業界での経験を整理し、自己理解を深める
転職雑記 2016/12/22
パチンコ業界で転職活動をしている20代の方が、次のようなことを言っているのをよく耳にします。
一つめは「履歴書の中で志望理由がうまく書けない」ということ。
二つめは「自己PRと言えるほどのものがない」ということ。
このような点で悩む20代の転職希望者はとても多いのです。特に二つめは、自分に自信を持つことができず、面接でしっかりアピールできないどころか、転職活動におけるフットワークやモチベーションにも悪影響が出るほど、大きな問題になってしまいます。
自分自身を客観的に見ることは大変難しいものですが、誰にでも「個性」「魅力」「長所」といったものは必ずあり、それを求人企業にアピールすることで転職の成功に一歩近づいていくのです。
今回は、様々なことに悩みながらも転職を果たした20代の方の実例を通して、自己分析することの大切さを学んでいきましょう。
1.業務内容を振り返ると何かが見つかる
かつて、私が転職をサポートした20代後半の主任・Aさんも「志望理由が書けません」「自己PRが思い浮かびません」と言い、自信がなさそうに見えました。
そこで、パチンコホールで主任として働く中ではどのような業務を担当し、どのようなことを心掛けていたのかを詳しく聞いてみました。また、「可能な限り、業務内容や経験が伝わるようなエピソードを教えて下さい」とお願いしたのです。
すると、Aさんは普通の役職者と比べて圧倒的に現場のスタッフとのコミュニケーションを密に行なっていたことが分かりました。Aさんが、役職者とスタッフの橋渡し役を自然と務めていたことで、業務レベルの向上や効率化が実現できていたことは容易に想像できたのです。
2.自分の中では当たり前のことでも自己PRにつながる
さらに話を聞いてみると興味深いエピソードがありました。それは、アルバイトスタッフとの何気ない会話の中から始まった出来事だったそうです。
ある日、新たに導入されたパチンコ台について複数のスタッフと話していたところ、ほとんどの人が台の仕組みについて理解できていなかったとのこと。そして、多くのスタッフがパチンコ台の仕組みについてお客様から質問を受け、答えに困った経験があることも判明したのです。そのため、パチンコ台の機種情報に関しては小冊子や雑誌の切り抜きだけでは返答できない部分について、「別紙でQ&Aがあると便利だ」との意見を聞き、上司に相談の上、難しい仕組みのパチンコやスロットに限ってはAさん自らQ&A集を作成しました。そして、それをスタッフに配ったところ、よりスムーズに接客できるようになり、スタッフとお客様との接点も増え、パチンコホールの活気が一層高まったそうです。
こうしたエピソードはあくまでも一部であり、Aさんは他にも主任として様々な取り組みをして、多くの経験を積んでいました。転職アドバイザーからすれば、Aさんの仕事ぶりは大変興味深く、自己PRにつながるものが数多く見られましたが、Aさんは「主任として当たり前のことをしているだけ」という認識があり、特別なことだとは思っていなかったのです。
3.自分を知ることが第一歩
自分自身の「強み」を見つけるのは、とても難しい作業です。転職活動のために自分の強みを知ろうとしても、場合によっては勝手な思い込みで偽りの自分像を作り上げてしまったり、逆に、自分の長所を見逃してしまったり。
そうしたことを防ぐためには「気づいたことは紙に書き出す」「気持ちが落ち着いている就寝前に自分を顧みる」といったことをしてみるのもいいでしょう。そのような作業を繰り返すうちに、自分自身のことを少しずつ客観視できるようになり、自己理解が深まります。頭の中で整理ができていれば、転職エージェントや面接官と話すときにも分かりやすく伝えられるようになるのです。
4.まとめ
転職を考えている人は、これを良い機会だと考えて、これまでの自分自身を振り返ってみてはいかがでしょうか。過去の自分や現在の自分を知ることで、パチンコ業界で目指すべき方向性が改めて心に刻まれたり、あるいは、新たに夢や目標が浮かんだりすることもあるでしょう。
また、自分自身では見落としていることに気づくためにも、友人や第三者に意見を求めてみるのも有効です。きっと、自分とは違った視点から「あなたらしさ」「あなたの長所・短所」を指摘してくれるはず。
自分自身をしっかり理解することが、的確な自己PRにつながり、それが転職の成功に導くことを忘れないで下さい。