転職希望者に伝えるのは、「自社の魅力」
転職雑記 2017/1/31
ある求人企業に、転職希望の主任経験者をご紹介し、面接のセッティングをしました。すると後日、求人企業の採用担当者からこんなお話が……。
「うちの会社は、待遇や給与条件が他のパチンコホール企業よりも悪いから、きっとこの前面接を受けてくれた主任さんの中では、優先度が低いよね」
このような話は、しばしば多くの求人企業から聞くものです。もちろん、転職希望の方にとって「待遇」や「給与」は、転職先のパチンコホール企業を選ぶ上で、非常に重要なポイントになってきます。しかし、実際に転職者が転職先を決めるポイントを見ていると、待遇や給与条件だけで転職先を決めているわけではありません。
待遇や給与以外の部分に魅力を感じ、転職先を決めているというケースも多くあるのです。
1.転職をしたいと思う求人企業像
過去には、現在の半分以下の年収で、地位もすべて捨てて、一からスタートを切った方もいます。また、エリアマネージャーだった人が、主任として転職したという話も珍しいものではありません。では、転職希望者は、どのような視点をもって、転職先を決めているのでしょうか?
まずは、『転職をしたいと思う求人企業』の条件を見てみましょう。
①待遇や給与条件が良い
②パチンコホールでの業務内容や事業内容が明確
③自分のやりたいこと(ビジョン)が実現できる
④成長できる
⑤会社の雰囲気や社風が良い
上記の5つの項目は、転職者に求める企業像を聞いた際、よく答えとして返ってくるものです。同時に、転職希望者に「転職・退職理由を聞いたときに返ってくるワード」でもあるのです。私が会った転職希望者の多くは、転職・退職理由として、『上記の5つのうちいずれか(または、すべて)が叶えられていないこと』を挙げていました。
ここで分かることは、転職先を決めるポイントとして、『転職・退職理由を払拭できる企業か否か』が重要になってくるということです。一方で、企業の魅力と転職理由とは、合致する傾向になるのです。
待遇や給与条件も、転職先を決定付けるワードとしてよく出てくるので、確かに選ばれるポイントの一つであると言えるでしょう。しかし、それだけが全てではないと知っておく必要があります。
つまりは、待遇、給与条件が他のパチンコホール企業と比べて低いからといって、転職先の候補から即座に外されるというわけではないのです。逆に言えば、「待遇、給与条件を選ばれない理由」にしてしまってはいけないと言うことです。
2.大切なのは、「自社の魅力を伝えること」
当たり前のことだと思うかもしれませんが、意外と多くの求人企業でその意識が薄い傾向にあります。実際に求人企業の面接に同席をしていると、それが意識できている企業とそうではない企業とにはっきりと分かれるのです。
意識できていない求人企業に関しては、面接という少ない時間の中で、「いろいろなことを話したい」——つまり、「自社の魅力をたっぷり伝えたい」と思ってしまうのです。細かいことを説明して、全体がぼやけてしまったり、ポイントが拡散してしまったりして、本当に伝えたい魅力の部分薄くなってしまっている場合もあります。ここで失敗すると、転職希望者が他の求人企業に決めてしまう可能性が大です。
冒頭でお話した求人企業ですが、会社として一番伝えたい魅力を明確にして、面接を受けた人にその部分だけでも必ず覚えて帰ってもらえるように意識したところ、転職希望者のこの企業に対する印象が大きく変わっていきました。
元々、採用担当者が気にされるほど、「待遇や給与条件に対する苦言」があったわけではありません。しかし、採用側が気にしていたのも事実。しかし、自社の魅力をより明確に、はっきりと伝えることによって、転職希望者からの印象はグッと上がったのです。
3.まとめ
「自社の魅力は何なのか?」「転職者は何を求めて面接に来ているのか?」このポイントを抑えることが、求人企業が、求める転職希望者を採用するために非常に大切になってきます。
待遇や給与条件など、簡単に変えることのできないものに悩まずに、「どのようにすれば、自社の良いところがわかってもらえるか」を意識して、面接を行っていくようにすると良いでしょう。