パチンコ業界の2024年問題

パチンコ市場規模・動向 2023/8/22

政府が進める「働き方改革」は、「働き方改革関連法」を整備して労働環境の改善を促すものです。

しかし、その副作用というべき問題が浮上しています。

それは巷でも話題となっている「2024年問題」で、ざっくり申し上げれば2024年4月の働き方改革関連法施行により、物流・運送業界に発生する諸問題のことを指します。

今回は、2024年問題とパチンコ業界への影響について確認したいと思います。

1.働き方改革関連法

「働き方改革関連法」とは、「働き方改革」の基本を担う「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」のことです。

2018年6月に改正法が成立し、2019年4月から段階的に施行されています。

この法律によって改正される法令は多数あり、主なものだけでも労働基準法、労働安全衛生法、雇用対策法、労働契約法、労働者派遣法、パートタイム労働法などがあります。

今回の「2024年問題」は、「労働基準法」の改正によって『時間外労働の上限が年間960時間』となることに起因しています。

すでに大企業は2019年、中小企業は2020年の4月1日より時間外労働の上限規制が実施されています。

そして今回実施されるのは、例外的に5年間の施行猶予がされていた「自動車運転の業務」「建設事業」「医師」及び「鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業」が対象となっているのです。

2.物流・運送業界の2024年問題

2024年4月1日以降、自動車運転の業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されますが、これだけでは何が問題になるのか見えてきません。

実は、この上限規制に合わせて従来の「改善基準告示」も見直されます。

この改善基準とは「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(大臣告示)のことを言い、より具体的な自動車運転業務の労働基準が示されているのです。

「改善基準告示」の見直しによって、拘束時間、休息時間等の基準は以下のよう改正されます。

主な部分を挙げると…

【1年、1か月の拘束時間】

 

≪現行≫

1年間3,516時間

1か月293時間(最大320時間)

 

≪2024年4月1日~≫

1年3,300時間

1か月284時間(最大310時間)

(例外)

労使協定により次のとおり延長可能(①②を満たす必要あり)

1年3,400時間以内

1か月310時間以内(年6回まで)

①284時間超えは連続3か月を超えない

②1か月の時間外・休日労働の時間数100時間未満

 

【1日の拘束時間】

≪現行≫

13時間以内(上限16時間、15時間超えは週2回まで)

 

≪2024年4月1日~≫

13時間以内(上限15時間、14時間超えは週2回までが目安)

(例外)

宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、継続16時間まで延長可(週2回まで)

 

【1日の休息時間】

≪現行≫

継続8時間以上

 

≪2024年4月1日~≫

継続11時間以上を与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない

(例外)

宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、継続8時間以上(週2回まで)

2024年4月以降は新基準の労働時間がドライバーに適用され、労働時間だけでなく拘束時間や休息時間、運転時間も注意しながら労務管理を行っていく必要がある、ということのようです。

3.労働環境は向上するが…

これまで、トラックドライバーの労働環境は、長時間労働の慢性化という課題を抱えていました。

特にEC市場の急成長による宅配便の取り扱い個数の増加が、長時間労働を常態化させてきたといえそうです。

今回の時間外労働時間の上限の改正は、トラックドライバーの労働環境を良くしようという狙いがあります。

しかし、ことはそんなに簡単ではありません。

一見、物流、運送業界がホワイト化する良いきっかけとなるように思われますが、長時間労働の是正は他方で問題が発生するのです。

一つは、売上、利益が減少する問題です。

規制により1日に運べる荷物の量が減るため、運賃を上げなければ収入が減少してしまいます。

また、中小企業で月60時間の時間外労働が発生した場合には、2023年の法施行により割増賃金率が25%から50%へ引き上げられることから人件費が増加し、利益の減少に繋がります。

もう一つは、労働時間の減少によりドライバーの収入が減少するという問題です。

ドライバーは走行距離に応じて運行手当が支給されるため、本来であれば走れば走るほど収入が増えるのですが、労働時間の規制により走れる距離が短くなる可能性があります。

収入が減少すると離職に繋がる可能性もあり、労働力不足に拍車がかかる恐れがあります。

この影響はパチンコ業界も例外ではありません。

4.パチンコ業界への影響

そもそも、パチンコ、パチスロの運送料金は一般的な運送料金よりも割高です。

一般向けの運送なら1台あたり数千円ですが、ホールへの納品は万単位となるのです。

理由はいくつかありますが、「遊技機の大型化」や「セキュリティ対策」、「深夜搬送」が主な理由です。

セキュリティ対策は搬送中の遊技機への不正や横流しへの対策があり、深夜搬送は新台入替の時間が閉店後になることが多いためです。

新台入替が深夜の場合、ホールの営業終了時刻に遊技機を納品し、撤去台を倉庫まで運ぶ時は長時間拘束となります。

拘束時間も改正されるため、それらをカバーするには人員を増やし、賃金も上げなければならないでしょう。

こうしたことから、遊技台の輸送コストはさらに高騰することが予想されるのです。

その費用を負担するのはメーカーおよびホールになりますが、最終的に「来店されるユーザーにしわ寄せが行く」ことになりかねません。

既に大手運送会社が一部地域での翌日配送を翌々日にしたり、競合他社との協業を発表するなど「2024年問題」に対策を打ち始めています。

パチンコ業界においても、遊技機輸送について2024年問対策は急務となっています。

 

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