「成年年齢18歳」パチンコ市場への影響は?
パチンコのユルイ雑学 2022/2/22
成年年齢(成人年齢)が、2022年4月から18歳に引き下げられます。これまでは20歳が成年年齢でしたが、約140年ぶりに見直されるのです。
これによって何が変わるのか、私たちの暮らしにどのような影響があるのか、そしてパチンコ業界への影響は…?
今回は成年年齢の引き下げについて調べてみました。
1.「成年年齢」はいつから変わるの?
『18歳で成人』
明治時代から日本での成年年齢は20歳と民法で定められてきました。
この民法が約140年間ぶりに改正され、2022年4月1日より成年年齢が20歳から18歳に変わります。
これによって、2022年4月1日に18歳、19歳の人は2022年4月1日に新成人となります。
現在、未成年の人は、生年月日によって新成人となる日が次のようになります。
【新成人(新成年)の生年月日】
生年月日 | 新成人となる日 | 成年年齢 |
2002年4月1日以前生まれ | 20歳の誕生日 | 20歳 |
2002年4月2日から2003年4月1日生まれ | 2022年4月1日 | 19歳 |
2003年4月2日から2004年4月1日生まれ | 2022年4月1日 | 18歳 |
2004年4月2日以降生まれ | 18歳の誕生日 | 18歳 |
2.国際的には18歳成年が主流
世界的にはイスラム圏やアフリカ圏などを除くと、18歳成年が主流のようです。
以下はOECD(経済協力開発機構)加盟国の成年年齢です。
・18歳成年
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国、イギリス、イスラエル、イタリア、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、メキシコ、ラトビア、ルクセンブルク
・19歳成年
韓国
・20歳成年
日本、ニュージーランド
3.18歳成年で変わること、変わらないこと
さて今回の改正によって、いったい何に影響があり、どんなことが出来るようになるのでしょうか?
またこれまで通り変わらず出来ないこともあるのでしょうか?
主なものをまとめてみました。
【出来るようになる事】
①親の同意が無くても契約できる
民法が定めている成年年齢は、「一人で契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があります。
成年に達すると、親の同意を得なくても自分の意思で様々な契約ができるようになります。
例えば、携帯電話を契約する、一人暮らしのアパートを借りる、クレジットカードをつくる(支払能力により、クレジットカードの作成ができないことがあります)、自動車など高額な商品を購入したときにローンを組むことなどが出来るようになります(返済能力を超える場合など、契約できないこともあります)。
「親権に服さなくなる」とは、未成年の場合は親の同意が必要ですが、成年に達すると親の同意が必要なくなる事を意味します。
そのため、こうした契約が一人でできるようになります。また自分の住む場所、進学や就職などの進路なども自分の意思で決定できるようになります。
②各種証明書や資格の取得ができる
例えば「10年有効パスポート」の取得や、公認会計士や司法書士などの国家資格に基づく職業に就くこと(資格試験への合格等は必要です)、家庭裁判所において性別の取扱いの変更審判を受けることなどについても、18歳でできるようになります。
③女性の結婚年齢が18歳からに
女性が結婚できる最低年齢は16歳から18歳に引き上げられます。
これにより、結婚できるのは男女ともに18歳以上となります。
以上の他にも「帰化要件」や「社会福祉主事資格」「人権擁護委員・民生委員資格」なども18歳に変わります。
【これまで通り出来ないこと】
一方、成年年齢が18歳になっても、『飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限は、これまでと変わらず20歳』です。
この他にも「大型・中型自動車免許の取得※」「猟銃の所持の許可」「国民年金の被保険者資格」「養子を迎える」などもこれまで通り20歳からのままです。
※普通自動車免許はこれまで通り18歳から
4.パチンコ店への入場や遊技については条件に変更なし
パチンコは風営法で規定されていますが、今回の成年年齢変更の影響はないようです。
これまで通り18歳未満(17歳以下)の人は遊ぶことができませんし、18歳になったとしても、現状「高校生」は地域の青少年健全育成条例等で規制されていますので遊技は不可、店舗への入場も出来ません。
なお、地域の青少年保護育成条例については、各自治体によって一部文言変更などが検討されているようですがパチンコ店への入場規定に変更はないようです。
5.成人式はどうなるの?
成人式に関しては、法律による決まりはありません。各自治体の判断で成人式は実施されており、多くの自治体では1月の「成人の日」前後に開催し、その年度に20歳になる人を対象にしていました。
今回、成年年齢が18歳に引き下げられるため、今後は対象が18歳の人に変わると思われますが、2022年度(2023年1月)の成人式に関しては、18歳、19歳、20歳の3世代同時に実施するのかなど、いくつかの課題が指摘されています。
政府では成年年齢引下げを見据え、関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめ情報発信をしています。
その詳細等は法務省ホームページで掲載されていますので、この内容も確認してみるのも良いでしょう。