
【大規模企業】
パチンコホールにおける「大規模企業」を「20店舗以上展開する企業」と定義すると、全国58社(2019年時点)で、パチンコホール企業全体における「大規模企業」の割合は2.1%となっています。
【中規模企業】
パチンコホールにおける「中規模企業」を「10店舗以上20店舗未満の企業」と定義すると、全国133社(2019年時点)で、パチンコホール企業全体における「中規模企業」の割合は4.8%となっています。
このようにカテゴライズしていくと10店舗未満の企業が「小規模企業」ということになりますが、パチンコホール企業全体における割合の93.1%を占めているのです。
パチンコ業界が、如何に小規模企業で成り立ってきたか、ということがわかるかと思います。
ちなみに、一般的にいう「大企業」とは、資本金または従業員数が法律で規定された「中小企業」よりも大きい場合に該当し、日本の企業全体における大企業の割合は1%程度と、極めて少ないというのが現実です。
<法における中小企業の定義>
・卸売業…資本金1億円以下、または従業員100人以下
・サービス業…資本金5,000万円以下、または従業員100人以下
・小売業…資本金5,000万円以下、または従業員50人以下
・その他の業界…資本金3億円以下、または従業員300人以下
パチンコホールの場合は「サービス業」になると思うので、資本金5千万円以上または従業員数100人以上のホール企業が大企業に該当する、とうことになります。
従業員数からみたパチンコホール大企業の一例をあげると
・㈱延田エンタープライズ(店舗名:123など)従業員数/3,720人名
・NEXUS㈱(店舗名:D’STATIONなど)従業員数/2,520名
・㈱ガイア(店舗名:ガイアなど)従業員数/2,555名
・㈱タイラベストビート(店舗名:ワンダーランド)従業員数/1,000名
・浜友観光㈱(店舗名:楽園)従業員数/940名
・㈱キング観光(店舗名:キング観光など)従業員数/850名
・㈱善都(店舗名:ZENT)従業員数/1,091名
などが該当しますが、2019年時点でのパチンコホール1店舗(平均435台)あたりの総従業員数は22.1人だったので、5店舗以上展開する企業はもれなく「大企業」に該当することになります。
なのでパチンコホールの場合は「資本金」でも大企業か中小企業なのかを判断すべきとは思いますが、転職先・就職先としてパチンコホール企業を選択していくうえで「資本金」を重視する人はほとんどいない、というのが現状です。
資本金は「会社の体力」を表す指標のひとつでもあるので、もう少し気にしてもよいかもしれませんね。
今回、何をお伝えしたかったのか、というと
・大手企業というのは少ない
・大規模企業、中規模企業も少ない
世の中のほとんどの会社が中小零細(パチンコ業界でいう小規模)である、ということ。
大手だから安心、大規模だから安心ということでもない、ということ。
中小零細でも有力な企業はある、ということです。
安定性を求める経緯や心理は理解できますが、「知名度」や「規模感」ばかりに目を向けるのではなく、個社それぞれの価値観や特徴、ビジョンや方向性にしっかり目を向けて企業を選択されることをおススメします。