自分の意見がない転職希望者は、必ず躓く!
転職雑記 2017/4/25
「パチンコ業界で店長になりたいんです」「今の店長との関係が上手くいかなくて、環境を変えたいと思っているんです」「両親の面倒を見たいので、地元で就職したいんです」このように、転職を考えるきっかけは人ぞれぞれです。しかし、何かしらの想いを抱いていて、転職活動をすることがほとんどだといえるでしょう。
そのため、転職先に求める条件を、ある程度決めている人は多いのです。細かく条件を決めている人から、大枠まで考えている人まで、程度はさまざまですが、自分自身で決めている転職希望者ばかりです。
1.自分の意見がない転職希望者
そのような転職希望者が多い中、先日面談した転職希望者は違いました。
30歳でパチンコホールの副店長職を経験したことがある、転職希望者のYさん。いつもと同じようにこれまでのパチンコ業界での経験を聞いた後に、「今回の転職で、希望する条件は何かありますか?」とおうかがいしたところ、すっと何かメモ書きのようなものを取り出して言いました。「これ、妻から預かってきたものです」と。
私は不思議に思いながらも、それを受け取りました。そのメモには、「給料25万円以上、各種保険有り、自宅から通える範囲、賞与有り、有給が使える」と書いてあったのです。これまで多くの転職希望者と面談をしてきましたが、このようなケースは初めてでした。私はとても驚き、もう一度「奥様の希望以外に、Yさんのご希望は何かありませんか?」と聞いてみたのですが、自分自身の希望は「特にない」とのこと。家族の意見は大切ですが、自分の希望が全くないという点に「このままで大丈夫だろうか……」と少し不安を感じました。
その後、求人企業の紹介をしていきましたが、なかなか転職活動が進みませんでした。
求人企業を紹介しても、「一度考えてみます」「妻と相談してみます」という返答で、先行を進めるかどうかの決断に長い時間を要することが度々ありました。また、先行を進めることに決めても、求人企業側からの面接の結果が不採用となってしまいます。
求人企業側の不採用の理由としては、「自分の意見がない方なのではないかと感じた」という意見がほとんどでした。
2.自分の意見をきちんと持つこと
家族の意見や周囲の状況を考えて、尊重して転職活動をすることがダメなわけではありません。むしろ、私個人の意見としては、「自分の考えだけでなく、周りの人のことを尊重して、自分自身の今後について考える姿勢」はとても素晴らしいものだと思っています。
実際、私がこれまでに担当した人の中には、家族の希望を尊重して転職をしている人はたくさんいます。では、今回のYさんはなぜ、うまくいかなかったのでしょうか。
それは、求人企業側が不採用理由として挙げている「自分の意見がない」ということが答えです。転職において、「自分の意見がない」または、「自分の意見がないと思われてしまうこと」は、あってはいけません。やはりそこが転職がうまくいかない理由とも言えるでしょう。
Yさんに自分の意見がないと思われてしまうという部分で象徴的なのは、初めての面談の時のことです。最初に面談した時、私が希望条件を尋ねると、Yさんは奥様からのメモをそのまま渡しました。Yさん自身が奥様の意見を叶えたいと本当に思っているのならば、メモをただ手渡すことはしないでしょう。メモに書かれたことを自分の意見として頭に落としこみ、「このような条件です」とYさんの言葉で話すはずです。メモを渡したとしても、「なぜ自分が妻の意見を叶えたいか」を話すでしょう。それをしなかったことが、「自分の意見がない」と感じさせてしまうところだったのです。
実際に、家族の希望を尊重して転職をした人たちは、なぜ家族の希望を叶えたいかを私に伝えていました。転職を考える動機は人それぞれだと思いますが、それを自分の意見として捉えて考えているかが転職においてはとても重要になります。
3.まとめ
今転職を考えているみなさんは、きちんと「自分の意見」を持っているでしょうか。自分で条件を決めて、自分で未来を思い描けているのならば、問題はありません。
もし、「家族がそう言っているから」「周りが期待しているから」という理由で転職活動をしようとしているならば、一度考え直した方がいいかもしれません。再度、「自分が何をしたいか」を考えて、しっかりと将来を見据えた転職活動を行い、是非それを自分の言葉で伝えてください。そうすることで、より前向きな転職活動ができるではないかと思います。