転職とコンプライアンスの関係
転職雑記 2018/9/27
「コンプライアンス」という言葉を聞いたことがない、あるいは見たことがない、という人はいないでしょう。コンプライアンスをもっとも分かりやすく説明すると、「法令遵守。特に、企業がルールに従って公正・公平に業務を遂行すること。」となります。(デジタル大辞林より)
平成以降、有名企業による法律違反事件が相次いで発生したことから、「企業はより厳密に法律を守るべき」という社会的要請が強まってきました。企業活動において触れる商法や独占禁止法、不正競争防止法などの法律はもちろん、個人情報保護法なども対象となります。
最近では、法令のほかにも「CSR(企業の社会的責任)」にも言及されています。CSRとは企業倫理、コーポレートガバナンス、内部統制などですが、さらにここに「リスクマネジメント」も含まれつつあります。それはコンプライアンスの取り組みを徹底していたにも関わらず、事件・事故が発生してしまった事例が数多いからです。
もちろんパチンコ業界においても例外ではなく、コンプライアンスの重要性は日々増しています。パチンコ業界でもコンプライアンスについて真剣に取り組んでいる企業は増えています。ただ、その状況は「会社が変われば取り組み方も違ってくる」という温度差もあるのが実情です。
今回は、そのコンプライアンスが転職の動機となった事例をご紹介します。
1.パチンコ大手チェーン経験者
Cさんは全国展開する大手パチンコ企業で店長を務めていました。在職していたパチンコ企業はコンプライアンスを重要視しており、規定内での労働時間や休日取得、お客様対応や営業手法に関して徹底されていたため、それがパチンコ業界のスタンダードと考えていました。
そして10年間勤めたあと、全国への転勤の多さから、家族のために生活拠点を設けたいということで転職を行いました。
2.地元企業とコンプライアンス
最初に転職を決めた所は、同一県内に10店舗ほどお店を展開するパチンコ企業でした。主任職として入社しましたが、僅か2ヶ月で退職してしまいました。理由は、パチンコ台の取り扱い業務でコンプライアンスが遵守されていないと感じる部分があり、「会社にいつ何があってもおかしくない状況では安心して身を任せられない」というものでした。
次に入社を決めたパチンコ企業は、同一県内に5店舗を展開する企業でした。前職同様に主任職として入社しましたが、今度は僅か1ヶ月で退職しました。理由は「就業規則内で勤務が終わることがあまり無く、人手不足によりサービス残業や休日返上での仕事も発生する労務環境に、コンプライアンスを遵守する意思を感じられない」というものでした。
こうした「コンプライアンス」の意識が低い環境が、人手不足などのより一時的に発生していまうこともあります。大手ホール企業で整いつつあるコンプライアンスの意識や環境ですが、企業によってはまだ整っていない場合もあり、今後の課題でもあります。
3.コンプライアンスを重視する人々
Cさんは現在パチンコ業界を離れ、地元の異業種の企業で仕事をしています。
給与はパチンコ業界で働いていた時から下がり、接するお客様数も大きく変化して業務は単調なものになりました。しかし、Cさんの考える働き方にはマッチし、毎日充実して働いているようでした。
理由としてCさんが強調していたのは、「家族を守っていくための安定感や、安心して働ける会社と感じられることが大きい」とのことでした。
平成も終わりを迎えつつある現在、スタッフの中にはCさんのような働き方を求めて退職する人や最初からパチンコ業界を選択しないという人が存在しているのも事実です。まずは離職を防止し、適正な社員数での店舗運営を行うことで、より働きやすい職場を目指すことが、良い循環を生むために必要だと感じます。
もしまだ「コンプライアンス」への取り組みが始まっていない環境にあるとしたら、企業の責任者や役職者は、スタッフ全員を束ね導いていくために「コンプライアンス」についての意識を根本から変える必要がありそうです。
今一度「コンプライアンス」を意識し、しっかりと取り組むことが大切ではないでしょうか。