ITパスポートとは
転職雑記 2023/1/12
最近は多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを強化しています。
そこで注目されているのが「ITパスポート」。
情報処理やITエンジニア向けと思われそうな資格ですが、DX時代に入り企画やマーケティング、営業、生産、経理、人事など様々な部門でデジタルの導入が進む中、あらゆる職種の人にITの知識・リテラシーが求められるようになってきています。
1.ITパスポートは国家資格
「ITパスポート」は、ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験です。略して「iパス(アイパス)」とも呼ばれます。
ITの必要な基礎的能力を有していることを国が証明する試験(パスポート)として「ITパスポート」は誕生しました。
2009年からスタートしている比較的新しい資格で、令和3年11月の時点で総応募者数が100万人を超えています。
受験資格は特になく、誰でも受けられる試験です。受験者の半数は20代ですが、10代や40代以上でも多くの人が受験しています。
また、社会人受験者の約8割は「非IT系企業」の出身者が占めています。
試験の範囲も幅広く、次のような項目があります。
●テクノロジ系
情報理論や計算機科学に関する基礎理論のほか、アルゴリズムとプログラミング、コンピュータシステムからヒューマンインターフェース、ネットワーク、セキュリティなどの知識が幅広く求められます。
●マネジメント系
プロジェクトのマネジメントやサービスマネジメントなどについて問われる分野です。
また、システム開発技術やソフトとウェア開発の管理技術なとも問われます。
●ストラテジ系
システム戦略や企画、経営マネジメント、技術戦略マネジメントなどのほか、企業活動や法務、経営、そして企業のシステム戦略について問われる分野です。
試験内容がテクノロジ系の問題だけでなくマネジメント系の問題とストラテジ系の問題もあり、IT系の試験ではあるものの商業知識も求められます。
試験合格率は例年40~50%ほど。情報処理技術者試験の中でもっとも難易度が低い「入門レベル」の資格とされています。
2.転職でのメリットとデメリット
[メリット]
●プラスアルファの評価
DXが進む中、一般労働者にもITの知識・リテラシーが求められるようになってきています。
ITテクノロジーからマーケティング・経営戦略など、幅広い分野の基礎知識を有している事の証明になるITパスポートは、業種・職種、文系・理系に関係なく評価される資格です。
転職においても、プラスの評価につながる可能性が大きい資格と言えます。
[デメリット]
●アピールし過ぎると低評価の可能性も
ITパスポートを取得することがデメリットになることはありません。
しかし、アピールし過ぎるとマイナス評価を受けてしまう可能性もあります。
なぜなら、ITエンジニアにとっては「知っていて当然」の内容のことばかりだからです。
IT資格として難易度が低いため、履歴書などで強くアピールするのは得策とは言えません。
むしろさり気なく記載して、ITリテラシーも持っていることをアピールする方が効果的と言えるでしょう。
3.ITパスポート取得を転職活動に活かすには
ITパスポートは、使い方によって選考で効力を発揮する可能性があります。
●ITリテラシーをアピールできる
これからIT化を進めていく企業も少なくありません。ITパスポートを取得している応募者であれば、「ITに抵抗感がない」と思われるでしょう。
「システム導入時の戦力になってくれるかもしれない」「システム部門の運用担当を任せられるかもしれない」など、期待される可能性もあります。
また、総務・経理・人事といった管理部門職の求人では、ITの知識はプラス評価される傾向が見られます。
経営に近いポジションでも、今後はITの知見がより求められるようになると見込まれます。
●「学習意欲」をアピールできる
面接などでは、「入社後にIT知識を学びます」という応募者よりも、すでに独自でIT知識を学び、資格を取得している応募者の方が高く評価される可能性が大きいと言えます。
●「ITパスポート」を優遇する求人を狙う
転職サイトなどで「ITパスポート」と入力して検索すると、有資格者を優遇する求人がヒットします。
そうした求人を狙う方法もあります。
パチンコ業界も含め、多くの職場でITやDX関連の知識が必要とされる場面はどんどん増えています。
ITパスポートの重要性も大きくなっていると言えそうです。