幻のタイアップ機??
パチンコのユルイ雑学 2020/8/26
現在では当たり前になっているパチンコやパチスロの版権機種。
機種モチーフは多くがアニメやゲームであり、映画や歌手、ドラマなどもありますね。
どの機種も映像だけでなく楽曲や声優さんの声まで、演出やデザインで扱われる素材全てに著作権があり、各メーカーはコストをかけて機種を製造・販売しています。
ちなみに、業界初の版権機種はSANKYOの羽根モノ「オロチョンパ」(1991年)といわれています。フジテレビ系の深夜番組「ヤマタノオロチ」(1991年)とのタイアップで、河内家菊水丸さんが歌う番組テーマソング「オロチョンパ!」を採用したものでした。
また、最初のセブン機であるSANKYO「フィーバー」は1981年に登場しましたが、その4年前に大ヒットしたアメリカ映画「サタデーナイトフィーバー」(1977)で市民権を得ていた「フィーバー」という言葉をSANKYOが登録商標にしているのは業界では有名な話です。
とういうことで、かつて版権に関してファンの間で「ウワサ」になった幻のタイアップ機(真相は不明)をご紹介します。
その1 「モスラ」1981年
東宝映画の黄金時代を作ったあの「ゴジラ」(初代ゴジラ。映画1954年)、「空の大怪獣ラ〇ン」(映画1956年)に続く「モスラ」(映画1961年)がモチーフと思われるこの機種は、機種名はそのままでさらに役物はそっくりなのでした。
ちなみにこの映画は日米合作です。
「モスラ」はちょっとカワイイ?妖精怪獣という設定(どう見ても巨大な蝶か蛾なのですが…)ですが、双子の美人デュオ「ザ・ピーナッツ」が歌う「モスラの歌」とともに50代以上の人なら記憶に残っているのではないでしょうか。
機種は盤面を見た瞬間に「あ、モスラだ」と見間違うほど役物の形状が似ています。
機種自体はとても秀逸な一般電役(羽根物と一般電役の中間タイプのゲーム性のため、羽根モノと紹介するところあるようです)で、映画の内容の通り保留玉を卵のように抱えるモスラ役物は芸術的な出来栄えでした。
その2 「ラドン8」1982年
やっぱり東宝の怪獣映画「空の大怪獣ラドン」を連想させる機種名が気になります。
役物の形状は羽ばたく鳥ですが、こちらは似てません。でも、役物が羽ばたく鳥、そして機種名が…。これをどう解釈するかはあなた次第です。
ちなみに大当りすると「ピキュキュキュ、ピキュキュキュ」と超個性的で大きな電子音が鳴るので、店外にいても「あ、ラドンの大当り音」と分かるくらいでした。
その3 「エレックスD-51」1984年
これはもう盤面を見た瞬間に「それ」にしか見えないほどの素晴らしい出来栄え。
あの人気マンガ「銀河鉄道999」(1977~1981年「週刊少年キング」連載、テレビアニメ1978~1981年。分かる人は40代以上でしょうか)に登場する謎の美女「メーテル」風な女性が盤面に、しかも役物は機関車。
盤面に描かれている空に向かって浮かぶような線路はもう説明するまでも無い設定なのですが、機関車はあくまでマニアにはお馴染みの「デゴイチ=D51」という解釈みたいです。
いやいや、999でしょ、メーテルでしょっ、てなりますよコレは・・・。
その4 「ベースボール」1986年
こちらはオーソドックスな羽根モノで、見た目は問題ないはず……あ、羽根部分の二人のバッターの顔がONと呼ばれた読売ジャイアンツの伝説の野球選手O氏とN氏のお二人(ONという言葉はもう死語でしょうけれども敢えて…)にそっくりではないですか。
さらに盤面のデザインもまたONそっくりのキャラクターが描かれています。
しかし、こちらはさすが物議があったらしく、すぐに同名の「ベースボールPARTⅡ」に変更され、役物も盤面デザインも類型的なデザインに差し替えられました。
ちなみに現在動画で見られるのは変更後のPARTⅡです。
その5 「魔界組」1989年
ホール登場は平成元年。役物のキャラクターの動きとV入賞の動作が秀逸で継続性も高く人気機種となりました。
しかし、その役物キャラ(盤面デザインにも描かれています)は1985年公開の香港映画「霊幻道士」に登場して人気を集めた「キョンシー」にそっくりです(帽子にお札が張っていなだけ?)。
「キョンシー」に版権があったかどうかは不明ですが、機種名もカプコンが1985年に発売したアーケード用横スクロールアクションゲーム「魔界村」を思い出させるなど、かなりの出来栄えで個人的に大好きな機種でした。
いずれもあくまで版権について「ウワサ」になった機種であり、著作権の詳細は伝わっていないということをお伝えしておきます。
どの機種も動画で見ることができるようなので、ぜひチェックしてみてください。おおらかな時代の古き良きパチンコが見られるはずです。