新卒者の採用から見えてくるパチンコ業界の流れ
転職雑記 2018/4/17
今年度も数多くの新卒者がパチンコ業界に入社しました。
業界大手といわれる大規模パチンコホール企業では100名以上の採用を行っているところもあります。そのような企業はパチンコホールの好調な業績、今後の明確な新規出店計画をうかがわせます。
当社は、パチンコ業界での転職希望者の転職支援を中心に行っていますが、新卒採用の支援業務も行っております。新卒採用は、やはり中途採用とは違う悩みが出ることが多く、お手伝いすると新しい発見があります。しかし中には、「中途採用を行うときも考えるべきことなのではないか」と感じるケースもしばしばあり、多くの人事担当者に知っておいてほしいこともあります。
今回は、いろいろなパチンコホール企業と新卒採用についてお話していく中で気付いたことをお話していきたいと思います。
1.会社一丸となった受け入れ体制
まず、パチンコ業界では、新卒者の採用は、人事部が行っているパチンコホール企業が多く見られます。
各店舗が積極的に採用活動を行わない理由としては、パチンコホールの店長にとって、新卒者が本当に自分自身の店舗に配属されるかも未定、今度どのくらい関わるのかもわからないという状況で、なかなか採用業務までサポートできないというのが本音なのです。そのため、それぞれの店舗に新卒採用を任せずに、会社一丸となって新卒者を迎え入れる流れを取っているパチンコホール企業が多くあります。
2.パチンコ業界の新卒採用の状況
先日、パチンコ業界で新卒採用を行っている人事担当者に対して、アンケートへの回答をお願いしました。その内容は、「前年度と比べて、新卒採用はどうだった」という質問です。
結果、約75%のパチンコホール企業が、「前年度と比べて、新卒採用がしにくかった」と回答しました。
新卒採用がしにくかった理由として、もっとも多く挙がったのが、「パチンコ業界を第一志望として考えている学生の数が圧倒的に少ないと感じた」ということでした。
以前は、パチンコ業界というと、他業種と比べたときに給与が高く、住宅などの福利厚生面での充実という部分が魅力的だったように感じられます。しかし、ここ数年は給与や福利厚生面の見直しを図るパチンコホール企業が見られたり、パチンコホール店長であっても、具体性や専門性のない、何でも屋として見られてしまうような求人の出し方をしたり、大きな魅力ややりがいを打ち出せていない求人企業が多くなっています。その結果、「待遇面だけ見ても、パチンコ業界には魅力を感じない」と思っている学生が増えつつあるのです。
3.若者のパチンコ離れ
また、新卒採用にあたり、非常に気になる点として、「パチンコ遊技人口の減少が、新卒者の採用にも影響を与えているように感じること」だそうです。人事担当者は、入社志望者の中にパチンコ遊技経験のない人が多く見られることから、「パチンコが本当に心から大好きで、パチンコ業界を志す人」が年々減ってきていると不安に感じているようです。
確かに、遊技人口の減少は、パチンコ業界を志望する学生の減少につながっているように感じられます。好きではなくても入社を志望することもありますが、待遇に魅力を感じなくなったらやめてしまう可能性があります。
若者のパチンコ業界離れを解決していくことの早期解決は大変難しいですが、パチンコ業界全体としてユーザー離れを食い止めることが、新たな雇用にも繋がっていると認識して解決策を考えていく必要があります。
若者の労働人口が減り、さまざまな業種で若い労働力を確保するために動きが見られる中では、パチンコ業界はまだまだ遅れているといえます。そのためには、目の前のお客様を大切にすることが新たな労働力に繋がっていくことを意識する必要があります。
4.まとめ
新卒者の採用をお手伝いしていると、パチンコ業界の現状が見えてくることがあります。新卒採用で一番の悩みとしては、「パチンコ業界を一番に志望している学生が少ない」ということが挙げられます。それをたどっていくと、「若者のパチンコ離れ」が見えてきます。
そのため、今パチンコ業界に身を置いている人は、目の前のお客様を大切にして、また、パチンコ業界のイメージをクリーンにしていく必要があります。直接採用と関係のないことであっても、未来の労働力のことを意識して、日々の仕事をこなしていってほしいと思います。