転職で後悔しないために大切なこと
転職雑記 2017/8/31
転職活動をする上で、重要視するポイントは、人によって異なります。「今の自宅から通える勤務地」や、「残業がない会社がいい」など、さまざまです。
その中でも、転職希望者が転職先の企業を選ぶ理由としてよく挙がる項目が、「給与」「職場環境」「職務内容」の3点です。転職希望者の多くがこの3点で判断し、転職先の企業を探しているように感じます。
しかし、この3つのポイントすべてを満たす求人企業と出会うことができればベストですが、そう簡単にいかないのが現実です。では、転職後に後悔しないためにはどのように転職活動を進めていけばいいのでしょうか。ここでひとつ、例を紹介したいと思います。
1.迷う主任・Iさん
店長になりたいと考えて、転職活動をしているIさん。既婚で、年収は450万円、現在は主任として勤務中です。労働環境には、概ね満足しており、営業のデータ管理やパチンコホールでの業務など、主任として求められる基本的な仕事はでき、たまに残業はあるけれど苦ではないそうです。主任の次は店長でしたが、店長以上に上がる活路が見いだせずに、キャリアアップを求めて転職を決意したと言っていました。
そんなIさんの希望は……
・昇格制度が明確
・スキルアップができるパチンコホール企業
・年収は可能な限り現在の額を維持
勤務地は特にこだわりがなかったので、希望の叶いそうな求人企業は複数社あり、その内の数社を紹介しました。最終的に、3社の求人企業から、「ぜひうちに来てほしい」と連絡がありました。
そして、3社がIさんに提示してきた、入社時の条件は以下です。
A社:年収は少しアップ。前職と同じ、主任職からのスタートを確約。今住んでいる場所からは離れているので、最初は引っ越ししなくてはならないが、店舗が密集しているので、それ以降、転居の必要はなし。業務内容は、店長と話をしながら、できることからやっていってほしい。店長などへの昇格は、お店の実績を見て随時判断。基本的に残業はないので、自分の業務を時間内に終わるようにしてくれればいい。
B社:年収はほぼ同額。会社の状況を理解してもらうために、班長からのスタート。労働環境や休日、職場環境面は整備しているので、家庭の時間を取りやすい。役職が細分化されているので、今のパチンコホールと同等の仕事が行えるようになるのは、副店長クラスになってから。転勤は、2、3年に1度必ず発生する。展開エリアが他府県にわたっており、転居が必要。昇格制度はあるが、店長までの道のりはかなり険しい。
C社:年収はややダウン。経験はなるべく考慮するが、自社のやり方を理解してもらうために班長からのスタート。最初は業務内容に制限があるが、主任に昇格すれば前職と同等の業務内容が担当できる。勤務地は遠方だがドミナント展開しているので一度引越しすれば他府県への移動はなし。基本的に転職者して1年目の人事考課は年1回だが、特例として年2回の人事考課を初年度より適応する。ただし周りと同じペースで仕事をしていても店長への早期昇格は難しいので厳しい環境は覚悟しておいてほしい。
3社すべてが、ある条件は希望通りでも、ある条件は希望通りにはいかないという状況でした。このようなケースになった場合、転職希望者はとても悩みます。
2.Iさんの決断
今回の転職希望者もとても悩んでいましたが、結果的に、「C社」へ転職することを決めました。決めてとなったのは、「キャリアアップが見込める点」です。A社に関しては、入社後の自由度が高く、主任であっても関われる業務内容は多いようでした。社風として、ハングリー精神が強く、腕に自信がある人には働きやすい環境です。しかし、自由度が高すぎるため、キャリアアップや仕事内容での具体性が不透明という問題がありました。
B社は、家族がいる人には申し分ない環境でした。離職率は3社のうち、最も低く、長く働くには最適なパチンコホール企業でした。ただし、店長になるまでにかなりの年数がかかり、「今のパチンコホール企業と同じようになる可能性がある」と転職希望者は判断しました。
C社も、昇格するには自主的な姿勢が求められるので、人より多くの仕事をこなさなければならず、ハードワークになるという懸念点はありました。しかし、ただ忙しいだけでなく、しっかりと自分に還元されそうだと思い、転職を決めたのでした。
転職先を決めるときには、「ここだけは譲れない」という条件をひとつ持つようにしましょう。迷ったときは、それを基準に考えてみてください。ぶれない軸を持つことが、後悔しない転職への第一歩です。
3.まとめ
今回は、選択肢が多くあるケースでしたが、選択肢が少ない場合でも同じです。転職後に後悔をしないために会社を選ぶポイントは、
(1)「これだけは譲れない」という条件持つ。
(2)「給与」「環境」「職務内容」をベースにして総合的に求人企業を判断する。
(3)懸念事項が出たときに自分自身の転職動機と環境(家庭環境)などから判断する。
そして、転職先を決定するまでは、条件の良し悪しに関わらず、多くの求人企業の面接を受けるようにしましょう。自分自身の転職市場における価値を知り、その上で判断することが重要です。